2020年4月に上演を予定していたものの、新型コロナウイルス感染拡大に伴い公演中止となっていたミュージカル『モダン・ミリー』が、2022年9月に東京・日比谷シアタークリエ、10月に大阪・新歌舞伎座にて上演されます。

その製作会見が5月10日に都内にて開催され、キャストの朝夏まなとさん、中河内雅貴さん、実咲凜音さん、廣瀬友祐さん、保坂知寿さん、一路真輝さん、演出/翻訳の小林香氏が登壇した、会見の模様をレポートいたします。

原作は1967年公開のミュージカル映画「モダン・ミリー」。ジュリー・アンドリュースが演じたモダンガール・ミリーが好評を博し、高い評価を得たこの作品は、公開から約30年を経て舞台化されました｡楽曲をほぼ一新し製作されたブロードウェイ版は、歌と踊りに彩られた上質なミュージカルとなり、2002年にトニー賞作品賞や主演女優賞などを受賞した大ヒット作となりました。

映画ではジュリー・アンドリュース、ブロードウェイ版ではサットン・フォスターが演じた主人公・ミリーを務めるのは、宝塚歌劇団宙組トップスターを務め2017年に退団後、『マイ・フェア・レディ』、『Little Women -若草物語-』『天使にラブ・ソングを～シスター・アクト～』『ローマの休日』など話題作に主演を重ね、2020年に第45回菊田一夫演劇賞を受賞、演技・歌・ダンス全てで客席を魅了する、朝夏まなとさん。

共演に、俳優・ダンサー・アーティストとして多方面で活躍し、本年2月には『ピアフ』でのマルセル・セルダン役での熱演が記憶に新しい中河内雅貴さん、宝塚歌劇団在団中は宙組トップ娘役として朝夏さんとコンビを組み、本年2月の『ラ・マンチャの男』ではアントニアを演じた実咲凜音さん、数々のミュージカルへ出演し、今年1月の『INTO THE WOODS』では王子役が好評を博した廣瀬友祐さん、劇団四季を経て『オトコ・フタリ』などミュージカル以外でも活躍を続ける保坂知寿さん、宝塚歌劇団雪組トップスターとして『エリザベート』のトートを、退団後は6年間に渡りタイトルロールのエリザベート役を務め、2018年の『オン・ユア・フィート！』では朝夏さんの母を演じた一路真輝さん。そして演出は、『SHOW-ism』シリーズを手掛け、『Little Women -若草物語-』『マドモアゼル・モーツァルト』ほか、今年1月の『リトルプリンス』でも手腕を見せた小林 香氏ら、最強の布陣で上演されます。

【ストーリー】
1920年代のニューヨーク。「大切なのはロマンスよりも理性！」をモットーに、モダンガールに憧れて田舎町から出てきたミリーは、下宿先で知り合ったドロシーや偶然の出会いを繰り返すジミーと仲良くなったり、玉の輿を狙って就職した会社の社長・グレイドンに猛アプローチをかけたり、世界的歌手マジーのパーティーに参加したりと新しい生活を楽しむ。
そんな時、ドロシーが行方不明に！下宿先の女主人ミセス・ミアーズが、下宿にきた身寄りのない女性たちを誘拐していると知ったミリーたちは、ドロシー救出作戦を決行！　果たしてミリーたちの運命は！？　そして、ミリーが見つけた本当に大切なものとは――。

【会見レポート】
会見では、まずは演出/翻訳の小林香氏が挨拶。

小林氏は「『モダン・ミリー』は2020年4年7日に、初めての緊急事態宣言が出た時に公演の中止が発表されました。まさにその日が初日で、劇場には全ての衣装や舞台セット、照明も出来上がっていて、舞台稽古をして、あとはお客さまを入れて、初日を迎えるだけという状態で、突然公演が中止になりました」と当時を振り返ります。
続けて「公演が中止になった時に、キャストのみんなに手紙を書いたことを覚えております。内容が『これは中止ではなく大幅な延期です。なので再び会えることを楽しみにしています』。その大幅な延期の結果、ついに『モダン・ミリー』を皆様の元にお届けできる時期が来まして、嬉しく思っております。とても楽しく明るいミュージカルですので、コロナで疲れた心を癒すのにとても良い作品じゃないかなと思います。２年前よりいっそ励んで作品を作っていきたいと思いますので皆様よろしくお願いいたします」と意気込みました。

朝夏さんは「2年前の4月、私たちはすべてのお稽古を終えて、やっと劇場に入れるって言う時に(公演が)止まってしまいまして、すごいやるせない、救いようのない思いでいっぱいでした。2年後にこうして公演ができることになり、本当に嬉しいです。この2年間の自分の成長が生かせたらと思います。2年前は必死で役を作っていく中、腑に落ちないところもありましたが、今回はしっかりと作っていきたいなとおもいます」と宣言しました。

中河内さんは「2年前はとても心が苦しかったそんな時期でもありました。この作品はとてもハッピーな作品なので、そういう辛い時にもこの作品の楽曲を改めて聞き直した時に、少し心が救われた部分もありました。お客様の心を、とてもハッピーにしてくれる作品なので、ぜひとも劇場に足を運んで、生のライブを体感していただき、明日への活力となるようなそんな作品になればと思います」と熱い思いを吐露。

実咲さんは「2年ぶりに再演できると聞いた時に、まず『キャストの方は変わらないですか？』と確認しました。変わりないということを聞けて本当に嬉しくて、そして今日久しぶりに皆さんとお会いできて嬉しいです。2年前に作品が止まった時は、こんなにハッピーな作品だからこそやりたいと思っていたので、2年越しではありますが、皆様にお届けできることを心から嬉しく思います。ハッピーになれる作品ですので、たくさんの方に見に来ていただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします」と喜びをアピールしました。

廣瀬さんは「昨日久々に台本を一通り見たんですけれども、記憶が無くて……(苦笑)。劇場でこの『モダン・ミリー』という作品をお客さんと一緒に共有できることを強く願っています。素敵な作品になるよう努力していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします」と力強く宣言！

保坂さんは「台本を私も読み返しまして、うっすらな記憶ですが、すごくあったかくて明るい作品だという体感が自分の中に残っていて、またその世界に行ける事にすごく嬉しく思っています。今回まだまだ油断できない状況ではありますが、できる限りを尽くして、『モダン・ミリー』の世界を楽しんでいただきたいと強く思っています」と振り返ります。

一路さんは「コロナ禍が始まってはじめての公演中止という経験でしたので、かなりダメージがありました。私は2年前のことを結構鮮明に覚えていまして、朝夏さんのタップダンス、廣瀬くんの不思議な役作り、保坂さんの可愛らしい歩き方、すべて忘れていないんですよ。自分の役をみんなに負けないようにもっともっと掘り下げたいなと思っています。2年経っても忘れられないミュージカルなので、多くの方に見ていただきたいと思っております」とアピールしました。

最後に主演の朝夏さんが「いろんな思いが詰まったこの『モダン・ミリー』という作品。お客様にどういう反応いただけるのかまだ未知の部分もあるので、お客様と一緒にこの作品を作れたらなと思っております。9月にはこのようなご時世が少しでも落ち着いて、皆さんがもう少し気楽に劇場に来られるようになっていたらいいなと心から願っております。もしそうなっていなくても、ぜひ明日への活力になるような、楽しく、笑える作品になっていますので、皆さんぜひ劇場にお越し下さい。心よりお待ちしております」と締めくくりました。

ミュージカル『モダン・ミリー』は、9月7日より日比谷シアタークリエにて東京公演、10月1日より新歌舞伎座にて大阪公演がそれぞれ上演されます。公演詳細についてはInformationより公式サイトをご確認ください。

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