【舞台ハガレンSP】一色洋平×廣野凌大(エドワード・エルリック役/Wキャスト)が登場!脚本・演出 石丸さち子が描く舞台『鋼の錬金術師』の魅力を語る、3/8開幕直前インタビュー特集①

荒川 弘氏が描く、全世界シリーズ累計8,000万部を突破したダークファンタジーコミックスが初の舞台化! 舞台『鋼の錬金術師』が2023年3月8日より大阪・東京にて上演されます。
スマートボーイズでは開幕を前に、エドワード・エルリック役(Wキャスト)の一色洋平さん×廣野凌大さん、ロイ・マスタング役(Wキャスト)の蒼木 陣さん×和田琢磨さんにインタビュー。稽古に励む二組が語った公演への意気込み、Wキャスト相手への想いを、それぞれ前後編・全4回の特集にてお届けいたします。
本記事では、一色洋平さん×廣野凌大さんのインタビュー前編をお楽しみください。
(左から)Wキャストでエドワード・エルリック役を務める、一色洋平さんと廣野凌大さん
【作品紹介】
原作は2001年より2010年まで、月刊「少年ガンガン」(スクウェア・エニックス刊)にて連載され、日本漫画界における歴史的名作となった荒川 弘氏の代表作「鋼の錬金術師」。
コミックスは全世界シリーズ累計部数8,000万部を超え、テレビアニメ、アニメ映画、ゲーム、実写映画と数々のメディアミックスも繰り広げる本作は、『ハガレン』の愛称で親しまれ、錬金術を用いたバトルアクション、歴史や国家をまたにかけた壮大かつ緻密なストーリー、生き生きと描かれる個性豊かで魅力的な登場人物たちの姿に、老若男女問わず絶大な人気を博しています。
舞台『鋼の錬金術師』メインビジュアル
初の舞台化となる舞台『鋼の錬金術師』では、脚本・演出にミュージカルからストレートプレイまで様々な作品を手掛け、情熱的な演出、若手俳優の育成と、近年演劇界を牽引する存在である石丸さち子氏を迎えたほか、多様なジャンルのエンターテイメントで活躍するクリエイターとキャストが集結。
長期に渡るオーディションによってキャスティングされたエルリック兄弟、主演 エドワード・エルリック役の一色洋平さんと廣野凌大さん(Wキャスト)、アルフォンス・エルリック役の眞嶋秀斗さんをはじめ、ウィンリィ・ロックベル役に岡部 麟(AKB48)さん、ロイ・マスタング役に蒼木 陣さんと和田琢磨さん(Wキャスト)ほか、注目と期待が向けられる面々が出演します。

■舞台『鋼の錬金術師』
エドワード・エルリック役 一色洋平さん×廣野凌大さん インタビュー

【インタビュー前編】
――オーディションを経て本作のエドワード・エルリック(以下、エド)役に選ばれたお二人ですが、オーディション時の手応えや、出演が決まった時のお気持ちはいかがでしたか?

一色洋平(以下、一色) すごく長期間のオーディションで参加人数も多かったですし、自分と同じ組にいたエド候補の人たちも素敵な俳優ばかりだったので、誰が受かってもおかしくないし、“このシーンはこの人がピカイチだな”と思ったり、正直、“勝てねぇな”と思う瞬間なんて何度も何度もあったので……選ばれた時は信じられなさがありましたし、最初はすごくプレッシャーでもあって。
でも、選ばれてから数ヶ月が経って、“自分が信頼できる演出家の石丸さち子さんや、プロデューサーチームが合格を出してくれたことを、ちゃんと信じなきゃいけないな”、“それを自信に変えなきゃいけないな”と、ようやく思い始めたんです。だから今思い返すと、受かった時の嬉しさと不安から、“でも、自信を持ってやらなきゃ”という風に、喜びにも少し段階があったなと思いますね。
一色洋平さん
廣野凌大(以下、廣野) 僕に関しては、オーディションで石丸さんに軽く喧嘩を売ってしまって(笑)。フリースタイルで、文句を……文句というか、“受からせろよ!”みたいな(笑)。その負けん気のようなものを買っていただいたと思うんですけど、それをやって帰った日には正直、“やべ~、やっちゃったかな”って思いましたね。

一色 僕と凌ちゃんは、オーディションでは別の組だったので会っていないんです。
僕はエドとアル(アルフォンス・エルリック)の大事なシーンをやった時に、さち子さんから一言、「うん、面白かった」と言われて……それを聞いて、手応えとは逆で「あ、ダメかもしれないな」と思ったんです。
その「面白かった」という言葉は、こうして合格させてくれたということは、多分本当に面白かったという意味で言ってくれたと思うんですけど、僕には「もっと上がある気がするぞ」っていう言葉に聞こえちゃって。

廣野 僕は、「面白かった」も言ってもらえてなかったです(笑)。「もっと頂戴、頂戴!」って言われるばかりで、“あの人は『頂戴頂戴オバケ』だな”と思っていました(笑)。

一色 アハハハ!

廣野 でも、この業界で自分をぶつけられる相手ってそう多いわけではなくて。ぶつかることによって、それを100%、120%にして返してくれて、自分に気付きを与えてくれるような人には、今まであまり出会ってこなかったので……今も稽古をしていて、「やっぱり石丸さんのパワーってすごいな」と思いますし、イラつくこともないんですよ。

一色 うん。むしろ、メラメラするよね。

廣野 普通の人に言われたらイラッとするようなことでも、ちゃんとスッと入ってきて、自分の中での落としどころがあるんです。それはやっぱり、僕も石丸さんに対する信頼があるからで、“あのオーディションでの出会いは必然だったのかな、一度ぶつかってみたのも良かったのかな”と感じています。
廣野凌大さん
――では稽古中に、石丸さんからかけられた印象深い言葉はありますか?

廣野 石丸さんは、常に印象深いことを言っていて。

一色 本当に、毎日そうだよね。

廣野 僕がすごく、“やっぱり、この人は愛がある人なんだな”と再認識したのは、本当につい最近「私は演出家だから、演技のことも全部言う。厳しいことも言うよ。でも、逆に辛いことや、なにかあったら全部を私にぶちまけて」って言われたこと。
その言葉に、仕事人として、舞台人としての意地と、人としての優しさみたいなのが、もう溢れ出ちゃっていて。僕はすごく愛しく感じたし、「あぁ、この人は愛おしい人だな」と思える人間性がすごく好きですね。

一色 僕も、「真っ直ぐな心でついてきてくれれば、あとは私がどうにかするから」と。そう言えるまでには、どれだけ自分を高めて戦ってきたんだろうと……しかもスタッフも含めて、ものすごい人数の人生とか、その全てをひっくるめて、「私がどうにかするから」って言えちゃうんですよね。それは上辺だけで言っているんじゃなくて、石丸さんは本当に全部を背負う覚悟で、そう言えちゃう人なんです。
そう言えるまでの背景も見えてくるから、稽古でちょっと疲れそうになったり、ふと悩みそうになっても、石丸さんの言葉や声を聞いただけで、クッと持ち上がる瞬間があって。そういう演出家の元でやれていることがありがたいのと同時に、甘えたくないなと思います。

廣野 本当に、なかなか出会えないですよ。こんな情熱を持った方には。

――舞台『鋼の錬金術師』カンパニーの特徴や、稽古場の雰囲気はいかがですか?

廣野 みんな同じように苦しんで、みんな同じように楽しんでいる、って感じですかね。

一色 アハハハ! 本当にそうだね、そこに差はないかもしれないね。

廣野 すげぇなって思うのは、当たり前なんですけど、誰も腐ることなく、一つの目標に向かって、真っ直ぐに突き進んでいること。それこそ、さっきの石丸さんの言葉じゃないけど、“真っ直ぐな心でついていけている”という自覚はすごくあって、今のご時世だから食事や飲みにも行けないんですけど、その分稽古場で信頼関係がだんだんと高まっていて。
芝居中にも毎回、違うものが生まれたりするのがすごくいいカンパニーだなって思うし、その雰囲気を作ってくれている、トップに立つ石丸さんをはじめ、スタッフさんからのバックアップもすごく強力なので、僕らも安心して稽古できています。

一色 僕は、“強豪校の部活みたいだな”と思うことがよくあって。強豪校の部活って、選手それぞれのレベルも高いですけど、やっぱり強い選手が集まった時にできる雰囲気には、唯一無二のものがあって。個々が良いだけではダメで、集団での時間が良くないとダメ、という……僕はずっと陸上競技のオタクだったので、強豪校の人たちが持っている空気が大好きで。それが凌ちゃんの言葉とも通じるところで、何か困難がある時には、必ず前を向ける力があるチーム、というかね?

廣野 うん。

一色 「とりあえず行こう! 行ってから考えよう」みたいな(笑)。

廣野 令和の折れ方をするやつが、一人もいない!(笑)

一色 アハハハ!(大笑い)

廣野 「最近の若者は」って言われるような若者がいないです(笑)。

一色 うん、そうかもね! 強く、作っています。それは、世界初演の舞台『鋼の錬金術師』を立ち上げる上では、必要不可欠だったんだろうなと思います。
――Wキャストのお二人ですが、お互いの稽古を見学されたり、役柄について相談し合うこともあるのでしょうか?

廣野 お互いの稽古は、毎日のように見ていますね。

一色 うん、見ています。

廣野 ただお互いに見ていて、エドとして統一すべきシーンの相談とかはしますけど……アドバイス、というのはないですね。同じ役ですけど、全く違う作り方のエドなので。僕はその成分をいただいたり、勝手に参考にしている部分はありますけど。

――お互いにライバル意識を持つことや、芝居の中で“ここは差をつけたいな”と意識されることもありますか?

廣野 具体的には、あんまり。本当に、バチバチのライバル関係みたいなものはないです。

一色 正直、“差をつけたい”はあんまりないです。もう一つ言うと、そこまでの余裕がないというか、自分のエドを作るのでいっぱいいっぱいなところもあって。
例えば、凌ちゃんの稽古で何かさち子さんから演出が出たとして、とても凌ちゃんだけへの演出とは思えないんですよね。その「廣野、もっとこうして」というのを、僕は100%自分事として聞いていて、凌ちゃんも多分そうで、僕に出されている演出を受けて「あ、俺がやる時はこうしよう」って絶対に思っているし。
かつ、相手のいいところは僕ら結構すぐにパクります(笑)。統一しなきゃいけないところ、例えば、“この時のエドは、どのくらい機械鎧の腕が壊れているんだろう”というのも、壊れている度合いは揃えるけど、その表現方法はバラバラで。
僕はWキャスト自体が初めてなので、この間の帰りがけにも思わず、「本当に、初めてのWキャストが凌ちゃんでよかったな」って、一回だけポロっと言っちゃったんです(笑)。

廣野 めっちゃ、恥ずかしかったです(笑)。

一色 アハハハ! ガソリンスタンドの前で、突然言い始めてね(笑)。でもそれぐらい、贅沢なんですよ。Wキャストの相手の演技を俯瞰して見られるっていうのは。どうしても俳優の集中力って内向きになっちゃうから、自分がやる役を、相手がやっているのを見て、外に開ける時間があるというのは嬉しい時間です。

――廣野さんも、一色さんとのWキャストで良かったなと思われますか?

廣野 思いますし、対抗心があるというのも、例えば「どっちかが潰れたとしても、俺はやりきってやるぞ!」みたいな。今回はすごく、お互いの芯の部分が見えながらの稽古なので、そこでは負けないっていう気持ちはありますよね。
作品に対する思いを二人で燃やしている時間が多いので、二人で負けないように、負けないように。お互いにと言うより、“なにかに負けないように”という対抗心は、ずっと持って稽古をしています。
――では、お互いに“ここがすごい”と思っていることはありますか?

一色 細かいところはいっぱいあるんですけど、僕はやっぱり、凌ちゃんのエドを見ていて“少年に見える”っていうのがすごいことだな、と思いますね。
俳優はいくつになっても、与えられた役は何歳でも体現しなければいけないですけど、一挙手一投足を見ていて、今は凌ちゃんの“少年に見える”ということが、こんなに難しく、こんなにすごいことなんだなって思いますし、それと同時に……今、自分が一番憧れを抱いている部分かもしれないです。

廣野 洋平さんは、演劇に対する思いとか、熱さみたいなものがエドにも出ていて。それは僕ができないエドなので、真似をしようとするんですけど、そうすると石丸さんに「気合い入りすぎだよ」って突かれて終わるっていう(笑)。

一色 そうなんだよね~!

廣野 でも、石丸さんが最初の製作発表会でも言ってくれた、「怒りの廣野」「愛の一色」というのは本当に的を射ていて。洋平さんのエドは、常にめちゃくちゃいいオーラをまとっている。それは、洋平さんすげぇなって思うんですよね。本当に愛に溢れている人間だからこそできる、もちろん役者としての技術も彼はピカイチなんですけど、それ以外に持っている“心”が役者をやる上では大事で、その心が洗練されている人なので。
それが舞台上に立った時には、一気にシャープに尖って、見ている側には情熱として突き刺さるんですよね。それはすごく素敵な感覚だな、好きだなと思って、毎回見て勉強させていただいています。

一色 僕はきっと、この記事をスクショします(笑)。

廣野 僕も。トイレに貼ります(笑)。
【インタビュー後編に続く】

舞台『鋼の錬金術師』は、大阪公演が2023年3月8日(水)~3月12日(日)まで新歌舞伎座にて、続いて東京公演が2023年3月17日(金)~3月26日(日)まで日本青年館ホールにて上演されます。
ほか公演詳細・最新情報は、下記のInformationより公式サイトをご確認ください。

☆Information
【公演概要】
■舞台『鋼の錬金術師』

原作:荒川 弘(掲載「ガンガンコミックス」スクウェア・エニックス刊)
脚本・演出:石丸さち子

音楽監督:森 大輔
作詞:石丸さち子 作曲:森 大輔

出演:
エドワード・エルリック 役:一色洋平/廣野凌大(Wキャスト)
アルフォンス・エルリック 役:眞嶋秀斗

ウィンリィ・ロックベル 役:岡部 麟(AKB48)

ロイ・マスタング 役:蒼木 陣/和田琢磨 (Wキャスト) リザ・ホークアイ 役:佃井皆美
アレックス・ルイ・アームストロング 役:吉田メタル マース・ヒューズ 役:岡本悠紀
ジャン・ハボック 役:君沢ユウキ デニー・ブロッシュ 役:原嶋元久 マリア・ロス 役:瑞生桜子

ティム・マルコー 役:阿部 裕 ショウ・タッカー 役:大石継太 イズミ・カーティス 役:小野妃香里
ラスト 役:沙央くらま エンヴィー 役:平松來馬 グラトニー 役:草野大成

傷の男(スカー) 役:星 智也 ゾルフ・J・キンブリー 役:鈴木勝吾

ピナコ・ロックベル 役:久下恵美 グレイシア・ヒューズ 役:斉藤瑞季
ニーナ・タッカー 役:小川向日葵/尻引結馨(Wキャスト)

キング・ブラッドレイ 役:辰巳琢郎 他

スーツアクター
アルフォンス・エルリック 役:桜田航成

バンドメンバー
Band Master & Key.:森 大輔 Gt.:オオニシユウスケ Ba.:熊代崇人 Dr.:守 真人

※Wキャストは五十音順

【日程・劇場】
OSAKA:2023年3月8日(水)~3月12日(日) 新歌舞伎座
TOKYO:2023年3月17日(金)~3月26日(日) 日本青年館ホール

【チケット料金(前売・当日共/全席指定/税込)】
グッズ付S席 12,000円
※劇場にて特典として【限定グッズ(非売品)】をプレゼントします。
A席 9,000円

チケットに関するお問合わせ:
ローソンチケット:https://l-tike.com/contact/

公演に関するお問合わせ:
マーベラス ユーザーサポート https://www.marv.jp/support/st/

協賛:DMM.com 主催 舞台『鋼の錬金術師』製作委員会

【あらすじ】
「鋼の錬金術師」
錬金術の盛んな国家・アメストリスに、そう呼ばれる国家錬金術師がいた。彼の名はエドワード・エルリック。史上最年少で難関の資格を得た天才錬金術師は、かつて最愛の亡き母を生き返らせるために、弟のアルフォンスと「人体錬成」という禁忌を犯していた。代償としてエドワードは左足と右腕を、アルフォンスは肉体の全てを失いからっぽの鎧に魂を宿す。絶望の淵に立たされた兄弟だが、失った身体を取り戻すことを決意する。
手がかりとして、莫大な力を持ち錬金術の基本原則を無視した錬成が可能になるとされる「賢者の石」を探し求め、兄弟はすべてを取り戻す旅を始める―。

≪公式サイト≫
https://stage-hagaren.jp/
≪公式Twitter≫
@stage_hagaren
≪公式Instagram≫
@stage_hagaren_official

推奨略称 #舞台ハガレン

©荒川弘/SQUARE ENIX・舞台「鋼の錬金術師」製作委員会

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