運び屋役・蒼木陣×チンピラ役・長妻怜央×ハッカー役・廣野凌大が語る、舞台『アクダマドライブ』の魅力とは?3/10開幕直前インタビュー特集«前編≫

近未来の世界を舞台に、アクダマと呼ばれる個性豊かな犯罪者たちの物語を描いたオリジナルTVアニメ『アクダマドライブ』が舞台化! 舞台『アクダマドライブ』が、いよいよ2022年3月10日に東京公演より開幕を迎えます。

スマートボーイズでは今作でアクダマを演じるキャストから、運び屋役の蒼木 陣さん、チンピラ役の長妻怜央さん、ハッカー役の廣野凌大さんにインタビュー。過去にも共演歴があり仲良しな3人に、今作の魅力と意気込みをたっぷりと語っていただきました。
【前編】【後編】と大ボリュームでの特集から、本記事では【前編】をお届けいたします。
(左から)長妻怜央さん×蒼木陣さん×廣野凌大さんが登場!
舞台『アクダマドライブ』から、開幕直前の稽古場インタビューをお届け
ぴえろ・TooKyoGamesの原作にて、2020年10月~12月に放送されたTVアニメ『アクダマドライブ』は、己の生き方を貫く悪人たちの物語を、スタイリッシュな映像とともに描いた作品。
ストーリー原案はTooKyoGamesの代表であるシナリオライター・小高和剛氏、キャラクター原案はキャラクターデザイナー・小松崎類氏が手掛け、ゲーム『ダンガンロンパ』シリーズでもタッグを組んできた二人が再び集結。個性的なキャラクターとド派手なアクションシーン、そして濃密なストーリーは、国内だけでなく海外でも高い人気を博しました。

【イントロダクション】
全・員・悪・玉
犯罪者アクダマたちのクライムアクション開幕!

遙か昔、カントウとカンサイの間で戦争が起き、世界は分裂した。
カンサイはカントウの属国となり、独自の発展を遂げていった。
しかし、政治と警察力は衰退し、犯罪が横行。 その犯罪者を アクダマ と呼ぶ ―。

本作品の舞台となるのは、高度に発達しながらも歪んだ社会。
その中で、アクダマたちはいかにして自分らしくあろうとするのか。
一堂に会したアクダマたちの美学がぶつかり合う。
舞台『アクダマドライブ』メインビジュアル
その舞台化にあたり、演出は『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stageなど独創的な舞台を手掛ける新進気鋭の演出家、植木 豪さんが担当。
またキャストには、主演の一般人役に、アニメ『アクダマドライブ』でも同役の声優を務める黒沢ともよさん。一般人をとりまくアクダマたちには、運び屋役に蒼木 陣さん、チンピラ役に長妻怜央さん、医者役に吉川 友さん、ハッカー役に廣野凌大さん、喧嘩屋役に桜庭大翔さん、殺人鬼役に本田礼生さんと、実力と人気を兼ね揃えたメンバーが集結!
対する処刑課には、処刑課弟子役に星波さん、処刑課後輩役に佐久間貴生さん、そして処刑課師匠役には唐橋 充さんが登場し、アクダマ達との熱いバトルを繰り広げます。

■運び屋役 蒼木 陣さん×チンピラ役 長妻怜央さん×ハッカー役 廣野凌大さん
舞台『アクダマドライブ』特集 開幕直前インタビュー【前編】
――まずは舞台『アクダマドライブ』について、作品の内容やキャスト・スタッフを知って最初にどう思われましたか?

蒼木 陣(以下、蒼木) 僕はキャストの方々を見て、「なんてぴったりなキャスティングなんだ!」と、あと「このメンツだと、たくさん動くことになるんだろうな」と思いました。
アニメも見させていただいて、『アクダマドライブ』の近未来的な世界観に、植木 豪さんの演出はピッタリだなと思いましたし、この座組で舞台を作れることが嬉しくて、高揚感を覚えてすごくワクワクしました。

長妻怜央(以下、長妻) 僕もアニメを見て、作品自体や世界観が面白かったのはもちろんなんですけど、キャストも「一緒にやらせていただきたいな」と思う方々ばかりで!
陣くんや凌大と、これまでにも一緒にやらせてもらったことがある仲間もいてくれたし、初共演の方でも、例えば本田礼生くんは以前からお名前をよく聞いていて、僕とは「れお」で名前も同じだなって勝手に親近感を持っていたので(笑)、稽古がすごく楽しみでしたね。

廣野凌大(以下、廣野) 僕も出演が決まった時に、まずは豪さんの演出だと聞いて「あ、今回もカッコいいことになるんだろうな」ってすごくワクワクして。キャストも陣さん、怜央とか知り合いが多くて、知っている方と初めての方が半々くらいなんですけど、初めての方も色んなところでいい評判を聞く方ばかりだったので、あとは自分のことがしっかりとできればいいだけだなと、すごく信頼できる座組で楽しみだなと感じました。

運び屋役の蒼木 陣さん
チンピラ役の長妻怜央さん
ハッカー役の廣野凌大さん
長妻 あっ、僕はもう一つ言いたいことがありました! 一般人役の黒沢ともよさんを、最初は「アニメと同じ名前の人なのかな」って思っていたんです(笑)。

蒼木 あ~!

廣野 アニメの声優さんと、同姓同名の「黒沢ともよ」さんだと思ったんだ?(笑)

長妻 そう!(笑) そうしたらご本人だったので、これはすごく貴重な経験をさせていただけるなって。稽古が始まったら、アニメのお話もたくさん聞かせていただきたいなって思っていました。

蒼木 確かに。原作アニメに深く関わっている方が、舞台化のカンパニーにもいてくださる、というのはすごく貴重だよね。

廣野 なかなかないよね、本当に。僕たちにとって、心強い存在です!

――アニメをご覧になって、純粋に作品ファンとして楽しんだ点や、舞台で演じることを踏まえて気になった点など、どんな感想を持ちましたか?

蒼木 もう何周か見ているんですけど、一周目はただただ純粋に、自分が演じるのは抜きで楽しませてもらって。スピード感や、キャラクターの個性も突出している作品なので、最初はやっぱり「うわぁ~カッコいい!」「ずっとワクワクする作品だな」「アクションもカッコいいな」っていろんな感想が湧き出てきましたね。
でも、二周目からは自分が演じる、という視点でも見るようになって、「運び屋って、演じるのが難しそうだな」とも思いました。

――口数の少ない運び屋は、役作りのヒントが少ないキャラクターかもしれません。

蒼木 運び屋は無口で、あまり感情が外に放出されるタイプではなくて。けど、舞台で生身の人間が演じるからには、立っているだけになっちゃうともったいないというか、ちゃんとその瞬間、その瞬間で何かは持っているはずだし、その場に生きていなきゃいけない。
そう思うと、今の自分の力でこの役をどこまで表現できるかなと、ワクワク半分、不安半分みたいな状態でした。
長妻 僕はだいたいの作品を見るときに、めちゃくちゃ感情移入しちゃうんですね。その世界観に入り込んでしまうので、『アクダマドライブ』でも序盤の方は、アクダマたちが犯すことに「えっ、なんでそんなことするの!?」「みんな、悪いことしちゃダメだよ!」みたいな気持ちになっちゃって(笑)。

廣野 アハハ! 怜央は純粋だからね(笑)。

長妻 だって、普通の作品でなら悪役の、懲役900年とかの凶悪犯罪者たちにフィーチャーした作品だから、キャラクターによっては簡単に人を殺めたりするじゃないですか!
でも、そんな当たり前のように悪事をするキャラクターであっても、彼らを主観として見ているうちに、敵対する処刑課が悪いようにも見えてくるんですよ。それがすごく面白くて、正義側であるはずの処刑課の人たちが、視点によっては凶悪にも見える。何を大切にしているのか、どの視点から見るのかによって、世界の見え方って全く変わってくるんだな、と分からせてくれる作品だなと感じました。

廣野 僕も、どこか現実離れしている世界観の中でも、「どっちが悪で、どっちが正義か」というのは見る側に委ねられていて、捉え方の幅が広い作品だなと感じましたね。
人が生きていく上で「これは良い」「これは悪い」ってルールが決められていますけど、それは僕たちの視点からでしかなくて。きっとどこか、また別の視点からは違う基準になることもあるんだよな、と気付かされました。

長妻 あと登場人物についても、アニメだからキャラクターとして強調されている部分はあると思うんですけど、喧嘩屋の狂暴さだったり、チンピラのズルさだったり、そういうのって全部、誰しもが持っている部分で。それを誇張しているだけで、このキャラクターたちが持つものは、自分の中にも全部あるんじゃないかなって感じまし
――今作では「アクダマ」と呼ばれる犯罪者のうち、蒼木さんは運び屋、長妻さんはチンピラ、廣野さんはハッカーを演じます。ご自身と役柄で、重なる部分はありますか?

廣野 みんな、役にピッタリだよね。

蒼木 特に、凌大のハッカー役は本当にピッタリ! でも、怜央のチンピラ役はちょっと意外に思いました。

廣野 あっ、確かに! アニメだと三枚目な感じのチンピラを、怜央はどう演じるんだろうって思った。だって、怜央は圧倒的にカッコいいし、スタイルもいいじゃん!

長妻 いやいや!(笑)

蒼木 今日も、稽古場での衣裳合わせがあったんですけど、みんな口を揃えて「怜央がカッコいい!」「そのスタイル、羨ましい!」って言っていましたから。

廣野 でも、稽古で見ていると「やっぱり、さすが役者だな!」っていう。チンピラ役として、怜央の姿にものすごく説得力がありました。

蒼木 しかも怜央が演じることで、また愛されるチンピラになるだろうなって。

運び屋(蒼木 陣さん)キャラクタービジュアル
チンピラ(長妻怜央さん)キャラクタービジュアル
ハッカー(廣野凌大さん)キャラクタービジュアル
――長妻さんのスマートな外見でのチンピラ役には意外性もありますが、アクダマの中でもどこかに憎めないキャラクターは、長妻さんの愛されキャラ感にピッタリなのでは。

長妻 それは、自分でもそう思います(笑)。チンピラはアクダマたちの中ではワチャワチャした存在というか、最初はうるさくて「なんだこいつ?」みたいな感じだと思うんですけど、結構普通の感覚を持っているキャラクターでもあって。
例えば、お金の話でもほかのアクダマとは違って、「1億~ッ!?」って大金だと驚けるような、素直なヤツなんですよ。そういう部分でも僕とはかけ離れていないし、意外と役との共通点はたくさんあるんじゃないかなって思います。

蒼木 あとは怜央の、人なつっこさとかも共通点かもね。

――そんなチンピラに対して、冷静でいることが多い運び屋とハッカーは、あまり人間臭さが見えないキャラクターなのではないでしょうか?

廣野 でも、彼らにあまり人間臭さが感じられないのは、色々な葛藤があった上で、今の現実に冷めてしまっているだけで。最初から感情がない人間なんていないから、誰かに感情を揺り動かされることがあれば、気持ちも次第に溶けていくはずなんですよね。
この物語ではそんな部分も描かれていて、アクダマと呼ばれるくらいの悪者ではあるけれど、彼らがいびつな正義を見つけて、目的のために協力したり、時には裏切ったりと、関係を持っていく。アクダマ同士が干渉することで、彼ら本来の人間性も見えてくる、そこも大きな見どころになるんじゃないかなと思います。

蒼木 その中で、凌大がハッカーっていうのは、すごく合っていますよね。ハッカーの雰囲気にも、見た目も似ていますし。ゲームもめちゃくちゃ好きだし。

長妻 小生意気だし(笑)。

廣野 アハハ! 自分でも、どこか斜に構えている感じは似ているなって思います。
――では長妻さんと廣野さんから見て、蒼木さんが運び屋役というのはいかがですか?

廣野 いやもう、完璧ですよ!

長妻 まさに、「仕事を全うする男」って感じじゃないですか。陣くんなんて、それでしかないですから!

蒼木 「それでしかない」は、誉め言葉になってなくない?(笑)

長妻 でも、本当に仕事に対して真っ向から向き合っていて、必ず成功させるというか。

廣野 先輩だけど、完璧すぎてムカつきますもん。「なんでそんなに完璧にやろうとして、本当に完璧にやり遂げちゃうの?」「もうやめてくれよ!」って思うくらい(笑)。

蒼木 でも今日、稽古でセリフが出てこなかったよ(笑)。自分でもビックリしちゃいましたね、完全にセリフが飛んでしまって。こういうことって今までほとんどなくて、この現場で初めて体験したんですよ。

長妻 確かに、見たことないかも。

蒼木 僕は一般人役の黒沢さんとのシーンが多いんですが、稽古序盤は事前にイメージしていた運び屋を、自分の中で固めて、固めて演じていて。でも、黒沢さんは見ているお客さんに向けてというより、ただ目の前にいる相手に言葉を投げてくれるような、本当に魅力的なお芝居をしてくださっていて。そんな黒沢さんとの芝居を重ねるうちに、「運び屋も、もっと人間でいいんだ」「もっと自分でいいんだ」と思えたんです。
それで今日の稽古でも、黒沢さんのセリフをただただしっかりと聞いてみようと思って、ずっと聞いていたら……気付いたら、自分のセリフを忘れていましたね。
――稽古に集中するあまり、黒沢さんのお芝居に引き込まれて。

蒼木 そうなんです。それが失敗ではあっても、自分では新しい発見だったというか。今までとは違った感覚を味わっているようで、やっていて本当に楽しいです。

廣野 僕も今回は、不安に感じることがほとんどなくて。僕が演じるハッカーは単独行動の場面が多いので、稽古でもみんなのお芝居を眺めていられる時間が多いんですよ。
それで傍から見ていても、「この人たちには、何の心配もいらないな」って思えるし、稽古着の段階でも、皆がそれぞれのキャラクターに見えるんです。
この現場では、豪さんのやりたいことがすごく明確にあって、その土台の上でキャストも各々にやりたいことを考えてきているから、すごくハッキリと作品の世界が浮かんでくるんだろうなって。

蒼木 それ、凌大に聞きたかったんだよね。凌大はいつも俺たちのシーンを見てくれているから、どう見えているのかなって。

廣野 いつもだったら、自分が出ていないシーンは休憩しがちなんですけど、この作品はつい見に行っちゃうんですよね。
――では、長妻さんから見た稽古場の様子も聞かせていただけますか?

長妻 まず、豪さんの雰囲気作りがすごく素敵だなって。僕はピリピリしているのがあんまり好きじゃなくて……ピリピリしている方がいい、っていう人もあんまりいないか(笑)。
そういう空間は、やっぱりいいものを出しにくい、挑戦しにくい状況になっちゃうと思うんですけど、豪さんはみんなが挑戦しやすい環境にしてくれるんですよね。

蒼木 それは豪さんだけじゃなくて、キャスト全員がそうかもね。

長妻 うん。会話が止まっちゃうとか、ごまかしてなんとなくでやっちゃうことがないように、みんなが「こうしてみる?」「こうすればいいんじゃない?」って言い合えていて。キャストだけでも話し合いができる、すごく素敵な現場だなと思います。
それに舞台の魅力って、本番が始まったら完成じゃなくて、毎日さらに磨き上げて、大阪公演でも変化していけることだと思っていて。みんなとはこれからもしっかりとコミュニケーションを取っていきたいし、ゴールはまだまだここじゃないな、と思っています。

――お話を聞いていると、全体でのチーム感が強いカンパニーなんですね。

廣野 本当に、チームワークはすごくいいと思います! 舞台でよくあるのが、例えばアクダマはアクダマで、処刑課は処刑課で固まる、みたいな。作品によってはそれもいいと思うんですけど、今回は豪さんの人柄や雰囲気作りのおかげもあって、スタッフさんもいつも笑い合っていて……全員で作っている感覚が、ものすごく強いんですよね。

蒼木 結局、そこにいくよね。チームワークには、自信しかありません!

廣野 特にいいなと思うのが、誰かが噛んでも「フッ」ってバカにする笑いじゃなくて、「ちゃんとしろよ~!」って明るいツッコミが飛ぶ、みたいな。和気あいあいとしながらも、真剣にいいものを作っている、そのメリハリが素晴らしい! だからもう、この座組は「勝ち」です!!

インタビュー後編に続く】

舞台『アクダマドライブ』は、東京公演が2022年3月10日~3月21日まで品川プリンスホテル ステラボールにて、続いて大阪公演が2022年3月26日・3月27日にCOOL JAPAN PARK OSAKA WW ホールにて上演されます。
ほか公演詳細・最新情報は、下記のInformationより公式サイト、公式Twitterをご確認ください。

©ぴえろ・TooKyoGames/アクダマドライブ製作委員会
©舞台「アクダマドライブ」製作委員会

☆Information

■舞台「アクダマドライブ」

公演日程・会場:
【東京公演】
2022年3月10日(木)~3月21日(月・祝)
品川プリンスホテル ステラボール
【大阪公演】
2022年3月26日(土)・3月27日(日)
COOL JAPAN PARK OSAKA WW ホール

原作:ぴえろ・TooKyoGames
演出:植木 豪
脚本:白鳥雄介
音楽監督:田中マッシュ

テーマソング:
浦島坂田船「鈍色Wheels」
作詞:HIKARI 作曲:HIKARI、TAKAROT 編曲:TAKAROT

主催:舞台『アクダマドライブ』製作委員会

出演
一般人:黒沢ともよ
運び屋:蒼木陣
チンピラ:長妻怜央
医者:吉川 友
ハッカー:廣野凌大
喧嘩屋:桜庭大翔

処刑課弟子:星波
処刑課後輩:佐久間貴生

兄:中村琉葦・国井煌(Wキャスト)
妹:佐久間凛奈・神津優花(Wキャスト)

殺人鬼:本田礼生
処刑課師匠:唐橋充

処刑課FORCE:Toyotaka ・RYO ・HILOMU ・Dolton ・KENTA ・KIMUTAKU

チケット
料金:11,000円(全席指定/税込) 一般発売中
チケット好評発売中(先着)

【東京公演】
ローソンチケット:https://l-tike.com/akudama-drive/

【大阪公演】
ぴあ:https://w.pia.jp/t/akudama-drive/
ローソンチケット:https://l-tike.com/akudama-drive/
e+:https://eplus.jp/akudama-drive/

チケット・公演に関するお問い合わせ
【東京公演】
Mitt 03-6265-3201(平日12:00~17:00)

【大阪公演】
キョードーインフォメーション 0570-200-114(平日・土曜11:00〜16:00)

≪公式サイト≫
https://akudamadrive-stage.com/
≪公式Twitter≫
https://twitter.com/akudama_stage

関連News