馬場良馬「少しでも“演劇狂人”に近づけるように!」谷佳樹「生きろというメッセージが詰め込まれた作品」舞台『画狂人北斎』-2023-製作発表会レポートUP!主演・西岡德馬、演出・宮本亞門

東京プレビュー公演を皮切りに、2023年2月2日より全国13カ所・25回公演を上演する舞台『画狂人北斎』-2023-の製作発表会が、1月12日に北斎ゆかりの地「東京都墨田区」にある向島墨堤組合にて開催されました。
(左より)水谷あつしさん、馬場良馬さん、雛形あきこさん、西岡德馬さん、宮本亞門氏、谷佳樹さん、津村知与支さん
製作発表会には葛飾北斎役の西岡馬さん、北斎の娘・お栄役の雛形あきこさん、高井鴻山と柳川時太郎の2役を演じる馬場良馬さん、峰岸凛汰役の谷佳樹さん、長谷川南斗役の津村知与支さん、柳亭種彦役の水谷あつしさん、演出の宮本亜門氏が登壇、その模様をお届けいたします。

【舞台『画狂人北斎』とは】
江戸時代。葛飾北斎と娘・お栄の親子関係を軸に、それを取り巻く高井鴻山、柳亭種彦との人間模様。
そして現代。長谷川南斗と峰岸凜汰のそれぞれの北斎に対する思い、そして、葛藤。

江戸と現代を往き来する展開の中で、それぞれの時代を生きる6人の人間たちを通して、人生とは何なのか、人間とは何なのか。
「画狂人」と呼ばれる北斎の生きざまそのものが現代人に問います。他人を顧みず、自分勝手に画に向き合い、狂ったように画を描き続けた生き様。
現代人は思います。「どこかこんな生き方にあこがれないか?」

変人と評価され、当時ではあり得なかった90年という葛飾北斎の狂気の人生。
それを支えた娘・お栄。娘として、母として、味方として、敵として、画の同士として…。宮本亞門という演出家の目を通して表現されるこの親子の葛藤は常に「現代」に矢を放ちます。

有名高貴な画家という観点ではなく、そこら辺にいる変なおっさんというおもしろ目線でも北斎を捕らえ、お栄を始めとする北斎に圧倒的な影響を受けた江戸と現代の人間たちの人生模様。
あり得ない人生を全うした葛飾北斎が現代に問う人間感をお楽しみください!

【葛飾北斎とは】
江戸時代後期の浮世絵師。代表作には『富嶽三十六景』や『北斎漫画』があり、東京都墨田区、長野県小布施町がゆかりの地です。当時では考えられない90年に及ぶ人生を全うし、生涯に3万点を超える作品を発表した北斎。1人の絵師が描いたとは思えないほど画風の違いが見られ、画号の改変の多さ、数多くの引越し等の奇行でも知られるが、ヨーロッパの芸術家に大きな影響を与えた北斎は世界における評価が高いです。そして、その陰には娘のお栄の存在があったことは言うまでもありません。

【製作発表会レポート】
製作発表会の冒頭、向島墨堤組合の舞妓さんによる舞が披露されました!
■本作への意気込みについて
西岡馬さん
「最初にお話を頂いてから、宮本亞門さんが演出と聞いて、これならば大船に乗ったつもりでいけるだとうと。それなら私がタイトル通り狂人になって、いささか暴走はするかもしれないですけど、暴走老人北斎になるか、爆発老人北斎になるか(笑)。どんな老人になっていくか……。稽古中も走りすぎているので、亞門さんにたずなを引き締めてもらっているところです。芝居始めて55年の集大成を、北斎の70歳からの集大成と合致させて演じさせていただきます!」
雛形あきこさん
「葛飾北斎という人がどういう人かを調べていくうちに、不思議で魅力的な人というのを知ることができました。お栄も魅力的な女性なので、北斎さんをどう支えて、逆にどう振り回されたのかを魅力的に演じられたらと、日々考えております。たぶん異質な親子だったのかな。親子でもあり師弟でもあり……。不思議なんだけど、とても合致している関係性を魅力的に出せたらと思います」
馬場良馬さん
「葛飾北斎の孫の時太郎と、高井鴻山を演じさせていただきます。今絶賛お稽古しているんですが、僕は今回初めてこの作品に参加させていただいて、改めて葛飾北斎の生きたいというエネルギー、そして絵を描きたいというエネルギーに、僕たち江戸チームの人間は感化されて、振り回されます。そういう強いエネルギーは人に伝染していくと思うんです。僕たちで葛飾北斎の生きるエネルギーをたくさん作って、今の世の中の、舞台を見ていただく皆様の生きるエネルギーとして伝染できるよう、必死に稽古しています。ぜひたくさんの方に見ていただけたら嬉しいです」
谷佳樹さん
「プロデューサーの難波(利幸)さんとたくさんお話させていただいたんですけど、本当にすごいキャストの方々が集まる中に谷を放り込むぞと言っていただいて。それをガストというレストランで一対一で話させてもらったんですけど(笑)、身が引き締まる思いでした。年が明けるとすぐ稽古が始まるということで、緊張していましたけど、今日の楽屋でも皆さん和気藹々とすごくマイペースな方々が集まっていて。笑顔の絶えない現場です。亞門さんの演出のもと、これからもっと作品に磨きがかかっていくと思います。本番ぜひぜひ楽しみにしていただけたらと思います」
津村知与支さん
「北斎研究家の長谷川南斗を演じさせていただきます。この役、初演の2019年、2021年の再演、そして今回が3度目の出演になります。初演のときはまだ独身でして。私的な話で恐縮ですが、そのとき付き合っていた今の奥さんがちょうど妊娠しまして。当時の最後の公演が終わったその足で、奥さんの実家に挨拶に行くという人生の節目の公演だったので、とてもよく覚えています。そして2023年、今回また出演させていただくんですが、お陰様で二児の父となりました! 父親として、今のすべてをぶつけて公演に向かって頑張りたいと思います‼」
水谷あつしさん
「私も初演から出演し、3回目となります。今回はすべてが新しくなっていて、台本も令和5年版ということで亞門さんも攻めた脚本になっています。毎日の稽古でアップデートしております。馬さんの北斎の存在感と人間性に圧倒されておりまして、新しい『画狂人北斎』が生まれると思っています」
宮本亞門氏
「徳馬さん、歳を重ねて面白くなってきてるんじゃないですか?と思って、今回お願いして。もう北斎そのものです! どこまで私がたずなを締めることができるか(笑)。北斎は90歳になるまで、まだ足りない、まだ足りないと名前やスタイルを変えながら絵を描いて。年齢なんか関係ないというエネルギーを多くの方に見てもらいたいです!」

■観客視点に近い現代人の役を演じる津山さんと谷さんは、北斎の魅力をどう伝える?
谷さん
「僕が演じる凛汰は画家志望でコンテストでも1位をとった設定。でも、凛汰は北斎に関してはうとくて。僕も正直、北斎のことは名前と『神奈川沖浪裏』といった代表的な作品しか知らなかったんです。もしかしたら僕と同じように、学校で習う絵だけを知ってる方が大半なんじゃないかというイメージもありまして。なので僕と一緒に北斎がどんな人だったか、現代と江戸時代を行き来しながら知っていける作品なので、僕はお客さんに寄り添っていけたらと思います」

津村さん
「僕は北斎研究家の役ですが、谷くん演じる画家の凛汰とは全く解釈が違っていて、長谷川が一貫して思ってるのは、北斎は計算に計算を重ねて描いていたんじゃないかということ。凛汰はそうじゃなくて、心から湧き出る何か、エナジーがあって描いたんじゃないかと主張していて。実際のことは正直わからないですけど、たどりつけない深みが北斎の絵にはあると思うので、そこが今回の見どころの1つにもなっていると思います」

■最後の挨拶(馬場さん、谷さん、西岡さん抜粋)
馬場さん
「演劇狂人と言われる宮本亞門先生の演出のもと、西岡馬さんを始めとする演劇狂人たちとともにお稽古している毎日が楽しいです! 僕も少しでも狂人に近づけるように一生懸命お稽古して、この作品の魅力を、そして葛飾北斎という人間の魅力をお届けできたらいいなと思います!」

谷さん
「生きろというメッセージが詰め込まれた作品になっています。僕自身、人生は有限ということを日々心がけているんですが、生きろってシンプルな言葉はまっすぐ届くなと思っております。この舞台を通して、たくさんの方に伝わるように一生懸命演じます」

西岡さん
「人間は限りある命が燃え尽きるまで、まだくすぶっているものがあるかもしれない方々が、まだまだできるんじゃないか?まだやってみようというようなことを思って今後生きていただけるような作品を作りたいです。たくさんの方に足を運んでいただければと思います」


舞台『画狂人北斎』-2023-は、2月2日より東京墨田区・プレビュー公演が開幕。さらに2月8日より札幌公演がスタートし、全国13カ所・25回公演が行われます。公演詳細は、Informationより公式サイトをご確認ください。

★Information
舞台『画狂人北斎』-2023-
演出:宮本亞門
脚本:池谷雅夫

出演:
葛飾北斎:西岡
お栄:雛形あきこ
高井鴻山/柳川時太郎:馬場良馬
峰岸凛汰:谷佳樹
長谷川南斗:津村知与支
柳亭種彦:水谷あつし

日程:
■東京墨田区・プレビュー公演
2023年2月2日(木)~3日(金)@曳舟文化センター
チケット:8,500(税込・全席指定)
■札幌公演
2023年2月8日(水)@カナモトホール(札幌市民ホール)
■京都公演
2023年2月12日(日)@ロームシアター京都サウスホール
■広島公演
2023年2月15日(水)@JMSアステールプラザ 中ホール
■石川・金沢公演
2023年2月22日(水)~2月23日(木・祝)@北國新聞赤羽ホール
■大阪・枚方公演
2023年2月25日(土)@枚方市総合文化芸術センター 小ホール
■大阪・池田公演
2023年2月28日(火)@池田市民文化会館(アゼリアホール)
■大阪・吹田公演
2023年3月2日(木)@吹田市文化会館(メイシアター)
■鹿児島公演
2023年3月5日(日)@霧島市民会館
■福岡公演
2023年3月7日(火)@ももちパレス(福岡県立ももち文化センター)
■秋田公演
2023年3月11日(土)@あきた芸術劇場ミルハス
■長野・小布施公演
2023年3月18日(土)@小布施街北斎ホール

■東京凱旋公演
2023年3月22日(水)~26日(日)@紀伊國屋ホール
チケット:8500円(税込・全席指定)

※各地公演のチケット情報は下記の公式サイトをご確認ください。

《公式サイト》
https://no-4.biz/hokusai2023/

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