佐藤流司、どえらいキャスト(!?)・茅野イサムとの初共演に「目玉が飛び出るかと思うくらい!」7月上演"悪童会議"旗揚げ公演「いとしの儚」取材会レポートUP

演出家の茅野かやのイサム氏とプロデューサーの中山晴喜氏による演劇ユニット・悪童会議の旗揚げ公演「いとしの儚」が、2023年7月に上演されます。それに先立ち、その茅野イサム氏と主演の佐藤流司さんが出席する取材会が開催されましたので、レポートします。

「いとしの儚」は、扉座主宰・横内謙介氏による不朽の名作で、博打一筋で生きてきた男・鈴次郎と、100日経たずに抱くと水となって消えてしまう儚との、美しくも儚い100日間の愛の物語。

天涯孤独の博打打ち・鈴次郎役に佐藤流司さん。ヒロインの儚(はかな)役に七木奏音さん。他にも福本伸一さん、郷本直也さん、佐藤信長さんらが共演し、さらには茅野氏が約20年ぶり舞台作品に出演することも大きな話題となっています。

悪童会議 旗揚げ公演「いとしの儚」キービジュアル
【取材会レポート】
――まず「悪童会議」を作った経緯を教えてください。

茅野 去年還暦を迎えまして、かつて劇団でやってきたようなお芝居をもう一度やりたいと思ったのが一番のきっかけです。僕が所属している扉座がもともと「善人会議」という名前でして、さすがにそのまま善人会議というわけにはいきませんし、僕に善人は似合わないので、「悪童会議」という名前をつけました。

――「劇団でやってきたお芝居をやりたい」というのはどういうお芝居ですか。

茅野 2.5次元舞台って、原作があって、そこにひとつの「答え」がありますよね。でも一般的なお芝居には、台本に書かれた文字の情報しかない。登場人物がどんな風に笑うとか、どんな髪型をしているかとか、答えは無数にあって、どんな答えを出してもいいというのが演劇の面白いところだと思っています。
もちろん2.5次元舞台には答えがあるからこそ、それを超えていくことの難しさと、面白さ、素晴らしさがあります。ただ、昨今は演劇の多様性がどんどん失われている感じがしていて、2.5次元のど真ん中にいる僕らだからこそ、そうでない演劇も作っていかなければならないと思って。それが劇団でやってきたような芝居だという事です。
茅野イサム氏
――この言葉を受けて、佐藤さんはどういう思いでこの作品に参加しますか。

佐藤 今後自分が歩んでいきたい役者人生がまさにそういう感じで、ここ10年ほど2.5次元作品をたくさん経験させていただきましたが、もっとオールストレートという作品を知ることで、2.5次元作品にも還元できますし、役者としてのスキルが上がっていくものだと思います。今年以降はストレートな芝居や自分で考えなければならないお芝居もやっていきたいし、やっていかなければいけないと思っていたので、この作品に関われることはとても有り難いです。
佐藤流司さん
――旗揚げ公演に「いとしの儚」を選んだ理由は?

茅野 悪童会議を旗揚げしようとした時には、まだ作品を決めていなかったんですけど、2021年に鳥越裕貴の主演で「いとしの儚」が上演されるということで観劇したら、たままた流司も来ていて。一緒に帰りながらいろいろ話していたら、「あっ、鈴次郎いるじゃん」と思って、俺の中では流司ほどの鈴次郎はいないと思うし、しかも多忙なスケジュールを組んでいるのに、たまたま空いていて、これは完全に運命だなと思いました。

――鈴次郎役のオファーを受けての感想は?

佐藤 観劇後一緒に帰った時もそんな話はしていなかったので、本当にビックリしました。自分が携わった作品を観に行くことは多いんですけど、かかわりがなかった「いとしの儚」という作品を鳥越裕貴が主演すると聞いた時、「これは観に行きたい」と自分から連絡して観に行きました。俺もめぐり合わせみたいなものがあったとしか言いようがなくて、しかもスケジュールがピタっと合って、いろいろな偶然がハマっていったような感じです。作品自体もすごく面白いですし、粋なセリフ回しもいっぱいあって、鈴次郎は口は汚いし、やることなすこととんでもないけど、最後の方になると何故か応援したくなる不思議な人物です。

茅野 (鈴次郎は)クズ中のクズだもんな(笑)。こういう役が出来る役者ってどんどん減ってきている中、流司はクズが絶対似合う(笑)。あ、普段の流司がクズと言ってるわけじゃないよ(笑)。
――今作でやってみたいことがあったら教えてください。

茅野 どんな作品でも一緒ですけど、目指しているのは「役者の魅力を引き出す」ことです。「いとしの儚」は、平安時代の絵巻物「長谷雄草紙」から想を得ていて、美しく、それでいて猥雑なファンタジーなんですね。流司や(七木)奏音だけでなく、他の出演者にとっても、なかなか出会わないような作風・役柄だと思います。価値観も今と比べるとかなり古い部分があると思います。そういう意味も含めて、演劇の“毒”がいっぱい詰まっている作品だと思うんです。その毒が演劇には必要と感じているので、結論から言えば、流司のクズを引き出したいです(笑)。

佐藤 最初に台本を読んだ時、最後のシーンを茅野さんだったらこう演出されるんだろうと自分で勝手に想像して、勝手に感動しましたね。自分では予想が当たる気がしているので、外したら恥ずかしいですね。

茅野 できたら外しにいきたいです。

(一同笑)

佐藤 すごい美しい終わり方で、文字ですら美しいんです。

茅野 美しいことは間違いないよね。
――キャスティングについてのこだわりなどありますか。

茅野 当然です! いつでもキャスティングに関してはこだわっています。お芝居は役者のものですから。登場人物より、「この演出いいなぁ」とか「この照明いいなぁ」とお客さんに思わせたらおしまいだと思うわけで……。観客の心を鷲掴みにしてくれるであろう役者さんたちに出演をお願いしました。
――キャストの中にも茅野さんの名前がありますが、佐藤さんは茅野さんと共演することに関してどう思われていますか。

佐藤 マジで嬉しいって気持ちと、マジでしたくないって気持ちの半々ですね(笑)。まだ本番までだいぶ先ですけど、もう怖いです。周りからも「茅野さんと一緒に稽古したら悔し泣きすると思う」とかハッパ掛けられているし、大緊張しています。

茅野 俺も半々だよ。だって20年も舞台に立っていないんだよ。積極的に出たい! というわけではなく、「俺と流司が共演したら絶対に面白い!」というプロデューサー目線だから。それに、みんな俺の役者時代を知らないから、「あの人、普段偉そうなこと言ってるけど、どんな芝居をするのかこの目で確かめてやるぜ……」って、きっと興味津々なんだよ。だから下手な芝居をしたら、今後俺の言うことなんて聞いてくれないんじゃないかと、めちゃくちゃ心配(笑)。でも、流司と板の上でバチバチやれるのは、とても楽しみですね。

――一つ確認ですけれど、上演発表の際に佐藤さんが「キャストどえらいことになっています」とコメントされていましたが、この“どえらい”というのは茅野さんのことでよろしいんですよね。

佐藤 そうです!! 初めて聞いた時は衝撃でしたし、目玉が飛び出るかと思いましたよ。「で、でる!?」って。

(一同笑)
――茅野さんが演じる役をおしえていただけますか。

茅野 僕が演じるゾロ政は、鈴次郎とは因縁深い間柄です。彼と出会うまでは負け知らずでしたが、彼に負けて酷い目に合ったことによって、いつかリベンジしようしようと心に秘めています。勝負というのは絶対に勝ち負けがあるじゃないですか。博打の世界には引き分けはなく、必ず勝敗が生まれるという点がとても潔い世界ですよね。

――役者としてお互い対峙する上で、にしていることはありますか?

茅野 同じ土俵に立って、流司とバチバチやるというのは、俺的には相手にとって不足はないですね。役者を20年ぐらいやっていないから、逆に流司から胸を借りなければいけないかもしれないけど、すごく楽しみです。俳優にいつも求めていることが、実際に自分でできるのか。そこも自分との勝負ですね。今回役者をやることは、演出家としての自分にとって必ずプラスになると思っています。

佐藤 本当に何が起きるわからないから楽しみですね。

――佐藤さんにとって、今作に向けての覚悟などはありますか。

佐藤 極端に力むことはないですし、これまでの作品もそうだったのですが、しっかりと目の前の作品と向き合っていけたらいいです。あっ、覚悟ありました。僕、下ネタがめっちゃ苦手で、全セリフの1/3が下ネタというか汚い言葉なんですよ。

茅野 そんなに多くないよ(笑)。でも、鈴次郎は教育を受けていないから、ちゃんとした言葉を知らないんだよね。

佐藤 「○す」とか「○○○○」とかばかりですからね(笑)。きっとお客さんもびっくりすると思います。
――佐藤さん演じる鈴次郎は博打一筋というキャラクターにちなんで、これまで振り返って「これは博打だったな」というエピソードがあったら教えてください。

佐藤 博打かあ……、今までにあったかなあ……。

茅野 役者を目指したことが、まさに博打だよ。だって役者って、人生ほぼ棒に振る確率の方が高いわけでしょ。ところが、当事者の僕はあまりそう思ってなくて……、流司も博打だって思ってなかったでしょ?

佐藤 はい。いけるだろうと思いました。

茅野 博打打ちって「博打を打っている感覚」というのがあまりなくて、一か八かではなく、それでしか「生きている」って実感を得られないんじゃないかな。何の保証もないリスキーな人生を選んで、それに不安を感じていない僕らは、普通の回路が失われているんじゃないかと、時々思います。

佐藤 今のは全部、僕が言ったことにして下さい。

(一同笑)

茅野 今まではクライアントから依頼を受けて作品を作ってきましたが、今回は自分で始めたことですから、全ての責任は自分にある。責任をどこにも分散できないんですよ。旗揚げしてから「うぁ~、やらなきゃ良かった」って思うことばかりです。既に来年、再来年に向けて動いていますし、そういう意味では「悪童会議」を立ち上げたことが博打といえば博打かもしれませんね。
――最後に今作への意気込みをお願いします。

茅野 旗揚げ公演を解散公演にしないように(笑)。まずはお客さんにご来場いただき、「また観たい」と思っていただきたいですし、出てもらった役者から「また出たい」と言ってもらえるような場所にしたいです。

佐藤 意外と迫ってきたなという感じがしていて、鈴次郎というものが自分の中で現実味を帯び始めているんですけど、一回作品を観劇したこともあって、台本を読んでいると、ちょくちょく“鳥越裕貴”が出てくるんですよ。彼のことを尊敬していますが、参考にしつつ、自分なりの鈴次郎ということを向き合って、それをお見せ出来たらいいですし、鳥越裕貴本人にも見てもらいたいなと思っています。
佐藤さん(手前)は天涯孤独の博打打ち・鈴次郎役、茅野氏(奥)は鈴次郎と因縁深い間柄・ゾロ政役でそれぞれ出演します!
■あらすじ
天涯孤独の博打打ちの件(くだん) 鈴次郎(佐藤流司)。
手癖は悪いし意地も汚い人間のクズだが、博打の神様にだけは愛されていた。
ある日、鈴次郎は、鬼との賭けに勝ち美しい女を手に入れる。
女の名は「儚(はかな)」(七木奏音)。
この美女は、何体もの死体から良い所を寄せ集めて作った人間だった。
ただし、生まれてから100日経たないと抱いてはいけない。
100日待たずに抱けば、水となって流れてしまう、という。
愛を知らない男と、愛しか知らない女の100日間の物語が始まる―


悪童会議 旗揚げ公演「いとしの儚」は、7月6日より品川ステラボール上演。なおチケットの最速先行販売は5月13日12時より開始です。詳細はInformationから公式サイトをチェックしてください。


☆Information
悪童会議 旗揚げ公演「いとしの儚」

日程:2023年7月6日~7月17日

会場:品川ステラボール

【作】横内謙介
【演出】茅野イサム
【音楽】和田俊輔
【作詞】浅井さやか
【振付】桜木涼介

【出演】
鈴次郎 役:佐藤流司
儚 役:七木奏音

福本伸一
郷本直也
野口かおる
田中しげ美
佐藤信長
淺場万矢
野田翔太
塩屋愛実
紺崎真紀
桜庭啓
大平祐輝
嶌田リョウ

日野陽仁

茅野イサム

【美術】石原敬 【殺陣】清水大輔(和太刀)
【照明】林順之 【音響】青木タクヘイ(ステージオフィス)
【衣裳】小原敏博 【ヘアメイク】糸川智文(STRINGS)
【歌唱指導】カサノボー晃 【所作指導】花柳輔蔵
【演出補佐】加古臨王 【演出助手】山﨑絵里佳
【舞台監督】大山慎一 【映像】ワタナベカズキ
【宣伝美術】藤尾勘太郎 【宣伝写真】小松陽祐
【WEB】ブラン・ニュー・トーン(かりぃーぷぁくぷぁく、阿波屋鮎美)
【制作】高橋戦車、野田麻衣、及川晴日、鳥谷規
【プロデューサー】中山晴喜
【主催】アミューズキャピタル、悪童会議、ニッポン放送

■チケット情報:
5月13日(土)12:00より 最速・チケット先行販売開始
期間限定 特典付き キャスト先行販売(抽選式) 5/13(土)12:00~21(日)23:59
※特典内容は受付窓口毎に異なります。
※受付URL及び特典詳細は公式サイト/公式Twitterより近日中にお知らせいたします。

【チケット料金(税込・全席指定)】
前売当日9,900円
パンフレット付 11,900円 来場時に公演パンフレット(販売価格2,000円)引換
ヤング券(U-22)5,900円 一般発売時以降取扱(各回枚数限定)

【公式サイト】
https://akudoukaigi.com

【公式twitter】
@akudoukaigi
【お問い合わせ】
akudoukaigi@gmail.com

関連News