【舞台ハガレンSP】一色洋平×廣野凌大「ずっと可愛い」「愛され力がすごい」二人のエドが語る弟、アル役・眞嶋秀斗が持つ魅力とは?舞台『鋼の錬金術師』3/8開幕直前インタビュー特集②

荒川 弘氏が描く、全世界シリーズ累計8,000万部を突破したダークファンタジーコミックスが初の舞台化! 舞台『鋼の錬金術師』が2023年3月8日より大阪・東京にて上演されます。

スマートボーイズでは開幕を前に、エドワード・エルリック役(Wキャスト)の一色洋平さん×廣野凌大さん、ロイ・マスタング役(Wキャスト)の蒼木 陣さん×和田琢磨さんにインタビュー。稽古に励む二組が語った公演への意気込み、Wキャスト相手への想いを、それぞれ前後編・全4回の特集にてお届けいたします。
第2回となる本記事では、一色洋平さん×廣野凌大さんのインタビュー後編をお楽しみください。(※インタビュー前編はこちら)
(左から)Wキャストでエドワード・エルリック役を務める、一色洋平さんと廣野凌大さん
■舞台『鋼の錬金術師』
エドワード・エルリック役 一色洋平さん×廣野凌大さん インタビュー


【インタビュー後編】
――『鋼の錬金術師』は原作漫画やアニメ、実写映画も大ヒットした作品ですが、お二人はいつ頃、どのような形でこの作品と出会いましたか?

廣野凌大(以下、廣野) 僕は、『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』(TVアニメ 2作目)が放送されていた頃が小学生くらいで、その時に見ていました。その時は、子どもだから「エドかっこいい!」とか、「マスタングみたいに火が出せないかな」っていう、キャラクターや世界観に対する“かっこいい”っていう感想しか抱かなかったんですけど、オーディションに向けて、改めてエドを作る前提で読み直したら、「これを少年誌でやっていたのか!?」って。

一色洋平(以下、一色) 大人になって読むと、全然違うんだよね。

廣野 少年誌っぽく仕上げてはいるけども、題材としては、世界の核心を突くものがあるじゃないですか。差別や戦争という題材も取り上げて、兄弟たちは人体錬成という禁忌も犯して。フランクにはしているんですけど、色んなタブーとされるようなもの、それを兄弟たちが、人間たちが強く乗り越えていく姿がすげぇな、と。改めて読んでみて、「これを少年誌でやっていたんだ」と思いましたね。

一色 僕は小学校高学年から中1頃にかけて、親友に漫画を貸してもらったのが最初で。当時は凌ちゃんと一緒で、キャラクターや、技を出せることへのかっこよさがあって、みんなでそれをマネして遊んだりしていたんですけど、大人になって読み返してみて、“あぁ、こうだったのか”と改めて感じたのは……やっぱりスカーの恨みが、あんなに根深いものであったということ。
時を経ても、民族単位でずっと持ち続けている、人種差別に対する根深い恨み、怒りというものに、マスタング大佐は「彼の恨みは当然である」と言うんですけど、エドはそれに対して「当然なんてふざけんじゃねぇ」と言うんです。でもやっぱり、一読者としては、「当然でもある」と思っちゃうんですよね。
そういう感想は子どもの時にはとても抱けない部分だったので、こうして大人になって演じるからには、僕らは反発する側ですけど、ちゃんと表現したいなと思っています。
一色洋平さん
――今回のお二人は、アクションシーンも多いのではないでしょうか?

廣野 アクションはもう、多すぎて(笑)。そのシーンが来るたびに、「次、なんだっけ?」と思いながらやっています(笑)。

一色 でも一つのアクションシーンを長くするというよりも、さち子さんは、“なぜ殴るのか、何を目的として戦わなきゃいけないのか”という、意味のあるぶつかり合いをすごく大事にしていて。そうすると、ものすごく長くなるだろうなと思っていた殺陣のシーンが、すごく短かったりする。確かに、“エンターテイメントとして、長くアクションを見せなきゃいけない”みたいなものが心のどこかにあったんですけど、決してそうではなく、ちゃんと必要なぶつかり合いが行われれば、それで十分なんだ、と気がつきました。そういう形でやれているので、余計な疲れはないかなと思います。

――続いては、お二人の弟役としてアルフォンス・エルリック役を演じる眞嶋秀斗さんへの印象や、稽古を通して感じたことを教えてください。

一色 もう、ずっと可愛いよね。

廣野 ずっと可愛いですね。僕から見たら彼の方が年上なんですけど、「アル、頑張ろうぜ!」って思える人です。

廣野凌大さん
一色 本当に、アルに適任すぎる! それは細部にもすごく感じるし、きっと彼のやりたい演技プランもあるだろうに、僕たちのエドにもそれぞれ違った形で、柔軟に合わせてくれていて。その違いも手に取るように分かるし、普段の僕たちへの声のかけ方も、多分ちょっと違うんだろうし……それは彼の天性のもので、きっと自然にしていることなので、無理も感じないんですよね。アルとしてだけじゃなくて、眞嶋秀斗として素敵だな、と思う場面がいくつもあります。

廣野 彼には圧倒的な愛され力があって、それを垣間見たのがオーディションの時なんですけど、僕は彼と同じ組だったんですね。で、とあるシーンでアルが走ることになって、「稽古場をぐるぐると3周して、奥に行ってください」って言われていたんですよ。そうしたら、その1周目で靴が脱げたんです(笑) 。

一色 しゅーてぃーくん(眞嶋さんのあだ名)の靴が。

廣野 で、靴が脱げたしゅーてぃーくんが「すいません!」って言って、すぐ靴を履いて、また走ったんですけど、最終的には両方の靴が脱げて(笑)。

一色 アハハ! せっかく履いたのに!(笑)

廣野 そう、せっかく履いたのに今度は両方脱げて、靴下のままで芝居をしていて。それがもう、俺もすごく印象に残っていて。

一色 へぇ~!

廣野 で、アル役が発表された時にしゅーてぃーくんだったじゃないですか。それで「あぁ、あの人か! やっぱりね!」ってすごく思った!

一色 それは「やっぱりね」って思うよね。

廣野 もちろん、アルのお芝居としてもすごく素敵で、エネルギーみたいなのも出ていたんですけど、それ以上にやっぱり、愛され力が滲み出ていて。彼は頭もいいし、何を考えているのかはよく分かんないんだけど(笑)、稽古場でもなんていうか……可愛いじゃないですか! どこか可愛い雰囲気がずっと出ている方で、本当にアルに適任だと思います。

――稽古場では年齢差も逆転し、廣野さんも眞嶋さんのお兄さん気分でいられるような?

廣野 はい、そうですね。プライベートではもちろん年上として接していますが、稽古場では僕の方が兄貴だなと思っています。

一色 うん、凌ちゃんが上だな(笑)。
――そんな兄弟仲が見られるのも楽しみですが、エドは幼くして錬金術の知識を身につけ、15歳となった現在も早熟な天才という役柄です。お二人はエドと同じ頃、10~15歳ごろはどんな少年でしたか?

廣野 僕はモテたくて、小6でギターを始めたんですよ。

一色 アコースティック?

廣野 いや、エレキから始めた!

一色 え~、エレキから入ったの! すごいね。

廣野 僕は天才じゃないけど、天才って言われたかった人なので。周りの人が手を出していないものに手を出して、“自分は他の人とは違うんだぞ”みたいなものをアピールしたい子で……言ってしまえば、“エドになりたかったけど、なりきれなかった少年”でしたね。エセ錬金術師です(笑)。

――しかしギターとの出会いが、今の音楽活動にも繋がっているのでは?

一色 確かにそうだよね、そこから凌ちゃんの音楽が始まったんだね。

廣野 まぁ、モテたいのが原動力ですけどね(笑)。今は結局繋がったからこう言えるけど、それも運が良かった、巡り合わせが良かっただけなんですよ。運が良くなかったら、「俺はギターが弾けるんだぞ」って自慢しながら酒を飲むおじさんになっていたんだろうなって思います(笑)。

――では、一色さんはいかがですか?

一色 実生活での僕は、4つ上の兄がいるんです。兄は本当に頭が良くて、しかも運動神経も良かったので、僕はずっと兄に憧れていて……でも、兄みたいにはなれない。兄はすごく年上の人の輪にもスッと入り込めたり、可愛がってもらえたりする、独特な頭の良さがあったので、僕はそういうのが喉から手が出るほど羨ましくて。その分、お母さんに可愛がってもらうことで、兄に追いつけない自分に対する、ぽっかりと開いた穴を埋めていた部分がありました。

廣野 へぇ~!

一色 でも、お母さんに可愛がってもらっている僕を見て、「洋平ばかり可愛がられている」って、逆にお兄ちゃんが嫉妬してしまう、みたいなこともあって。僕は兄が羨ましくて、憧れているのにうまくいかない……ちょっとこじれた少年期の思いがありましたね。

――お互いに違う部分に対して、憧れと嫉妬があるような。

一色 あと、僕は反抗期がゼロだったんですよ。お兄ちゃんは反抗期があって、それに悩んでいるお母さんたちを見ていたので、あんまり反抗しない、我慢する体質の子になっちゃって。でも我慢したら我慢したで、急に破裂しちゃう瞬間もあるから、それはそれでめんどくさい子でした(笑)。

――そんなご自身の少年期と比べてみて、エドと重なる部分もどこかにありますか?

一色 エドはどちらかというと、愛する側の人間だと思うんです。でも彼は、ちゃんと人のことを愛するから、愛されてもいるんですよね。僕は、「愛するから愛される」なんて気付けたのは本当につい最近のことだから、当時の自分に重なるというより、「愛してもらいたいなら、愛してみれば」っていうアドバイスをしてあげたいかな。小学生くらいの子には、ちょっと難しすぎるアドバイスですけど(笑)。

廣野 確かに(笑)。

――それでは最後に、お二人から公演への意気込みとメッセージをお願いいたします。

廣野 本当に言葉では伝えきれないぐらいの、愛が詰まっている作品です。僕は多くの舞台に出演したり、観に行かせていただいたりしていますけど、その中でも指折りの、自信を持って“面白い”と言える作品だと思いますし、お客様にも絶対後悔させないし、しないと思うので! 迷っている人は絶対来るべきだし、迷っていない人も絶対来るべきだし、もうとりあえず、“全員来てください!”って感じです。これはビッグマウスじゃなくて、本当に後悔させません。
僕らの舞台『鋼の錬金術師』にかける想いと、皆さんの色んな心情がリンクして、新しい人生に対する元気とか、色んな景色が見られる、そんな作品なのかなと思うので、ぜひ観に来ていただけると幸いです。

一色 今年の春には面白そうな舞台がいっぱいありますが、まずはその中で圧倒的な一番を目指しますし、確実にそういうものが出来上がりつつあります。
ただ、残り僅かな稽古の中で、世界で8000万部以上売れたこの作品を舞台化する、というところにはまだまだ立ち向かっている僕たちがいて……僕も凌ちゃんも、多分まだみんながもどかしいところなんです。でも光は必ず見えていて、そこに向かって今、僕ら舞台『ハガレン』チームが真っ先に旅路を進めています。お客様も観客としてではなく、同じ旅の仲間として、強引に連れていくつもりで行きます! 「あぁ、このチームはすごいものを立ち上げたな」というのを、必ず、必ず見せつけますので、ぜひともこの旅路に、ご一緒いただければと思います。
【インタビュー 了】

ここまで前編・後編とお届けしたエドワード・エルリック役(Wキャスト)の一色洋平さん×廣野凌大さんへのインタビューに続いて、次回はロイ・マスタング役(Wキャスト)の蒼木 陣さん×和田琢磨さんへのインタビュー前編をお届けいたします。

【作品紹介】
原作は2001年より2010年まで、月刊「少年ガンガン」(スクウェア・エニックス刊)にて連載され、日本漫画界における歴史的名作となった荒川 弘氏の代表作「鋼の錬金術師」。
コミックスは全世界シリーズ累計部数8,000万部を超え、テレビアニメ、アニメ映画、ゲーム、実写映画と数々のメディアミックスも繰り広げる本作は、『ハガレン』の愛称で親しまれ、錬金術を用いたバトルアクション、歴史や国家をまたにかけた壮大かつ緻密なストーリー、生き生きと描かれる個性豊かで魅力的な登場人物たちの姿に、老若男女問わず絶大な人気を博しています。
舞台『鋼の錬金術師』メインビジュアル
初の舞台化となる舞台『鋼の錬金術師』では、脚本・演出にミュージカルからストレートプレイまで様々な作品を手掛け、情熱的な演出、若手俳優の育成と、近年演劇界を牽引する存在である石丸さち子氏を迎えたほか、多様なジャンルのエンターテイメントで活躍するクリエイターとキャストが集結。
長期に渡るオーディションによってキャスティングされたエルリック兄弟、主演 エドワード・エルリック役の一色洋平さんと廣野凌大さん(Wキャスト)、アルフォンス・エルリック役の眞嶋秀斗さんをはじめ、ウィンリィ・ロックベル役に岡部 麟(AKB48)さん、ロイ・マスタング役に蒼木 陣さんと和田琢磨さん(Wキャスト)ほか、注目と期待が向けられる面々が出演します。

舞台『鋼の錬金術師』は、大阪公演が2023年3月8日(水)~3月12日(日)まで新歌舞伎座にて、続いて東京公演が2023年3月17日(金)~3月26日(日)まで日本青年館ホールにて上演されます。
ほか公演詳細・最新情報は、下記のInformationより公式サイトをご確認ください。

☆Information
【公演概要】
■舞台『鋼の錬金術師』

原作:荒川 弘(掲載「ガンガンコミックス」スクウェア・エニックス刊)
脚本・演出:石丸さち子

音楽監督:森 大輔
作詞:石丸さち子 作曲:森 大輔

出演:
エドワード・エルリック 役:一色洋平/廣野凌大(Wキャスト)
アルフォンス・エルリック 役:眞嶋秀斗

ウィンリィ・ロックベル 役:岡部 麟(AKB48)

ロイ・マスタング 役:蒼木 陣/和田琢磨 (Wキャスト) リザ・ホークアイ 役:佃井皆美
アレックス・ルイ・アームストロング 役:吉田メタル マース・ヒューズ 役:岡本悠紀
ジャン・ハボック 役:君沢ユウキ デニー・ブロッシュ 役:原嶋元久 マリア・ロス 役:瑞生桜子

ティム・マルコー 役:阿部 裕 ショウ・タッカー 役:大石継太 イズミ・カーティス 役:小野妃香里
ラスト 役:沙央くらま エンヴィー 役:平松來馬 グラトニー 役:草野大成

傷の男(スカー) 役:星 智也 ゾルフ・J・キンブリー 役:鈴木勝吾

ピナコ・ロックベル 役:久下恵美 グレイシア・ヒューズ 役:斉藤瑞季
ニーナ・タッカー 役:小川向日葵/尻引結馨(Wキャスト)

キング・ブラッドレイ 役:辰巳琢郎 他

スーツアクター
アルフォンス・エルリック 役:桜田航成

バンドメンバー
Band Master & Key.:森 大輔 Gt.:オオニシユウスケ Ba.:熊代崇人 Dr.:守 真人

※Wキャストは五十音順

【日程・劇場】
OSAKA:2023年3月8日(水)~3月12日(日) 新歌舞伎座
TOKYO:2023年3月17日(金)~3月26日(日) 日本青年館ホール

【チケット料金(前売・当日共/全席指定/税込)】
グッズ付S席 12,000円
※劇場にて特典として【限定グッズ(非売品)】をプレゼントします。
A席 9,000円

チケットに関するお問合わせ:
ローソンチケット:https://l-tike.com/contact/

公演に関するお問合わせ:
マーベラス ユーザーサポート https://www.marv.jp/support/st/

協賛:DMM.com 主催 舞台『鋼の錬金術師』製作委員会

【あらすじ】
「鋼の錬金術師」
錬金術の盛んな国家・アメストリスに、そう呼ばれる国家錬金術師がいた。彼の名はエドワード・エルリック。史上最年少で難関の資格を得た天才錬金術師は、かつて最愛の亡き母を生き返らせるために、弟のアルフォンスと「人体錬成」という禁忌を犯していた。代償としてエドワードは左足と右腕を、アルフォンスは肉体の全てを失いからっぽの鎧に魂を宿す。絶望の淵に立たされた兄弟だが、失った身体を取り戻すことを決意する。
手がかりとして、莫大な力を持ち錬金術の基本原則を無視した錬成が可能になるとされる「賢者の石」を探し求め、兄弟はすべてを取り戻す旅を始める―。

≪公式サイト≫
https://stage-hagaren.jp/
≪公式Twitter≫
@stage_hagaren
≪公式Instagram≫
@stage_hagaren_official


推奨略称 #舞台ハガレン

©荒川弘/SQUARE ENIX・舞台「鋼の錬金術師」製作委員会

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