太田基裕×平間壮一「二人とも違うランスロットになるだろうけど、純粋な気持ちでアーサー王の下にいる姿は大事にしていきたい」ミュージカル『キングアーサー』ランスロット役で出演!【SPインタビュー前編】

世界で語り継がれる『アーサー王伝説』。この伝説の物語をグルーヴ感溢れるフレンチロックで装いも新たに描くミュージカル『キングアーサー』が、2023年1月~2月に東京、群馬、兵庫、愛知にて上演されます。
本作は、ミュージカル『1789-バスティーユの恋人たち-』『太陽王』『ロックオペラ モーツァルト』、宝塚歌劇花組公演『CASANOVA』など、数々のヒット作を生み出しているドーヴ・アチア氏が音楽・脚本・歌詞を手掛けるフレンチミュージカルの日本版。

日本版の演出を『デスノートTHE MUSICAL』韓国プロダクションにて、2015年・2017年に演出捕として携わり、2020年には韓国演劇界最高峰の演劇賞にて演出賞を受賞、今、韓国演劇界で最も注目される新進気鋭の演出家オ・ルピナ氏が手がけます。

注目のキャストは、主人公のアーサー役を浦井健治さん、最強の騎士として評され、アーサーの敵として立ちはだかるメレアガンを伊礼彼方さん/加藤和樹さん(Wキャスト)、アーサーに忠誠を誓うが恋敵となるランスロットを太田基裕さん/平間壮一さん(Wキャスト)、アーサーの妻グィネヴィアを小南満佑子さん/宮澤佐江さん(Wキャスト)、アーサーの甥ガウェインを小林亮太さん、アーサーの兄ケイを東山光明さん、アーサーに仕え導く魔術師マーリンを石川禅さん、アーサーの異父姉であるモルガンを安蘭けいさんが演じます。

スマートボーイズでは、ランスロット役を演じる太田基裕さんと平間壮一さんに、前後編の2回に渡りSPインタビュー! 前編では役作りやお互いの印象について語っていただきました。

【インタビュー前編】
太田基裕さん
──まずは、原作となる『アーサー王伝説』について、以前からおふたりはご存じでしたか?

太田基裕(以下、太田) この舞台のお話をいただくまで知らなかったです。

平間壮一(以下、平間) 僕も知っていたのは、作品名くらいかな。

太田 そうそう。ふわっと『アーサー王』という単語は聞いたことありましたけど、内容を知ろうとしてはしてこなかったですね。

平間 騎士同士が戦うのかな?くらいのイメージでした。

──今回の舞台で初めて『アーサー王伝説』に触れるわけですが、台本を読んだときの感想を教えてください。

太田 すごく分かりやすくて面白い物語だと思いました。ただやっぱり『伝説』だなけに、現代の感覚で読むと、なかなか突拍子もない行動や言動があって(笑)。"え!?  いや、そこありえない!"みたいな感じで、ちょっとツッコミを入れつつ読んでいました。後半のアーサー王の異母姉・モルガン(演・安蘭けいさん)が出るあたりは重い感じですけど、意外とキャッチーで台本が読みやすかったです。

平間 僕はもう本当に概要もストーリーも全く知らなかったので、1ページ目から驚きの連続でした。カタカナの地名や伝説の妖精とかの言葉がびっしり書いてあって、ドラゴンが出てきて、"え!? 巨人も出てるの?"みたいな。これからどんな物語が始まるんだろうって、ワクワクしながら食いついて読みました。

──時代や文化の違いによるカルチャーショックですね。

平間 読み進めていくと、鹿とかオオカミとかも出てくるし、自分が演じるランスロットを軸に読んでいくと"湖のランスロット"って抽象的な表現もあるし。

太田 ランスロットは湖の精霊に育てられた騎士なんですよ。
平間壮一さん
──さすが『伝説』の世界ですね。ちなみにフランス版の舞台映像はご覧になりましたか?

太田 台本をいただく前だったので、全編をしっかりとは見てないんです。どれがどんなシーンかわからないし、曲も知らなかったから。

平間 僕もなんとなく雰囲気を察しつつ、流して見た感じですね。

──台本を読んでから見ると印象が変わりましたか?

太田 あ、台本を読んでからは全く見てないです。

平間 僕もそうですね。

太田 今見ると全然違う気がすると思いますね。表現の仕方が国とか文化によって全然違うだろうし。僕としてはこちら(日本版のキングアーサー)をちゃんと作って、機会があればまた見たら面白いかな、と思ってます。

──本作に出演が決まった時の心境と、台本を読み込んだ今、ランスロットについての印象をお聞かせください!

平間 最初にお話をいただいた時は、アーサー王と騎士ランスロットでグィネヴィア姫を取り合う話と聞いて、なるほど、面白そうなストーリーだと思って出演を決めたんですが、本作の物語はそこが主軸じゃなくて。(※『アーサー王伝説』はさまざまな解釈やストーリーがあります)それも含めたアーサーの生き方が中心なんです。世界観はドラゴンや妖精がいますけど、やっぱりアーサーの人生を描いてるんですよね。

太田 ランスロットは純粋な人だよね。

平間 "アーサー王の恋人を取ってやる!"とかじゃなくて、王に忠誠を尽くしたいっていう、純粋な騎士道精神を持ちながら、どうしても恋心が動いてしまう。自分ではどうにもできないことへの葛藤というか。誰も悪くないのに気持ちが動いてしまうところが、愛おしくて素敵なんじゃないかなって思います。すごい難しい役ですけど、だからこそ頑張ろうと思いました。

太田 僕はお話をいただいたとき、『アーサー王伝説』を全然知らなかったから、まずは少し調べなきゃなっていうところから始まりました。何しろ、僕でも名前だけは聞いたことがあるということは、それだけ世界中で知られてるわけじゃないですか。それを元にしてる作品って、世界観や歴史観とか、一体どうなんだろうって考えるきっかけをいただいた感じですね。深く調べつくすことはできなくても、この舞台でランスロットになれるだけで、自分の人生の世界が少しでも豊かになっているんじゃないかと思います。この作品に関われることが本当に嬉しいです。

──そんな舞台への期待を膨らませてくれたのが、あのカッコいいキービジュアルです。衣装を身につけた感想をお聞かせください。

太田 そうですね、ランスロットの衣装は白いなと。「白い白い! コーヒーこぼせないな」って(笑)。

平間 アハハ。本当にそれ(笑)。

太田 本番中も汚さないように人一倍気を使わなきゃ(笑)。でも白といったら、高貴さの象徴だったり、純真無垢なイメージがあるから、そういう感じの役どころなんだろうなと。だから僕も演じるにあたって、気持ちを清らかにしないとって思いました。

平間 僕は撮影の前の衣装合わせかな?スタッフさんから「本番も、この衣装だから」って言われたんですよ。本番と同じ衣装でのキービジュアル撮影って、過去に1回くらいしかなかったんで、びっくりしました。見た目はほとんど同じでも、舞台上で動きやすいように素材を変えていたりするので。今回、本革の衣装が本番と同じって言われて驚いたけど、同時に「ああ、この作品はすごく先を見通して準備されて、進んでいるんだな」って、作品への気合を感じました。やっぱり鎧を着ると、どこかしらこうピシッとするというか、心が締まります。早く衣装を着けて稽古したいです。
──『アーサー王伝説』のランスロットは"世界最高の騎士"と称されるヒーローで、しかもグィネヴィア姫だけではなく、派生した伝説や詩には、ランスロットに恋こがれた姫君の逸話が数多くあります。そんな歴史的イケメンを演じる意気込みは?

太田 台本を読んだときも相当だと思ってましたけど、ちょっとハードル高すぎます(笑)。僕としてはもはや、多少カッコつけすぎて笑われてもいいくらいに思ってたんですけど……。それにしてもイケメンって言っても何を持ってイケメンなのかな? 多分、イケメンになろうっていうことではなく、相手に向き合う気持ちの姿勢とか、その空間でどういう風に振る舞うかっていうことが、素敵に見えたらいいなって思ってます。

平間 イケメンとか、王子っていうところに、僕は自分と違うなと思ってコンプレックスを持ってたりするので。実際にそういう役どころだと実感した時に、もう心がドギマギして、稽古場でも自分が自分でいられなくなっちゃうぐらい「おおおお!(焦り)」ってなったんですよ。

太田 (優しく含み笑い)。

平間 けれど、とにかく覚悟を決めて稽古した時に、もっくんが優しく「覚悟決めてやったの見えたよ。それでいいと思う。元々の壮ちゃんらしさがあってもいいけど、そっちの線で頑張ってみてもいいんじゃないの」みたいな感じで言ってくれたんです。

太田 何か俺、すごい偉そうに言っちゃったんだけど(笑)。

平間 いやいやいやいや、俺はコンプレックスを持ってたから"やっぱ違うよ"って言われると思ったんだけど、それを越えてやろうとしてるのが見えたって言ってもらえたから"ああ、よかった!"って心強かった。まあ、王子様感だったり、高貴っていうんですか? そういう姿は求められているから、精一杯、自分なりに出していこうと思います。その結果、僕ともっくんでは違うランスロットになるだろうけど、どちらも純粋な気持ちでアーサー王の下にいるという姿は大事にしていきたいと思ってます。

──なるほど。今まさに、おふたりの間に力を合わせて王を支える騎士道精神を見た気がします。

太田・平間 アハハハ(笑)。

【インタビュー後編】に続く。
☆Information
ミュージカル「キングアーサー」
東京公演:2023年1月12日(木)~2月5日(日) 新国立劇場 中劇場
群馬公演:2023年2月11日(土祝)~12日(日) 高崎芸術劇場 大劇場
兵庫公演:2023年2月24日(金)~26日(日) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
愛知公演:2023年3月4日(土)~5日(日) 刈谷市総合文化センターアイリス 大ホール

【日本版台本・演出】オ・ルピナ
【翻訳・訳詞】高橋亜子

【出演】
アーサー:浦井健治
メレアガン:伊礼彼方/加藤和樹 (Wキャスト/五十音順)
ランスロット:太田基裕/平間壮一 (Wキャスト/五十音順)
グィネヴィア:小南満佑子/宮澤佐江 (Wキャスト/五十音順)
ガウェイン:小林亮太
ケイ:東山光明
マーリン:石川禅
モルガン:安蘭けい

碓井菜央 加賀谷真聡 工藤広夢 当銀大輔 長澤風海・加藤翔多郎 長澤仙明 半山ゆきの・新井智貴 大井新生 大場陽介 岡田治己 加藤さや香 鹿糠友和 鈴木百花 高島洋樹 高橋伊久磨 高橋慈生 田口恵那 東間一貴 内木克洋 長嶋拓也 永松樹 西尾真由子 花岡麻里名 藤本真凜 MAOTO 松平和希
(五十音順)

【チケット】
キングシート:15,800円
S席:13,800円
A席:9,800円
イベント割 S席:13,800円→11,800円
注釈付S席:13,800円
(全席指定・税込)
ホリプロステージ:https://www.e-get.jp/hori/pt//?_ga=2.7052146.1919012620.1670523245-472147872.1670183537

《公式サイト》
https://horipro-stage.jp/stage/kingarthur2023/
《公式Twitter》
@kamusicaljp

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