"男・村井良大×女・優河×作・演出・ノゾエ征爾"サスペンス風コメディ、リーディング『鳥ト踊る』が11/27開幕!3人の"初"稽古密着フォトレポート&合同インタビューをUP!

ワンシチュエーション×男女2人による少し不気味で滑稽なサスペンス風コメディ、リーディング『鳥ト踊る』が2023年11月、東京・有楽町 I'M A SHOWにて上演されます。
リーディング『鳥ト踊る』稽古場フォト
「鳥ト踊る」は、俳優としても活躍し、最近はオールナイトニッポン55周年記念公演『明るい夜に出かけて』を手掛けたノゾエ征爾氏が主宰する“劇団はえぎわ”の番外企画として始動した“真夜中”によって2009年に上演され、その後2011年にリメイクされた人気作。
謎の扇風機に髪を絡みとられて身動きできなくなった女と、たまたまそこに通りがかってしまった青年が織りなす会話劇で、ワンシチュエーションで起こる少し不気味で滑稽なサスペンス風コメディを、今作では男女二人のみの朗読劇として描き出します。

【あらすじ】
女は長い髪が扇風機に絡まって身動きができずにもがいていた。
近所で誰かが弾いているピアノの音が耳障りで、焦る心を更にイラつかせる。
そこに迷い込んだようにやって来た男は、女の髪を解(ほど)くというのだが、なかなか解(ほど)けない。
解(ほど)けないのか、解(ほど)かないのか……? 両者の思惑が徐々に発露されていく。
ひょんなことから身動きがとれなくなった女。
ひょんなことから身動きがとれなくなった女と遭遇した男。
偶然出会った男女が織りなす、どこか不思議で必死で滑稽で愛おしい物語。

Aバージョン出演:村井良大・優河/Bバージョン:東 啓介・斎藤瑠希
11月27日から30日までの4日間で4公演が上演される本作は、2日間の2公演ずつを2組の男女ペアで上演。
11月27日18:00と28日13:00公演には、ミュージカル『生きる』、こまつ座『きらめく星座』などに出演する俳優の村井良大さんと、2020年に藤田俊太郎氏演出のミュージカル『VIOLET』のオーディションで主役のヴァイオレットに選ばれたシンガーソングライターの優河さんが登場。

11月29日18:00と30日13:00公演には、ミュージカル『ラグタイム』や、現在放送中のテレビドラマ『女子高生、僧になる。』(MBS)も話題の俳優の東啓介さんと、ディズニー長編アニメーション『ミラベルと魔法だらけの家』日本語吹替版のヒロイン・ミラベル役やミュージカル『BE MORE CHILL』などで活躍する斎藤瑠希さんが出演します。
(左から)優河さん、村井良大さん、ノゾエ征爾 氏
去る11月7日には、村井さんと優河さんの初稽古の模様がマスコミに公開。村井さんと優河さんは、この日初めて顔を合わせたそうですが、稽古前に台本を読み込んできたという2人は、"髪が絡まって身動きの取れない女性×その女性を助けそうで助けない男性"という不条理な状況の表現に、活発にコミュニケーションを取りながら向き合います。
そして今作は、ト書き(台本上でセリフ以外の心情や状況を説明した記述)も出演者が読み上げる独特なスタイルを取っており、どうセリフを交えながら客席に届けるかを、ノゾエ氏も交えながら作り込んでいきます。
稽古がマスコミに公開される際は、見せ場のシーンを稽古するケースが多いのですが、今回の稽古はマスコミの存在を一切気にすること無く進み、3人の試行錯誤する様子がそのまま公開されていき……物理的だったり心情的だったりを、どう表現したらよいかを思い悩む表情も、ちょっと試しに言ってみた口調の当てが外れて見せた照れ笑いも、その一つ一つの積み重ねから、3人が徐々に作品の輪郭をハッキリさせていく様子に鳥肌が立ちます。

そんな稽古の合間に、村井さん、優河さん、ノゾエ氏の3名で行われたマスコミ合同インタビュー。スマートボーイズでは稽古場フォトとともにお伝えします。

【マスコミ合同インタビュー】
(取材・文:横川良明/写真:及川利宏)
舞台上にいるのは、ひとりの男と女。女は髪が扇風機に絡まり、動けない。男は窮地の女を助けようとしているようで、どうにも腹の内が読めない。

そんなちょっとスリリングで、コミカルで、奇妙なワンシチュエーションによる会話劇が『鳥ト踊る』です。岸田國士戯曲賞作家・ノゾエ征爾の人気作を朗読劇として上演。村井良大&優河、東啓介&斎藤瑠希の2組のペアが挑みます。

そこで、村井&優河ペアと作・演出のノゾエに、クスクス笑えてゾクっと背筋が冷たくなる本作の魅力を語ってもらいました。あなたは、この2人の関係になんと名前をつけますか――。
◆僕はこの2人の関係は愛だと思っている
――他に誰もいない2人きりの場所で、女は身動きがとれない。そんな状況で出会った男と女の関係は、会話を重ねていくごとに、どんどん奇妙な方向へと転がっていきます。みなさんは、この2人の関係にどんな名前をつけますか。

村井 僕は本を読んだときに、男って醜い生き物だなと思っちゃったんですよ。

ノゾエ ああそうですか。

村井 だって女性からすると、こういう状況になったら怖いじゃないですか。

優河 怖いですよね。助けてくれる人が現れたと思ったら、男の人で。その時点でやっぱり女性からすると壁はあるし。しかも、助けてくれそうで助けてくれない。わちゃわちゃとしていますが、ずっと緊張感はあります。

村井 男の台詞にもありますけど、こんな状況だったら襲われてもおかしくないわけで。少なくともこの男はとてもいい男ではない。だから、僕がパッと浮かんだのは、やっぱり性欲かな。男って虚しい生き物だなと思いました。

ノゾエ ただ、男はそういうシチュエーションであることをわかった上で、動物としての本能的な欲望と戦っているんですよね。その葛藤から何が炙り出されるのかが、この作品の楽しみのひとつで。最終的に、僕はこの2人の関係は愛だと思っているんですけど。

村井 え? そうなんですか?

ノゾエ 愛です、純愛です。最悪な状況を抜けていった先に純愛に行き着いたんだって感じながら書いていました。

村井 あれ? じゃあ、僕、終着点、間違えてます?(笑)

ノゾエ それは自由なので(笑)。僕が押しつけるようなものじゃないですから。

村井 いやいや、言ってください言ってください。純愛だったら純愛にします(笑)。

優河 私も、最終的には純愛なのかなと思いました。

村井 え? 本当に?

優河 2人は普通のカップルが一緒に生活をしていても起こり得ないことを経験するじゃないですか。しかも、それを受け入れながら、お互いそれぞれの物語を語っている。その関係を見ていたら、大きな船に乗っているような感じがしたんですよね。

ノゾエ 完全に行きづまった状態に人がいる中、2人がそれぞれの正義と欲求を強く持っていて。それは水と油みたいに、どうしたって相容れないものなんだけど、じゃあその状況下でどうしたら我々はこの先に進めるのかと考えたときに、僕の中で和解の術はキスだったっていう。あのキスは物理的なキスじゃなくて、精神的なキス。結局そこになるんだな、と腑に落ちた感じが自分の中でありました。

優河 しかも最終的に男が来ても女は拒否しないじゃないですか。もちろん拒否できない状況というのはあるかもしれないけど、でも事実として拒否しなかった。2人とも根本的には優しい人なんですよね。何度も脚本を読んでいくうちに、男も女もどっちも愛くるしいなと思いました。だから、純愛派かもしれない。

村井 そっか。私がいちばんサイコパスでしたか(笑)。

優河 演じる身としては、いいのかもしれません(笑)。

◆美しい人が怖い人を演じるとより怖いんだなと思いました(笑)
――一緒に稽古をやってみての感想を聞かせてください。

優河 台本を読んだときから男のことは怖いなと思っていたんですけど、村井さんが演じると本当に怖いなと。やっぱり美しい人が怖い人を演じるとより怖いんだなと思いました(笑)。

村井 美しいの……?

優河 お綺麗ですよ。

ノゾエ そうでもないよな(笑)。

村井 そうでもないです(笑)。

優河 いやいや!(笑)

ノゾエ でもおっしゃってることはわかります。

優河 いわゆる見た目が怖い人じゃない人が演じることで、さらに怖くなりますよね。

村井 それは確かにそうですね。

優河 そこがめちゃくちゃ面白かったです。私とは台詞のスケールが全然違う感じがして、頑張らないとなと思っています。

村井 僕は、優河さんは優しい声だなと思いました。そして、マイク乗りがいい。

ノゾエ マイク乗りがいい悪いってありますよね。やっぱりそれって声の出し方なんですか?

村井 声の出し方もだし、ポジションもだし。優河さんは口の前に音が集約されているんです。子音の立て方もすごい。アーティストの声だなと思いましたし、きっとお客さんは聞き心地がいいと思います。

◆シチュエーションを想像してもらう面白さがある

――聞き心地という意味では、今回はリーディングなのでより堪能できそうですね。ぜひ朗読劇ならではの醍醐味も聞かせてください。

村井 シチュエーションを想像してもらう面白さというのはありますよね。

ノゾエ 実際に役者が動いて演じたら、目の前で起きている光景が見えている世界のほとんどになると思うんですけど、声だけだとあとは全部お客さんが想像で補うから、見える世界が人によって全然違う。たとえば扇風機一つにしても、実物を出さずにやるから、きっと人それぞれいろんな扇風機を想像してくださるだろうし、女の髪の長さもみんなイメージしているものはバラバラになると思うんです。そこは朗読劇ならではの面白さですよね。

優河 面白いのが、ノゾエさんの脚本って言葉がすごく言いやすくて。台本に書いてあることをそのまま読んでいるだけで情景が浮かんでくるんです。だから、お客さんも台詞を受け取った瞬間に情景が見えると思います。

村井 今回のリーディングの特徴としてト書きも役者が読むんですよね。だからお客さんにも情景がよりわかりやすく伝わる反面、ちょっとテンポが平らになってしまうというか。ここはポンポンと行きたいのに、ト書きのせいでワンブレーキがかかって、次の笑いにつながらないみたいなことが起こり得る可能性がある。今はそういう引っ掛かりになるところをノゾエさんと一緒に細かく精査して、リーディング用の台本に工事中みたいな感じです。

ノゾエ 普通はト書きって読まないんですか。

村井 台本によりけりですけど、あんまりト書きを読むことはないかもしれないです。

ノゾエ へえ、そうなんだ。

村井 少なくとも僕はないですね。

ノゾエ じゃあ、おめでとうございます(笑)。

村井 ありがとうございます。初挑戦させていただきます(笑)。

――すごく面白い脚本なので、上演が楽しみです。

村井 僕たち役者にとっても、台本を読んでいるだけで面白いと思える作品。絶対、お客さんに楽しんでもらえると思うので、ぜひ劇場でたくさん笑っていただきたいですし、ちょっとゾッともしていただきたいです。

優河 ジェットコースターみたいな感情の揺れを味わえる作品ですよね。お客さんに恐怖と笑いと愛くるしさを感じてもらえるよう頑張りたいと思っています。

ノゾエ 朗読劇というと、かしこまった雰囲気を想像されるかもしれないですけど、間違いなくとてもライブな臨場感あふれる舞台になると思います。その空気感をぜひ劇場にふれに来てほしいです。

以上、合同インタビュー&稽古場フォトをお届けしました。

2022年12月のオープンからまもなく1年を迎える有楽町の新たなライブエンターテインメントの拠点=I'M A SHOWで繰り広げられる会話劇。村井さんと優河さんペアだけでなく、東啓介さんと斎藤瑠希さんペアの公演ともども、ご期待ください。
本作のチケットは、11月12日から一般発売開始しています。
その他、公演の詳細はInformationより公式サイトをご確認ください。

☆Information
■公演概要
公演名:リーディング『鳥ト踊る』
作・演出:ノゾエ征爾
出演:Aバージョン 村井良大・優河/Bバージョン 東啓介・斎藤瑠希
日程:2023年11月27日(月)~30日(木)
会場:I'M A SHOW(東京都千代田区有楽町2丁目5番1号 有楽町マリオン(有楽町センタービル)別館7F)

チケット料金:全席指定:7,500円(税込)
一般発売:2023年11月12日(日)10:00
問い合わせ:サンライズプロモーション東京:0570-00-3337(平日12:00~15:00)

企画・製作:MY Promotion/スペースポンド
主催:サンライズプロモーション東京

≪公式サイト≫
https://sunrisetokyo.com/detail/24613/

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