主演・佐藤流司「役者人生で経験したこと全てが詰まっている」と語る、<ミュージカル時代劇>の見どころとは?5/31公開の【東映ムビ×ステ】最新作・映画『邪魚隊/ジャッコタイ』SPインタビュー前編

東映株式会社と東映ビデオ株式会社が立ち上げた、映画と舞台を完全連動させるプロジェクト【東映ムビ×ステ】が<ミュージカル時代劇>という新たなコンセプトで始動!
映画『邪魚隊/ジャッコタイ』が2024年5月31日に公開されます。(続いて、舞台『邪魚隊/ジャッコタイ』は2024年8・9月上演に決定!)

スマートボーイズでは本作の主演として、ならず者たちの特殊部隊「邪魚隊」リーダー・スリ師の鱗蔵(りんぞう)役を務める佐藤流司さんにインタビュー。
<ミュージカル時代劇>という異色のコンセプトに挑んだ本作の見どころや、阿久津仁愛さん、玉城裕規さんら共演キャストとの撮影現場エピソードまで前後編でたっぷりと語っていただきました。本記事ではその前編をお届けいたします。
佐藤流司さんが登場!
【作品紹介】
【東映ムビ×ステ】とは、東映が仕掛ける新しいプロジェクトのこと。「ムービー(映画)とステージ(演劇)の挑戦的な融合」を目指し、ひとつの作品世界で語られる「映画」と「演劇」を公開&上演しています。

その最新作となる本作『邪魚隊/ジャッコタイ』の物語は、歌あり、笑いあり、涙ありの<ミュージカル時代劇>に!
どこか抜けてる個性豊かな死刑囚4人が死罪免除を条件に、将軍おかかえの使い捨ての特殊部隊【邪魚隊】として働かされる。そこへ彼らと正反対の堅物な田舎武士が巻き込まれ、寄せ集めの凸凹チームが結成! 将軍の命で「人喰い鬼」退治に挑むことになった凸凹チームはミッションを成功させ平和を取り戻すことが出来るのか!?
映画『邪魚隊/ジャッコタイ』ポスタービジュアル
キャストには、邪魚隊のリーダー・スリ師の鱗蔵(りんぞう)役で主演を務める佐藤流司さんをはじめ、邪魚隊に巻き込まれる堅物な田舎武士・水野平馬(みずのへいま)役に阿久津仁愛さん、邪魚隊メンバーで拷問仕掛けの天才・スルメ役に橋本祥平さん、毒の処方医・鮒右衛門(ふなえもん)役に小柳 心さん、変装の達人・比売知(ひめじ)役に廣瀬智紀さん、魅惑的な歌声で江戸の群衆を魅了する集団「お太鼓教」の歌姫・音御前(おとごぜん)役に高田夏帆さん、幕府お抱えの医者である蓼丸玄庵(たでまるげんあん)役に輝馬さん、「お太鼓教」の教祖の用心棒・多々良(たたら)役に玉城裕規さん、そして「お太鼓教」のカリスマ教祖・安食満親(あじきみつちか)役に石井一彰さんと、豪華キャスト陣が共演。
映画『邪魚隊/ジャッコタイ』キャストビジュアル
そして脚本は「刑事7人」シリーズなどを執筆する新進気鋭の脚本家・小西麻友氏、監督は映画『科捜研の女 -劇場版-』、「遺留捜査」、「刑事7人」でパイロット監督を務める兼﨑涼介氏が揃いました。

■映画『邪魚隊/ジャッコタイ』
主演/邪魚隊のリーダー・スリ師の鱗蔵(りんぞう) 役:佐藤流司さん インタビュー

【インタビュー前編】
――映画『邪魚隊/ジャッコタイ』は【東映ムビ×ステ】プロジェクトの最新作にして、<ミュージカル時代劇>という新たなコンセプトにも挑んだ作品です。本作の主演を務める佐藤さんは、脚本を読んで最初にどんな印象をお持ちになりましたか?

佐藤流司(以下、佐藤) 最初は、「ぶっ飛んでるな」っていう感想が出てきましたね。時代劇だけどミュージカルで、アクションも歌もダンスもあってと本当に色んな要素があった上に、劇中歌の歌詞もいただいたので、なんだか舞台の脚本を読んでいるような気持ちになりました。

――映画と舞台を連動させ、一つの世界観から二つの作品が生まれる【東映ムビ×ステ】という試み自体にも面白さがあるかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。

佐藤 そうですね、映像と舞台の架け橋になるというか。やっぱり舞台の方が趣味としての敷居が高いジャンルで、自分から「舞台を見たい!」と思わないとなかなか行く機会がないと思うんですけど、映画なら自分自身も子どもの頃から親に連れて行ってもらいましたし、わりと触れやすい趣味かなと思っていて。
そういった意味でも、この企画は映画が好きな方にも舞台に興味を持っていただける良い機会になる気がしていますし、逆に舞台しか見ないという方には映画も見てもらって、両方の良いところを楽しんでもらえるのかな、と。
そして両方を見ることによって、映画の持つ迫力と、舞台のリアルな緊張感、臨場感みたいなものがどちらも味わえる、というのが【東映ムビ×ステ】の強みなのかなと感じています。

――特に佐藤さんはミュージカルでもご活躍されて、殺陣や和装などの時代劇要素がある作品にも多数出ていらっしゃいますし、映画から舞台まで幅広く、本作が持つ全ての要素にアプローチできる存在、という意味でも今回の主演には適任かと思います。

佐藤 おお、確かに!(笑) 本当に色んなことをやらせていただいて、俺にとっても今までの役者人生で経験させてもらったことが全て詰まっているような作品になっているのかな、と思います。

――ちなみに佐藤さんは本作の情報解禁時にも、『確かにこの役は佐藤流司しか出来ないわ、となってくれる筈です。』とコメントされていましたが、なにか鱗蔵という役柄とご自身に重なる点はありましたか?

佐藤 似ているというか、ミュージカル要素があって、殺陣があって、ダークヒーローのならず者たちのお話である、というのがまさに俺の得意分野だな、と。「これはもう、自分の一番自信があるところでお芝居ができるな」っていう感覚で、実際にも非常に演じやすかったです。
――では、実際に鱗蔵を演じられてみて、この役の魅力に感じた点はありますか?

佐藤 俺は鱗蔵の、いわゆる若頭のようなポジションにもすごく魅力があると思っていて。
昨年、自分でも脚本・演出をやらせていただいたんですが、その時に“主役は周りに色んなことを教えてもらって成長していく”というのがすごく大事で、それが主役に感情移入するためのキーにもなっているんだな、と改めて勉強させてもらいました。
今回、鱗蔵は「邪魚隊」のリーダーをやっていて、基本的にはみんなを引っ張っていく立場ですが、鱗蔵が悩んだり立ち止まったりした時には周りに支えられ、教えてもらって、鱗蔵自身も成長していく。そういう人間味の溢れるところが魅力的だな、と思っています。

――そんな鱗蔵はならず者の死刑囚でありながら、過去にはあるトラウマを抱えていることも見えてくる役柄です。こうした面を演じる上で、なにか意識したことはありますか?

佐藤 過去のトラウマについては、そんなに考えすぎないようにしていました。セリフとして出てくるところは出さないと逆に変なので別ですけど、悲しい過去やトラウマみたいなものは、持っている人ほど表に出ないというか……「自分、いま悲しいです!」ってやっている人は、実際そんなに悲しくないんじゃないか、って(笑)。

――場合によっては、その姿がパフォーマンスになってしまうような。

佐藤 結構、浅いことで悩んでいる人ほど「悲しいな」って分かりやすい顔をしてしまうような……。だから普段はあまり顔に出さないように生きていて、そういうトラウマがフラッシュバックした瞬間だけ、色々な悲しみ、苦しみみたいなものが押し寄せてくるように、と考えていました。
だから、ずっと「コイツには陰があります」という風には演じていないし、それだと今回の作風的にも多分良くないと思ったので、カラっとするところは明るくして、みんなで盛り上がるとこはちゃんと盛り上がって。その中に少し悲しいスパイスも入っている、ぐらいのバランス感で作りましたね。

――役作りや芝居について、兼﨑涼介監督からの要望はなにかありましたか?

佐藤 いえ、本当に思うがままにやらせていただきまして。キャストと一緒になって、脚本や芝居についての話し合いをその場でしっかりとやってくださる監督さんだったので、みんなも「俺はこのシーンはこう思うんです」みたいなことは最初から監督に全て話して、ディスカッションをして決めていった感じでした。
兼﨑監督の方がどう思っていたのかは分からないですけど、役者としてはすごくやりやすい環境で、のびのびとお芝居をさせてもらえていた感覚です。
――スリの道具や武器として釣り竿を操る鱗蔵ですが、本作では激しい殺陣も大きな見どころかと。アクション面での撮影裏話も聞かせていただけますか。

佐藤 釣り竿で戦うのは初めてだったので、なかなか痺れる経験でしたね! 中は仕込み刀になっていて、そこまでいったらやったことがあるので大丈夫なんですけど、あれだけ長い得物を使って戦うのはほぼ初めての経験だったので非常に難しかったですし、序盤にある殺陣とかは1分半くらいかな? 結構、長い尺をワンカットで撮るシーンもありまして。で、やっぱり太陽もどんどん沈んでいくし、かなり時間のない中で撮っていって……3回目ぐらいでやっと成功して、非常に安堵したことはよく覚えています。

――舞台での立ち回りのように、映像でも殺陣のシーンは長回しの方がやりやすかったりするのでしょうか。

佐藤 いや、やっぱり長回しの方が大変ですよ!(笑) ただ、“2、3手やって切り替えます”っていうのも常に100%の力で生き続けられるので、それはそれで迫力があると思うんですけど、長回しだと非常に感情が乗りやすくて、細かくカットを割った時とは違って、リアルな疲れとか、息の上がり方なんかも嘘じゃなくなるので、そういうメリットはあるかもしれないですね。

――阿久津仁愛さん、玉城裕規さんとの三人での殺陣も大きな見どころかと思いますが、お二人との殺陣の撮影はいかがでしたか?

佐藤 まあ、仁愛がヒィヒィ言ってたな、っていう(笑)。

――佐藤さんと玉城さんは、特に早い殺陣には慣れていらっしゃいますから。

佐藤 そうですね。仁愛が「めちゃくちゃ速いですね」って言ってきたのを覚えています。それに対して「まぁね」くらいの感じでいましたけど、実は俺も「めちゃくちゃ速いな」と思ってやっていて(笑)。
でも後輩がいる手前、ちょっとカッコつけないといけないんで、飄々とやっているように見せて……本当に、めちゃくちゃ速かった。でも、きっと玉城くんも「めちゃくちゃ速いな」って思っているはずなんです(笑)。玉城くんが実際どうかは分からないですけど、あれは自分自身、玉城くんと俺ができる最速のスピードでやりましたね。

――そういった殺陣については、玉城さんと事前に話し合いをされたりするんでしょうか。

佐藤 お互いの最速でやっていっただけで、特にしていないですね。事前に殺陣稽古もあったんですけど、その時も「すげえ手数多いね」くらいの感じでしたし。元々、玉城くんは遅い殺陣が嫌いだと聞いていたので、それに応えるべくフルスピードでやっていました。
――激しい殺陣やアクションの一方で、「邪魚隊」の仲間たちは軽妙な掛け合いもみせてくれますが、演じた皆さんの印象はいかがでしょうか? 特に堅物な田舎武士という対照的な存在でありながらも、水野平馬役の阿久津さんは鱗蔵と行動を共にする役柄でしたが。

佐藤 仁愛が演じる平馬という役柄はすごく真っ直ぐな青年なんですけど、それは彼自身のパーソナルな部分にもすごくリンクしているので、仁愛本人もかなり演じやすかったんじゃないかな、と思いますね。
逆に小柳 心くんはものすごいボケたがり、フザケたがりな人なので、鮒右衛門の寡黙な感じは、心くんの本当の姿とは戦いながらやっていた気がします(笑)。
あと廣瀬智紀くんは、とにかく綺麗でしたね。元々お得意なのかは分からないですけど、こういう少し女形っぽいニュアンスというか、艶のある役柄をすごく綺麗に演じていらっしゃって、さすがだなと思っていました。
で、橋本祥平くんは……あっ、これは絶対に取材で言おうと思っていて、もし使えなかったらごめんなさいなんですけど(笑)、スルメが屋根から側宙で飛び降りてくるシーンがあって、あれを祥平くんがリアルにやっていると思われたら癪だなって!(笑) でも、祥平くんもとても綺麗な顔をしていて、特にラストシーンはすごく熱く演じていてかっこよかったです。

――「邪魚隊」の皆さんは、撮影現場でもワイワイと賑やかだったのでしょうか?

佐藤 でも、あんまり若い感じの盛り上がり方はしなかったかな。みんな大人なので、オホホっていう上品な感じで(笑)。時間も限られている中で撮っていたので、締めるところは締めて台本に追われつつも、みんなで楽しくやっていましたね。

――作中での「邪魚隊」の空気感についても、皆さんで話し合うというよりは、各々が持ってきたものを組み合わせた結果がいい形になった、という感じでしょうか。

佐藤 そうですね。ただ4人での掛け合いは「ここは誰が盛り上げようか」とか、屋根の上でのシーンも「鮒右衛門は高いところダメにしよう」とか、誰が提案したのかは覚えていないですけど、みんなでいる時のバランス感はちょっと話し合いましたね。

――キャラクター面でも、現場で皆さんから出たアイディアが採用されているんですね。

佐藤 でも基本的に、祥平くん、心くん、智紀くんもそうですけど、このぐらいやっていると、それぞれのキャラが出てくるところでの台本の読み方のズレってあんまりないんですよね。みんなが思うままにやってみても、それが「こう来るだろうな」っていうところにちゃんとピースがハマっていく感じで、スムーズに進んでいたなと思います。

(5/30up インタビュー後編に続く)

映画『邪魚隊/ジャッコタイ』は2024年5月31日公開、オリジナル特典(ブロマイド)付きムビチケカードも好評販売中です。
また、映画本編とリンクして邪魚隊の更なる活躍が描かれる舞台『邪魚隊/ジャッコタイ』は、2024年8・9月にかけて東京・大阪・愛知・石川と全国4都市にて上演されます。
ほか『邪魚隊/ジャッコタイ』に関する最新情報は、下記のInformationより公式サイトや公式Xをご確認ください。

【取材STAFF】
ヘアメイク:有藤萌
スタイリスト:吉田ナオキ

☆Information
【映画情報】

■東映ムビ×ステ 映画『邪魚隊/ジャッコタイ』

2024年5月31日(金)公開
オリジナル特典(ブロマイド)付きムビチケカード 販売中!

出演:
佐藤流司
阿久津仁愛 橋本祥平 小柳 心 廣瀬智紀
高田夏帆 姜 暢雄 輝馬 横山 涼 吉岡睦雄
玉城裕規 石井一彰 / 永井 大

脚本:小西麻友
監督:兼﨑涼介
音楽:和田俊輔
作詞:藤林聖子

≪予告映像≫
https://youtu.be/jwosUVd7umo

【映画ストーリー】
天下泰平の江戸時代。人々の平和な暮らしの裏側に、限られた者しか存在を知らない特殊部隊があった。その名も【邪魚隊】。鱗蔵(佐藤流司)、スルメ(橋本祥平)、鮒右衛門(小柳 心)、比売知(廣瀬智紀)からなる邪魚隊は全員が死刑囚。死刑免除の引き換えに、死と隣り合わせの危険な闇仕事を任される隠密部隊だ。
今回、邪魚隊に下された任務は、謎の集団・お太鼓教への潜入捜査。昨今、江戸の町では人が突然消える事件が続出。それらは人喰い鬼の仕業と恐れられ、一方でお太鼓教の教祖・安食満親(石井一彰)は鬼から人を守る救いの神として崇められていた。しかし、将軍・徳川吉宗(永井大)ら幕府はお太鼓教と鬼の関係に疑問を抱き、鱗蔵らのスリのスキルを駆使して教団からある物を盗み出すミッションを命じる。御典医・蓼丸玄庵(輝馬)によると、その「ある物」が、鬼退治に役立つという。
一方、そんな邪魚隊の前に一人の青年が現れる。彼の名は、水野平馬(阿久津仁愛)。生き別れの姉を探す旅を続けていた平馬だが、お太鼓教の歌姫・音御前(高田夏帆)こそが姉であると確信。真実を知るために、鱗蔵たちとともにお太鼓教に忍び込む。
だが、姉を救いたい平馬の行動が生んだアクシデントにより、鱗蔵たちは安食の側近・多々良(玉城裕規)に捕えられてしまう。さらに、目の前に現れた安食によって、鱗蔵の封印していた過去が甦る。
はたして邪魚隊はお太鼓教の陰謀から江戸の町を救えるのか。人喰い鬼とならず者たちの妖美にして痛快な戦いが今始まる。

【舞台情報】
■東映ムビ×ステ 舞台『邪魚隊/ジャッコタイ』

公演スケジュール:
【東京】2024年8月9日(金)~25日(日) 東京:サンシャイン劇場 20公演
【大阪】2024年8月30日(金)~9月1日(日) 大阪:サンケイホールブリーゼ 5公演
【愛知】2024年9月4日(水) 愛知:一宮市民会館 2公演
【石川】2024年9月7日(土)・8日(日) 石川:石川県立音楽堂 邦楽ホール 3公演

出演:佐藤流司
阿久津仁愛 橋本祥平 小柳 心 廣瀬智紀
松本寛也 森大 中村誠治郎 輝馬 玉城裕規 ほか

脚本:小西麻友
脚色・演出:毛利亘宏(少年社中)
音楽:和田俊輔
作詞:藤林聖子

チケット価格 <全席指定> 9,500円(税込)※未就学児入場不可
発売日:6月9日(日) 10:00~ チケット一般発売

≪公式サイト≫
toei-movie-st.com/jakkotai/
≪公式X(旧Twitter)≫
@toei_movie_st
≪公式Instagram≫
@toei_movie_st

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