山本一慶の”本格的初演出”に和合真一が「稽古では本当に怒らないでね」と懇願!?オールメールキャストで送る舞台『夏の夜の夢』12/18開幕目前SPインタビュー【前編】

俳優・山本一慶さんの本格的な演出家デビュー作となる舞台『夏の夜の夢』が、12月18日より、名古屋と東京の2都市にて上演されます。

シェイクスピア喜劇の代表作を男性俳優のみの“オールメール”キャストで送る本作は、当初2021年5月に上演予定でしたが緊急事態宣言により延期になり、この度新たなキャストを迎えての上演となります。

新キャストとして、ヒロインのハーミア役に関西ジャニーズJr.の澤田雅也さん、ハーミアの恋の相手・ライサンダー役にジャニーズJr.の松本幸大さん、また4年前の公演でヘレナ役を演じた和合真一さんがヘレナに愛されるディミートリアスを演じます。さらには深澤大河さん、大崎捺希さん、八神蓮さん、続投となる安井一真さん、谷水力さん、KIMERUさんと豪華な俳優陣が集結しました。

スマートボーイズでは、演出を務める山本一慶さんとディミートリアス役の和合真一さんにSPインタビュー! 前後編の2回に渡りお届けします。PART①では、演出にまつわるクロストークや座組の雰囲気などを語ってもらいました。

(左)演出の山本一慶さん
(右)ディミートリアス役の和合真一さん
――よろしくお願いします。一慶さんは5月に本格的演出家のデビュー作を飾る予定だったものの、新型コロナの影響で延期となりました。今回年内に延期公演が決まった時の心境を教えてください。

山本 確かに延期は悔しいですし、それまで作ってくれた役者陣の姿をお客様に届けられなかったというのは非常に残念ではありましたが、5月公演が中止ではなく延期という形をとらせていただいて、日程も年末に決まったのは有難いことだと思いました。キャスト全員が揃わなかったのはしょうがないことですけど、こうやって公演にこぎつけることが出来てとても嬉しいです。

――新キャストとなる和合さんは、4年前の公演では女性のヘレナを演じていましたが、今回演じるのは男性のディミートリアスということで、役を変えての出演となりますね。

和合 最初に「夏の夜の夢」のオファーをいただいた時は、ヘレナを演じる気満々で、ずっとヘレナの発声練習をしていましたが、ディミートリアスを演じると聞かされた時は、セリフを覚え直さないといけないのか……、というのはありました(笑)。でもそれはそれでやりがいがあるなと思いました。というのも、ヘレナはディミートリアスのことをずっと想って追いかけるという、面白くもあり切なくもあり、ヘレナ自身の乙女心がわかっているからこそ、演じる上でいろいろな発想が出てくるので、役者にとってもチャレンジで、なかなか出来ない機会ですし、“僕しかできないであろうディミートリアス”というのをお見せできればと思っています。素敵なキャストたちと山本一慶演出で、どれだけ相乗効果で面白いものが生み出されていくのは、演劇ならではの楽しさでもあるので、自分自身でも役者として楽しみにしています。

――一慶さんの初演出というのは今作の見どころの一つでもあります。5月の公演は稽古の途中で延期が決まったそうですが、その時と今回の演出する上でのプランというのは変えたりしていますか。

山本 この作品に込めた思いは変わらないですけど、やっぱりキャストが一新されたことによって、生まれてくるものが絶対的に違いますし、5月公演にとらわれることはないようにしようかなとは思っています。新しいものとして今回作り直す気持ちです。

――ちょうどお話を伺っている時点では、稽古が始まったばかりとお聞きしていますが、座組の雰囲気はいかがでしょうか。

山本 澤田くん、松本くん、安井くんの3人で軽く本読みをしましたが、澤田くんと松本くんのジャニーズ2人が今回新しく加わってくれて、ジャニーズという新しい風が吹いてきているなと感じましたね。お芝居に対する捉え方に関してきっと違う感覚があると思うし、気を使ってくれたり緊張もあると思いますが、いい意味で緊張が生まれていると感じたので、それらを取っ払って、どんどんいい作品に向かってカンパニーが仲良くなっていけたらと思います。手応えとしては、良くなる未来が見える本読みだったので、ここから徐々に理解を深めていって、一緒にキャラクターを作っていけたらなと思っています。

山本一慶さんの演出で4年前の公演からどう変化したか。本番が今から楽しみです!
――一慶さんと和合さんはこれまで“役者”としてともに接してきましたが、今回は演出と役者と立場が変わります。互いに話し方とか接し方とか変えようと思いますか。

和合 稽古で怒られないようにビクビクしながら過ごそうかと。

山本 バカなこと言っているんじゃないよ(笑)。

和合 いつ灰皿やパイプ椅子が飛んでくるかわからないからね。今から灰皿をスタイリッシュに避ける練習をしなきゃ。

山本 もしかしたら投げるように灰皿を積んでいるかも(笑)。

和合 普通の演出家と役者のポジションとは今回違ってくると思っていて、普段は演出家と若干距離があって、徐々に詰めていく作業が発生するんですが、今回はお互い知っているからこそ、言いたいことが言えたり、相談しやすいというのもあるし、演出側としての話と役者側としての話をすり合わせが上手くできると思うので、円滑に行くんだろうなというのはあります。不安な要素は一切ないですし、逆に山本一慶演出によってのプラス要素がたくさん生まれる期待の方が大きいです。いいことたくさん言ったから、稽古では本当に怒らないでね(笑)。

山本 怒らないって。本当に優しいから。

和合 ホント?

山本 5月の稽古で思いましたよ。「俺って本当に優しいんだな」って。

和合 「ちょっと歳だからセリフ覚えが悪いな」とか言わない?

山本 言わないって。

――一慶さんはキャスト陣への接し方は変えたりしますか。

山本 第三者の目線で見ていて役者をやっていた僕だからこそ、役者が言いにくいことだったり、何が違和感になっているのか役者がわかっていないところを、迅速に理解してあげあげられることはあるんだなということが、5月の段階で多く経験させていただいたので、そういう意味では、演出家ですけど役者の気持ちに寄り添える演出家でいたいという思いはあります。

――今回のキャストを見ると、一緒に共演したが多くいらっしゃいますが、演出をする上ではやりやすい方だと思いますか。

山本 偉そうに聞こえるかもしれませんが、役者として演出家として、僕にできることがあれば全力で協力して、これまで共演した彼らに還元することによって、今の舞台業界がもっと良い方向に変化していくならいいなという思いがすごく強くて、そういう影響力のある人間になれたらと思っています。その中で、言うことを聞いてくれそうなメンバーを集めました(笑)。

和合 きっと一番のミスキャストは俺かも(笑)。

山本 和合ちゃんは“我が道”というスパイスだから今回のカンパニーには必要だよ。

和合 ありがとう!

――我が道だからこそ、言うことを聞かなそうな気もしますが……。

和合 言うことは聞くんですけど、言われたことを多分理解できていないんでしょうね(笑)。自分の中で勝手に落とし込んで、勝手にやっているから、「あぁ、もう勝手にして」という感じになるんでしょう。

山本 いやいや、勝手にはさせませんよ。

和合 ドライビングテクニックによって如何様にもなるので、そこは忠実にやるし、「ストップして」と言ったらストップするし、走りっぱなしだったらどこかに行っちゃうし(笑)。

山本 全て役者と意識を共有して作っていきたいというのはあります。ただ初めての演出なので、本番になって気付くこともきっとあるだろうし、わからないまま終わってしまうことも考えられますが、無事公演が終わった時に「みんなで作り上げた作品だね」と思えるような話し合いが出来ればいいですね。

――初演出だからこそ、公演が終わった時の心境がどうなるかというのも楽しみですね。

山本 まず役者として舞台上でお芝居をしている人間として、舞台を客席で見られるということが出来ませんからね。そうやって新しい経験をさせていただいて、本当に楽しみです。

和合 まぁ、全然出演してもいいんですけど。特別枠で突然出るとか。

山本 どこで出てくるんですか!!

――今回一慶さんが初演出ということで、和合さんも舞台の演出に興味を持ったりしますか。

和合 僕は“自分の人生の演出”で精一杯なので、舞台の演出に関しては出来ないですね。

山本 それはそれでカッコいいな!!

和合 世界が真っ新なキャンバスだったら、僕は如何様にも出来ると思うんですけど、色づいているものを自分なりに変えていくのは難しいものだと思っているので……。

山本 わかりやすいことを言ったようで、わかりにくいし。ホントにモヤモヤしました(笑)。

和合 僕は深いようで浅い言葉を使うことが得意なんです(笑)。

(※PART②に続く

和合真一さん演じるディミートリアスのソロビジュアル
≪あらすじ≫
アテネ公爵シーシュースは、アマゾン国女王ヒポリタとの婚儀を間近に控え、浮き立つ気持ちをおさえきれずにいた。
そこへ貴族イージーアスが娘ハーミアを連れてやってくる。彼女は父の薦めるディミートリアスとの結婚をかたくなに拒んでいた。
アテネの古い法律に則って父の言うとおりに結婚しなければ死刑ないし一生独身だと、シーシュースに言い渡されたハーミアは、恋人のライサンダーとアテネ郊外の森で落ち合い、駆け落ちすることに決める。
幼なじみのヘレナにだけはこの約束を打ちあけた。しかしヘレナは、ハーミアが拒むディミートリアスに想いを寄せており、二人の駆け落ちの秘密をディミートリアスに教えてしまう。こうすれば、二人を追って行くディミートリアスに森で会えると思ったのだ。
街では、公爵の結婚式で芝居を披露するために機織り職人のボトムや大工のクインスら6人の職人仲間が集まっている。
配役を決め、練習のため翌日の夜、森で集まることにする。かくして、10人の人間が、夏至の夜に妖精の集う森へ出かけていくことになった。
一方その森では、妖精の王オーベロンと妖精の女王タイテーニアがインドから連れてきた小姓のことでケンカをしていた。
機嫌を損ねたオーベロンはいたずら好きな妖精パックを使って、タイテーニアのまぶたに媚薬をぬらせることにする。
キューピッドの恋の矢の魔法から生まれたこの媚薬は、目を覚まして最初に見たものに恋してしまう作用がある。
パックの勘違いで森で眠っていたライサンダーとディミートリアスにもこの媚薬を塗ってしまったことで、ライサンダーとディミートリアスがヘレナを愛するようになり、ハーミアたち4人の関係があべこべになってしまった。
また、森で稽古している職人たちを見かけたパックは、いたずらでボトムの頭をロバに変えてしまう。
目を覚ましたタイテーニアは一目見てロバの頭をしたボトムに惚れてしまう…。

舞台『夏の夜の夢』は12月18日より名古屋市芸術創造センターにて名古屋公演、12月22日より東京芸術劇場シアターイーストにて東京公演がそれぞれ上演。詳細はInformationから公式サイトをチェックしてください。

■山本一慶 和合真一 八神蓮 出演動画はアプリで好評配信中↓■

☆Information

舞台『夏の夜の夢』

【日程・会場】
名古屋公演 2021年12月18日(土)、19日(日) 名古屋市芸術創造センター
東京公演 2021年12月22日(水)~26日(日) 東京芸術劇場シアターイースト

原作:ウイリアム・シェイクスピア
演出:山本一慶

<キャスト>
ハーミア:澤田雅也(関西ジャニーズ Jr.)
ヘレナ:安井一真

ライサンダー:松本幸大(ジャニーズ Jr.)
ディミートリアス:和合真一

シーシュース&蜘蛛の糸の妖精:深澤大河
ヒポリタ&豆の花の妖精:大崎捺希

パック:谷水力
オーベロン:八神蓮
タイテーニア:KIMERU ほか

▼チケット
料金:S席 9,900円 A席 7,700円(税込・全席指定)

▼取り扱い
名古屋公演:名古屋市文化振興事業団チケットガイド 052-249-9387(平日 9:00~17:00/チケット郵送可)、チケットぴあ、ローソンチケット、サンデーチケットセンター
東京公演:アーティストジャパン、東京劇術劇場ボックスオフィス、チケットぴあ、イープラス、ローソンチケット

企画・製作:アーティストジャパン

お問い合わせ:アーティストジャパン 03-6820-3500 https://artistjapan.co.jp/

≪公式サイト≫
https://artistjapan.co.jp/a_midsummer_nights_dream_2021/

≪公式Twitter≫
@aj_amnd2021

関連News