日向野祥「深みのあるアクションをお見せします」フクシノブキ「初演のイメージをいい意味で覆したい」『漆黒ノ戰花-再演-』6/1開幕直前SPインタビュー!石垣公演でやってみたいこととは?

演劇集団「GEKIIKE」が2018年に上演したアクションファンタジー「漆黒ノ戰花(しっこくのいくさばな)」が5年ぶりに上演! 
GEKIIKE本公演第12回『漆黒ノ戰花-再演-』が、2023年6月1日より東京・新宿村LIVEにて開幕します。
初演では、追加公演含め18公演すべて完売、計3600人を動員し、千穐楽公演には当日券を求め約100人もの人が並んだという人気作が、約5年ぶりに再演されます。

W主演の日向野祥さんとフクシノブキさんをはじめ、服部武雄さん、松村 優さん、坂下陽春さん、堀田竜成さん、海老澤健次さん、樋口夢祈さん、平田裕一郎さん、鷲尾 昇さんといった実力派キャストが集結しました。
【あらすじ】
時は2048年。第三次世界大戦 敗戦後の日本。
諸外国との国交が絶たれ孤立した日本は、敗戦を軍の責任とした国民と軍との間で争いが起こっていた。

ある日、軍により国家反逆者殲滅戦が実行された。
そこに実装されたのは、バイオロイドと呼ばれる人の形をした大量破壊兵器。

日本軍は、さきの大戦の際ひときわ他国から恐れられた特攻兵が「もしも不死身であったなら」と考えていた。

全てはかつての日本を取り戻すためー。

国民が自らの意見や思想を持たぬよう、政治に無関心になるよう誘導されてきた日本の未来とは…。


スマートボーイズでは、御影千明役の日向野祥さんとVAN役のフクシノブキさんにインタビューを実施。今作の見どころや稽古場の雰囲気、さらには6月16日より行われる石垣公演への意気込みなどを語ってくれました。
(左)フクシノブキさん、(右)日向野祥さん
――よろしくお願いします。まず、今作への出演が決まった時の感想からお聞かせ願います。

日向野 今回「再演」というタイトルが入っているだけあって、W主演ということで、真ん中に立たせてもらえることに関しては、有り難いことですけど、ある意味プレッシャーも大きいです。 初演という完成形が既にある中で、再演ではどう演じるかという点においては難しいと感じています。再演と言っても、まったくなぞるのはあまり好きではないですし、せっかく新キャストになったからには、その人たちの色であったり、 その人たちしか出せない空気感をどういう風に出していこうかなとも思いつつ、前回の良いところを盛り込んで、演出の樋口さんをはじめ、みんなで作り上げていきたいなっていうのを最初にお話いただいた時に感じました。

フクシ 再演という形とはいえ、そこにはとらわれず、いい意味で新しいものに、と言いつつも、前にやってくださったものも入れつつ、自分たちの色を出していければと思います。僕はVANという破壊兵器のバイオロイドを演じますが、この作品はバイオロイド側の主軸、軍人側の主軸、御影側の主軸と、いろいろな見方があって、面白い見せ方が出来ると思っています。アクションに関しては前回とは違う形になると思っていて、お話している時点ではまだアクション稽古はしていませんが、アクションをつけてくれる久野木貴士くんがいろいろと提案してくれるので、早くアクション稽古がやりたいですね。

――今作のあらすじを教えていただけますか。

フクシ 物語は2048年という未来のお話で、「人間 vs 人間」というより、「人間 vs バイオロイド(破壊兵器)」という構図になっているので、特殊な戦い方にはなっています。

日向野 このテーマが今の現代の人たちがゆくゆく直前するのかなと思っていて、未来の話にありがちなファンタジーの世界ではなく、実際に起っちゃうんじゃないかと思う内容なので、観てくださる方にはそう感じてもらえればと思います。

フクシ 便利なものだけど、味方から敵になった時どうなるのかという事がこの作品に色濃く出ています。御影がどうするのか、それに対してバイオロイドはどうするかという戦いでもあって、 どの視点で観るかによって、いろいろな考え方が見つけられますので、観てくれる方にもなにか刺激を受けてもらえたらと思います。

――日向野さん演じる御影は、軍人でもなければ、バイオロイドでもないという設定ですが、どういうキャラクターなんでしょうか。

日向野 正直、御影は“ネタバレ要員”なので細かいところは言えませんが(苦笑)、基本的には金属を収集しながらいろいろな土地に行く人間です。過去に罪を犯して、何かに葛藤している御影が、バイオロイドとどう関わっていくかとか、どう接していくか、そして自分が犯してしまった過去と向き合っていくかというのが一番のテーマでもあります。
日向野祥さん演じる御影千明ソロビジュアル
フクシノブキさん演じるVANソロビジュアル
――今回は再演ということで、初演をご覧になっている方もいれば、今回初めてご覧になる方も多いと思います。そこで、初演をご覧になった方向けの見どころと、初めてご覧になる方向けの見どころを、それぞれ教えてください。

フクシ 役自体は初演と同じですけど、演じる人が違うので、初演をご覧になった方はその時のイメージがあると思うんです。そこをいい意味で覆せるように僕たちは演じたいと思っているので、「こういう御影がいるんだ」「こういうVANがいるんだ」というのを発見してもらいたいです。

日向野 僕も初演をご覧になった方への見どころは一緒で、初演を観た方はきっと全く同じ作品にはならないと思っていて、内容が一緒だとしても必ず演じる人間が違ければ変わってくるので、その中で新しい発見をしてもらいたいです。作品的にも初演よりもボリュームアップしているので、そのあたりを楽しみにして欲しいですし、今回が初めてという方は、初演を観たくなるような作品だと思っています。

フクシ そうですね。ネタバレになるので詳しくは話せませんが、この2人の関係性やバイオロイドは何故存在しているかというのは、初演をご覧になった方はわかっていますが、初めての方にはそこを新しい気持ちでワクワク観てくれたら嬉しいですね。

――ストーリもさることながら「アクション」も今作の見どころの一つですね。

フクシ はい。破壊兵器なので戦わないとね(笑)。体を動かすのは好きですし、今までは刀や銃は長物を使ったアクション経験はあるんですけど、武器を使わないアクションは今回が初めてで、今は久野木貴士くんと相談しながらやっています。僕の中では“チャレンジ”ですし、今までのフクシノブキを知ってくれる方は新鮮だと思いますし、新しいフクシノブキが観られると思います。

日向野 ノブキくんほどのアクション量はありませんが、基本的に今回はガンアクションが多くて、演出の樋口さんが細かく追求してくださるので、僕ら以外のキャストも銃の構え方や持ち方などをすごい練習していて、そういう部分が疎かになるとクオリティが下がってしまうので、本番ではすごい深みのあるアクションをお見せ出来ると思います。

――お話を伺っている時点では絶賛稽古中とのことですが、座組の雰囲気はいかがですか。

フクシ 顔合わせの時にも言ったことですけど、今回初めての方が多かったにも関わらず、他の現場と比べて温かい空気があったんです。それが何かといえばわからないんですけど、読み合わせの時もリラックスできましたし、今回初めて樋口さんの演出を受けますが、話してみると優しくて熱い人という印象で、稽古中でもアドバイスをいただくので、そこを忠実に学んでいる良い現場です。

日向野 僕ら以外のキャストさんは、GEKIIKEさんの作品に出演したり、樋口さんと関わっている方が多くて、逆に僕らが今回初めて樋口さんの演出作品に出演するということで、顔合わせでどういう空気感だろうなと思っていましたが、皆さん温かい方ばかりで最初から良かったですね。

――日向野さんとフクシさんとの共演は、昨年末の舞台『Wizards Storia-cadere-』に続いて2度目になりますね。

フクシ 僕たちタメなので、僕の中では親近感になっていますね。

日向野 最初から話しやすかったです。

フクシ 一つ上、一つ下なら「ほぼ一緒だね」ぐらいで終わっちゃうんですけど、タメだと話が止まらないんですよ。

日向野 ラフにいけるよね。苦手な性格な方なら、ちょっと身構えちゃうんですけど、全然そんなことないので。ただノブキくんの印象は“破壊兵器役”が多い人だなって(笑)。

フクシ 前回共演した時も僕が破壊兵器役だったんですよ(笑)。

日向野 僕の中では“兵器の人”です。

フクシ 僕もこれまで色々な役をやっているんですけど、たまたま破壊兵器役の時に一緒になっているんです。

(一同笑)
――今回の公演は東京と沖縄県の石垣島で上演されます。なかなか石垣島で上演するケースは少ないと思いますが、お二方はこれまで石垣島に行ったことはありますか。

フクシ 僕は初めてで、しかも沖縄自体も行ったことがなくて、沖縄本島を飛び越えて石垣島に行くので不思議な感じですね。昨年9月にGEKIIKEさんが舞台「宵闇に咲く雨」を石垣島で上演して、そこからの流れで今回も石垣島で上演できるので、そういうご縁というか巡り会えたことが嬉しいです。

日向野 僕も初めてです。地方のエンターテイメントや娯楽となると、東京と比べるとどうしても弱いですけど、コロナの影響で萎んでしまった時期を経て、地方活性化を踏まえて、どの都道府県であってもそういうのが出来るというのはすごい良いことだと思いますし、今回は石垣島での公演があると聞いて、純粋に「いいな」と思いました。僕自身も沖縄本島や宮古島に行ったことがあるくらいもともと沖縄が大好きなので、今から楽しみです。

フクシ 昨年9月の「宵闇に咲く雨」石垣公演では、観に来るお客さんの中で子供の比率が多いと聞いていて、今回の石垣公演では子どもたちがずっと楽しんでいられるような演出に若干変更するそうなので、そこも考えながら演じるのは大変だなと思うと同時に、子供たちが観に来てくれるのは僕らにとってもすごく嬉しいので、こういうエンタメがあるんだというのをお見せしたいです。

日向野 普段の舞台では子供の比率の高いことってなかなかないからね。以前『遊星王子2021』という作品でヒーローを演じたことがあって、子供たちってわかりやすいのが好きで、銃を打つところやチャンバラしているところに目をキラキラさせながら見ていて、逆に深い話になるとどうしても飽きてしまうんです。そういう点ではすごく難しいですね。

――石垣公演では、初めて舞台を観るという方も多いのではないでしょうか。

フクシ そうかもしれませんね。アクションに関しても知ってはいるけど、実際に観たことがないという方もいると思うので、そういう方にも迫力のあるアクションをお見せしたいです。

――お二方とも初めての石垣島となりますが、現地でこんなことをやってみたいというのはありますか。

フクシ やっぱり海には行きたいですね。全身は無理だとしても水浴びはしたいです。

日向野 やっぱ海だよね。

フクシ 僕の中では最悪海に入れなくても、サンセットは絶対に見たいですし、写真を撮ってSNSにUPしたいです。

日向野 出来るのであればみんなでバーベキューしたいですし、石垣ならではのことをやれたら嬉しいです。

フクシ 僕、泡盛を飲んでみたいです。沖縄といえば泡盛というイメージがあるんですけど、まだ一度も泡盛を飲んだことがなくて。

日向野 今回の石垣公演では、八重泉酒造さんがスポンサーに入っているので、僕も現地で泡盛を飲みたいです。

フクシ ところで泡盛って何?

日向野 お酒。

フクシ おい! そんなことわかっているよ。

日向野 泡盛はストレートでもロックでもいけるよ。

フクシ 焼酎の一種?

日向野 ほとんど一緒だけど作り方が違うかな。焼酎と比べて若干クセはあって、アルコール度数も焼酎と比べて若干高いよ。

フクシ 何で割るのが美味しいの?

日向野 僕は結構お酒好きだけど、シークワーサー割りだね。

フクシ 僕もお酒が好きです。

――独特のクセが苦手な方もいますが、あのクセだからという理由で飲まれる方も多いですよ。

フクシ 麦焼酎も芋焼酎も紹興酒も全部飲めるよ。

日向野 じゃあ大丈夫だと思うよ。

フクシ 東京にいる時は自分の好きなお酒を飲みますが、行ったからには泡盛飲んでみたいですね。

――東京公演で得た経験や修正点を経ての石垣公演ですから、よりクオリティの高い舞台をお見せ出来ますね。

フクシ 東京公演が終わって若干時間が空いてからの石垣公演なのと、劇場も変わるので新しいものを見せられると思います。

――ありがとうございます。では最後に公演を心待ちにしているファンの方へメッセージをお願いします。

フクシ アクションが多いからこそ熱くなれるものがあるので、元気になって欲しいという思いもありますし、一応戦争のお話ですけど、それだけでなく観終わった後に何か刺さるものがあると僕は思っているので、ぜひ楽しみにしていただきたいと思っています。初演から5年経て、パワーアップした『漆黒ノ戰花』をお見せしますので、初演を観たことのある方も、初めてご覧になる方にも楽しめる作品になっています。

日向野 再演ということで、僕たちがせっかくやらしていただくからには、新しいものを届けたいですし、 初演の良い部分も取り込みつつ、そして演出の樋口さんをはじめ、キャスト一同、スタッフ一同で一丸となってこの作品とまた戦っていきます。ぜひ、このエンターテイメントっていうものを見に来ていただきたいですし、そして観たからには、僕たちは感動を届けられるように……。“感動”って、僕は別に泣くことだけではないと思っていて、「心を動かす」と書いて感動だと思うんです。

フクシ そのメッセージいいね!! その部分をカットにして僕が言ったことにしてください。

(一同笑)

日向野 おいおい!! 毎回これは言わしてもらっているんですけど、でも本当に心が動いたなと思ってもらえれば、僕たちがエンターテイメントを届けた意味があるなと思うので、ぜひ東京公演、石垣公演、本当に全力で行いますので、ぜひ観に来ていただけたらなと思います。

(インタビュー了)
GEKIIKE本公演第12回『漆黒ノ戰花-再演-』は6月5日まで東京公演、6月18日まで石垣公演がそれぞれ上演されます。また毎公演終了後にお見送り会、トークショー(東京公演のみ)、サイン会(石垣公演のみ)などといった日替わりアフターイベントを実施。詳細はInformationから公式サイトをチェックしてください。


☆Information
GEKIIKE本公演第12回『漆黒ノ戰花-再演-』

◆東京公演
公演期間:2023年6月1日(木)~5日(月)
劇場:新宿村LIVE

◆石垣公演
公演期間:2023年6月16日(金)~18日(日)
劇場:石垣市民会館 中ホール

■タイムテーブル
・東京公演
6月
1日(木) 19:00
2日(金) 14:00/19:00
3日(土) 13:00/18:00
4日(日) 13:00/18:00
5日(月) 1400

・石垣公演
6月
16日(金) 19:00
17日(土) 13:00/18:00
18日(日) 12:00/17:00

演出:樋口夢祈
脚本:木村純子

■出演者
日向野祥 フクシノブキ
服部武雄 松村優 坂下陽春 堀田竜成
久野木貴士 掛川僚太 上地大星 坂本和基 染矢凌佑
今村輝 桐谷直希 佐松翔
海老澤健次 樋口夢祈
平田裕一郎 鷲尾昇

■チケット料金
(東京公演) 
前売 S席8,500円(前方)A席7,500円(前方サイド、後方)
当日S席9,000円 A席8,000円 全席指定

(石垣公演) 
大人6,500円 高校生6,000円 小中学生4,500円
※島民割 大人5,000円 高校生4,500円 小中学生3,000円
当日券+500円 全席自由 整理番号順入場

※開場は開演の30分前です。
※上演時間は約110分を予定しております。
※日替わりのアフターイベント(約15分~30分)を予定しております。
※未就学児童のご入場はご遠慮頂いております。

■チケット
・東京公演(カンフェティ)
http://confetti-web.com/gekiike_12

・石垣公演(スタービートウェブショップ)
http://starbeat.shop-pro.jp/
店頭販売:山田書店 ブックスきょうはん やいま店

【公式サイト】
https://www.gekiike.com/shikkoku2023

【GEKIIKE公式Twitter】
https://twitter.com/gekiike

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