小波津亜廉&横田龍儀が欲しい特殊能力と、意外な発動条件とは?特殊能力「Ψ(サイ)」の表現にも期待、舞台「ノラネコシティ」12/3開幕直前インタビュー【後編】

『博多豚⾻ラーメンズ』や『マネートラップ』を代表作とする⽊崎ちあき氏による異能群像劇、『ノラネコシティ』が久保田 唱氏の脚本・演出により舞台化! 舞台「ノラネコシティ」が2022年12月3日から東京・新宿FACEにて上演されます。

スマートボーイズでは今作のキャストから、身一つで「ノラネコシティ」にやってきた流浪の黒猫・クロ役で主演を務める小波津亜廉さんと、モデル出身の若手俳優で、「ノラネコシティ」で知らないものはいないスーパースター、アッシュ役を演じる横田龍儀さんにインタビュー。
前編・後編と2日連続更新の特集より、本記事では後編をお届けいたします。

【インタビュー前編はこちら

(左から)アッシュ役の横田龍儀さん、クロ役の小波津亜廉さん
■舞台「ノラネコシティ」開幕直前SP
クロ役・小波津亜廉 × アッシュ役・横田龍儀 対談インタビュー


【インタビュー後編】
――今作では、登場人物たちが持つ「Ψ(サイ)」という特殊能力も見どころかと。能力の内容はキャラクターによっても様々ですが、舞台ではどのように表現されると思いますか?

小波津亜廉(以下、小波津) 僕たちもまだ予想段階なんですけど、映像表現も得意な久保田さんの演出なので、映像、照明、音響効果、あとは役者たちの身体表現と、色んな効果を使いながら表現していくんじゃないかな、と。
アニメならカットが変わるとか、CGでも表現できる部分だと思うんですけど、舞台だからこそ、映像だったり、照明だったりをトータルで使って、皆さんに驚いてもらえるような仕掛けを作れたらいいなって思うんですけど……ただ、きっと大変だよね?(笑)
小波津亜廉さん
横田龍儀(以下、横田) 役者もスタッフも、まず大変でしょうね(笑)。

小波津 本当に能力も様々だし、それが物語のキーになっている部分でもあるので、「この能力はこういう風に描いて、この能力は……」って違いを見せるためには、それぞれの見せ方や手法も変えていかなきゃいけない。そこはキャストも一緒になって考えたり、アイディアを加えていきたいなと思うんですけど、多分久保田さんの中では、もうある程度のイメージがあるんじゃないかな?

横田 うん、多分ありますよね。そこは僕も楽しみですし、今回はアンサンブルの方々もいらっしゃるので、その方たちがすごく活躍されるんじゃないかな、と。その表現の仕方も、どういう風にやっていくんだろうと期待しています。
横田龍儀さん
小波津 確かに! 僕たちが演じるメインキャラクター以外にも、「ノラネコシティ」には欠かせない登場人物がたくさんいるんですよ。もしかしたらそういう役柄は、アンサンブルの皆さんと僕らも含めてのオーディションというか、「ここのシーンの役、俺がやりたいです!」って立候補したりできるのかもしれない(笑)。

横田 もしかしたら、僕たちがやる可能性もあると(笑)。そこも含めて、僕らも予想が膨らむことばかりですよね。

小波津 アクションシーンも多いから、特殊能力を使ってのアクションと、体そのもので戦うアクション、その違いもどういう風に見せられるんだろう、なんてね。視覚的にも違いを見せたいところだから、照明とかは本当に大変そうだよね(笑)。
――個々の背景や性格に加え、それぞれ能力の違いや、能力を持たないキャラクターとの違いなど、様々な対比が描かれる作品にもなりそうですね。

小波津 そうですね。特にクロとアッシュには明確な対比があるけど、クロとアッシュは他にも色んなキャラクターと接しますし、その接し方も相手によって全く違う。人によって接し方が変わってくる、そんな人付き合いのリアルさも見えるんじゃないかなと思います。

横田 その接し方でも、「ノラネコシティ」という世界観では黒猫がどんな存在なのか、とか。物語の本質に近いところを、表現できる部分がたくさんありますよね。

小波津 「ノラネコシティ」の世界では、クロのような黒猫は虐げられているんです。エンタメでありつつもテーマ性の強い作品でもあるので、自分たちが持たなきゃいけない問題意識に気付かされたりと、色んな人に刺さる部分があるんじゃないかと思います。

横田 作品の見た目から入れば、「わ~、にゃんこのお話だ~」ってかわいらしく感じるかもしれないですけど、実際には差別や格差とか、社会問題にも触れた内容になっていて。このテイストの作品で、そういうことにも目を向けられるのは一つの意義だと感じています。
―― では、ここからは作品のテーマにかけて。もしも特殊能力「Ψ(サイ)」が手に入るとしたら、どんな能力が欲しいですか? オリジナルの、どんな能力でも!

小波津 僕は時間を止めたり、戻る、進めるっていう、時間に干渉できる能力が欲しい。生きている中で、何が一番普遍的なものかって言ったら時間でしょ? だから、それに干渉できたら最強じゃん! 何かヘマしても、戻ってやり直せるから(笑)。

横田 あ~、確かに!

小波津 「未来が見えると、人生がつまらなくなるんじゃないか」って言う人もいると思うんだけど、僕は逆に知りたいんだよね(笑)。あと過去に戻れたら、歴史に干渉したりはしたくないんだけど、自分の祖先は何をやっていたのか、とかが知りたい。歴史そのものにも興味があるから、「本当に、織田信長は本能寺の変で死んだのか?」とかも見たいし(笑)。

――多少の前後ができるだけでなく、タイムマシンくらい自由に行き来したいんですね。

小波津 そうです! それくらい、時間に干渉できる能力があったらなって思いますね。
――タイムトラベルがしたい小波津さんに続いて、横田さんが欲しい能力は?

横田 う~ん、難しい! 僕、こういうのに対して屁理屈が出てきちゃうというか、余計なことを考えちゃうんですよね。色々と便利なことを考えてみても、「でも、その不便があるからこそ、今も生きていけるんだよね」とか思っちゃう。

小波津 アハハ! 真面目か!(笑)

横田 例えば「瞬間移動の能力が手に入ります」と言われても、「でも、瞬間移動を手に入れたら太っちゃうよね」みたいな。そういう、どうでもいいことが気になっちゃって(笑)。だとすると、意外とどうでもいいような能力がいいのかな~。

小波津 う~ん。「欲しいけど、どうでもいい能力」ってなんだろうね?

横田 「魚をめっちゃうまく捌ける」とか(笑)。

小波津 それ、すごいイイじゃん!

横田 僕は特殊能力というか、人が最大限に努力したら手に入るくらいの能力がいいです(笑)。

小波津 「直線がめっちゃキレイに引ける」とかね(笑)。

横田 定規を使わずに生きられる人生になる(笑)。そう考えると、やっぱり僕はどうやっても現実では手に入らない能力は欲しくないですね。今でいうと、「めちゃくちゃプリンがうまく作れる能力」が欲しいです(笑)。

小波津 アハハ! ただのパティシエじゃん(笑)。

横田 昔から、プリンが大好きで! だから「このお店の味で作りたい!」っていうプリンを、いつでも再現できたらもう最強だなって(笑)。
――せっかくなら、「おいしいプリンを作れる能力」じゃなく、「いつでも好きな味のプリンを出せる能力」にすればいいのに、自分で作る工程を入れるのが横田さんらしいですね(笑)。

横田 しかもプリン限定で、ほかの料理のレベルは一切変わらなくていいです(笑)。

小波津 究極にピンポイントの能力だけど、どんなに最高のパティシエでも辿り着けない境地のプリンを作ることができる、っていう。

横田 そう、それがいい! 自ら作る過程があるからこそ、さらに究極の味になれるんですよ(笑)。そんな一瞬でできるなんて、ダメです!

小波津 そこで僕だったら、プリンが完成する瞬間まで時間を進めちゃいますけどね。食べたらまた巻き戻せばいいし(笑)。

――では、「時間を操る能力」と「究極のプリンを作れる能力」が出揃ったところで。今作での特殊能力「Ψ(サイ)」には、発動する時にそれぞれ必要な条件がありますが、お二人の能力も、発動するための条件をお互いに課すならば?

横田 なるほど、お互いに相手の能力発動に必要な条件を考えるってことですね。だとしたら、時間操作はかなり代償がデカいですよ!(笑)

小波津 逆に、僕が考えるのが「プリンを作れる条件」でしょ? ハードル低いな~(笑)。

横田 うーん。亜廉さんの条件は……「使うたびに、内臓が1個なくなる」。

小波津 それはヤバい、人生でかなり限られた瞬間しか使えない! 二つある臓器しか使えないじゃん、キツいよ!(笑) でも僕の代償が臓器なら、龍儀くんの条件は「髪の毛が1本抜ける」とかでいいんじゃない?(笑)

横田 いや、毛1本じゃさすがに少なすぎます(笑)。
小波津 じゃあ、「めちゃくちゃいい卵が手に入った瞬間しか作れない」は?

横田 うわ~、それなら逆にいいです! プリンは卵が大事ですから!!(笑)

小波津 でも、高級な卵を買ってくればいいっていうんじゃなくて、この世にある全ての卵の中でも、質や鮮度が完璧なヤツ。それを見極めないと使えないの。

横田 えっ? じゃあ最高級のニワトリが産むところから待機して、その場で作らないといけないってことですよね?

小波津 そう。でも、プリンに関してはすごい能力があるけど、卵の見極めに関してはただの素人だから、最高のプリンにできる卵の選別に成功するのが条件(笑)。最高の卵を選べた時だけ、最高のプリンが作れるの(笑)。

――最初の「毛一本」から、いきなり能力発動までのハードルが高すぎませんか?(笑)

横田 でも、だからこそ社会って成り立っていますからね。僕もそのために、最高の養鶏業者を雇って……というところから、この世の経済も回りますから(笑)。
――この条件でも受け入れるとは、プリンに対してはどこまでもストイックですね!(笑) それでは最後に、公演を楽しみにされている皆さんにメッセージをお願いします。

横田 まず、プリン作りにはいい卵が大事ということ(笑)。

小波津 アハハ! そして、臓器は大切に(笑)。

横田 というのは冗談で(笑)。まずはビジュアルを見て気になって、まだ原作は読んだことがないという方もいらっしゃると思うんですが、台本を見た感じでは、原作を知らなくても楽しめる作品ですし、先に読んだらまた違った楽しみ方ができると思います。
キャラクターたちの魅力の先には、色んなメッセージ性も込められている作品ですので、ぜひ色々な感情を受け取っていただいて、皆さんの人生にとっても糧の一つにしていただけたら。少し気になっているという方も、ぜひお気軽に観にきていただけたら嬉しいです。

小波津 僕は皆さんに、この作品からネコを好きになっていただきたい! もちろん作品を見て受け取るもの、感じるものはそれぞれだと思うんですけど、根底にはネコや人間、生き物それぞれを大切にしたり、互いに関わっていくことの必要性が描かれていると思うんです。人間だけじゃなく、自分以外の生き物たちに対しても、今までとは違った目線で一つ興味を持ってもらえるきっかけになったら嬉しいなと思います。
そして僕たちも全力で「ノラネコシティ」の世界を生きていきますので、応援をよろしくお願いします!

【インタビュー 了】
舞台『ノラネコシティ』メインビジュアル
■あらすじ
⽣き抜くために必要なのは「⼒」か、それとも――。
違法ドラッグと超能⼒が跋扈する犯罪超過都市――通称『ノラネコシティ』。
その⼀⾓で今⽇もまた、厄介な事件が巻き起ころうとしている……。
犯罪が⽇常茶飯事のこの街に、あるものを求めてやってきた『⿊猫』クロ。
そこで彼が⾒たものは、特殊能⼒『Ψ(サイ)』を持つもの、持たざるもの…
軍警が追う『絶対に捕まらない』薬の密売⼈、
新⼈⼥優につきまとう『透明な』ストーカー、
そして『悩み』を抱えたスーパースター、
彼らの視点が交差するとき、事件の真相が浮かび上がる…。

舞台「ノラネコシティ」は、2022年12月3日〜12月11日まで東京・新宿FACEにて上演。チケットは各プレイガイドにて一般発売中です。ほか公演詳細・最新情報は、下記のInformationより公式サイトをご確認ください。

☆Information
■公演概要
【タイトル】 舞台「ノラネコシティ」

【原作】「ノラネコシティ」ビーズログ⽂庫アリス・KADOKAWA、著者:⽊崎ちあき、イラスト:鈴⽊次郎

【公演期間】2022年12月3日(⼟)〜12 月11日(⽇)
【会場】 新宿FACE(〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1-20-1 ヒューマックスパビリオン新宿歌舞伎町7F)

【スタッフ】脚本・演出:久保⽥ 唱
【キャスト】⼩波津亜廉/飯窪春菜、三井淳平、⽥中晃平、新井 將、神⾥優希、北澤早紀(AKB48)/横⽥⿓儀

【チケット】全席指定席 ¥8,000(税込)一般発売中
■チケットぴあ
https://w.pia.jp/t/noranekocity/
■ローソンチケット
https://l-tike.com/noranekocity/
■イープラス
https://eplus.jp/noranekocity/

【企画・主催】2022舞台「ノラネコシティ」製作委員会

≪公式サイト≫
http://noranekostage.delight-act.com/
≪公式Twitter≫
@noraneko_stage

©2022舞台「ノラネコシティ」製作委員会