校條拳太朗&杉江大志のリフレッシュ方法は?「この作品で、人生をより濃くしてほしい」と見どころトークも、舞台「WORLD ~Run for the Sun~」インタビュー特集【後編】

校條拳太朗さんが主演を務め、杉江大志さん、佐々木優佳里さん(AKB48)らが出演する舞台「WORLD ~Run for the Sun~」が、2022年9月3日から東京・こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロにて上演されます。

2021年に上演された舞台「WORLD ~Change The Sky~」の続編となる今作から、スマートボーイズでは校條さん×杉江さんにインタビュー! 復讐のために連続殺人という凶行に及ぶ主人公と、殺人教唆を行っていた幼なじみという難役に挑んだお二人に、今作への意気込みをたっぷりと語っていただきました。
前編・後編の2日連続更新から、本記事では後編をお届けいたします。(インタビュー前編はこちら)
■舞台「WORLD ~Run for the Sun~」開幕直前インタビュー
【インタビュー後編】
――お二人は前作「WORLD ~Change The Sky~」の上演時から、物語に続編があることや、今後の彼らがどうなっていくのかはご存知でしたか?

校條拳太朗(以下、校條) いえ、僕たちも知らなかったです。だから今回の台本を読んで、僕自身も龍司に対して、「えっ、そうなの?」って思う部分が結構あったんですよ。

杉江大志(以下、杉江) 今回の展開を先に知っていたら、前作での役作りは全然違うものになっていた気がしますね。
■校條拳太朗さん
三上龍司(みかみ りゅうじ) 役:連続殺人犯。19年前の奥多摩孤児院殺人事件の犯人「柳原警視監」への復讐計画を現在も遂行中。

■杉江大志さん
相沢顕示(あいざわ けんじ) 役:龍司と同じ奥多摩の施設で過ごしていた。1年前「殺人教唆」の罪で逮捕、現在服役中。

――今作は、龍司は逃亡中、顕示は服役中という状況から始まりますが、どのような姿が描かれていくのでしょうか?

校條 前作での龍司は、復讐という目的に対しては絶対にブレないものを持っていたんですけど、龍司自身も環境が変わって、だんだんと目的を見失ってしまったりして……“復讐は本当に生きる意味だったのか”、“自分に言い聞かせているだけだったんじゃないのか”と悩む描写もあるぐらいで。そうすると、前作での龍司もまた違って見えてきたんですよね。

――今回新たに描かれる場面から、前作での龍司の心情が分かることもある、と。

校條 前作での龍司は、復讐に対する迷いは一切ないと思っていたけど、そうではなかったのかもしれない。今回は前作ほど、龍司が分かりやすく復讐に動いたりすることもないので、行動自体を描くというよりは、人の変わっていく姿だったり、不確かなものの中で生きている人間像がより濃く描かれた作品になっていくと思います。
――顕示も服役中ということで、行動は少ないキャラクターになるのでは。今作では、どんな部分を見ていただきたいですか?

杉江 確かに行動ができない分、やっぱり思考する姿というか、顕示は自分自身を見つめていく描写が多くなると思います。
僕は結構、この作品の中でも一番人間らしい役柄なだけに、お客様の心に届けたい部分は顕示が担っているんじゃないかなと思っていて。今回は環境面での大きな変化がない分、顕示の気持ちや考え方、一歩の踏み出し方みたいなもので、観客の皆さんに対しても、この作品を通して考えてほしいことの順番や道筋を案内する役割があるのかな、と思っています。

校條 ああ、確かに。

杉江 この作品は一言で表せないような、人間の深いところを描いているじゃないですか? でも、規模が大きすぎることを考えると、人って思考停止すると思うんです。そこを、顕示が順番に物事を考えていくことによって、観客の皆さんも思考が整っていくというか。
……説明が難しいんですけど、皆さんにちゃんと伝えられているのかな?(笑)

校條 うん、難しいよね。僕たちが明確に、「こうです」と説明できる作品ではないんです。ただ、皆さんに考える機会を与える作品ではあって、顕示は特にその役割かも。

杉江 だから僕は、顕示の思考や、気持ちの変化みたいなところを、今回は丁寧に演じていきたいと思っていて。そこはやっぱり、見どころにもしてほしいなと思います!
――今作ではメインキャストを務める校條さん、杉江さん、佐々木優佳里さんをはじめ、前作からの続投キャストが多くいらっしゃいますよね。多くのキャストが再集結できた、カンパニーの顔ぶれはいかがですか?

杉江 この作品において、続投キャストが揃うのは大事なことだったと思うんです。どの役も多分、演じる人によって全然違うキャラクターになっていくと思うので、一貫して演じる意味がある作品ですし、もし前作で僕らの役を別の方が演じていたら、今回は演じるのが大変だっただろうな、って(笑)。
続投できる方が多くて環境的にはすごくありがたいですし、そこに新たな登場人物も加わるので、また面白い変化があるのかな、と楽しみにしています。

校條 大志と同じで、僕もこの作品を演じる上では、一人変わるとだいぶ変わる、っていうのはすごく感じますね。それから僕は、個人的にも人見知りがありますので(笑)。

杉江 彼は、なかなかの人見知りを患っております(笑)。

校條 初対面の方とは、慣れるまでが大変でして……でも今回は、すでにご一緒した方々に囲まれているのでハッピーです!(笑) そこで一つ前向きな気持ちになれていますし、前作での皆さんを知っていることで、より一層お芝居もやりやすくなっているはず。

杉江 関係性ができているキャストが多い分、稽古にもより集中できると思います!
――テーマとしては重たい部分もある作品ですが、前作での稽古場など、カンパニーの皆さんとはどんな風に過ごされていましたか?

校條 作品の世界観に釣られて、稽古場もずっと暗い、ということはないですが(笑)。やっぱりコメディー色のある作品だと、稽古でもその場面でドッと笑いが起きたりするんですけど、この作品では笑いが起きる芝居は基本的にないので、ほかの作品のように終始明るい雰囲気で、ということではなかったですね。
でも、座組としては金山一彦さん(国立周蔵 役)がみんなを賑やかにしてくださいました!

杉江 確かに、金山さんが一番のムードメーカーでしたね! 若手の誰よりも、少年っぽかったです(笑)。

校條 ただコロナ対策で、現場には各シーンに必要な方だけが来るようにスケジュールも組まれていたので、シーンが違うキャストの方にはなかなか会えなかったんですよ。

杉江 あと前作で印象的だったのは、稽古が丁寧だったこと。一度シーンをやってみると、(脚本・演出の)菅野臣太朗さんが「もっとこうしたいんだよね」という意見を下さって、そこからまたキャスト同士でも擦り合わせて。
普通の稽古に比べて、各シーンを演じる時間と、その後に話す時間をたっぷりと取ってくださっていたので、すごく作品と向き合える稽古場だったなと思いますね。
――こうした難しい作品を演じる時には、プライベートとの気持ちの切り替えも重要なのでは。気持ちを切り替えたい時や、なにか落ち込んでしまった時に、お二人がしているリフレッシュ方法はありますか?

杉江 しんどいときはね、昔からコレです! イヤなことがあったら、いっぱい寝る!

校條 一緒、一緒!!

杉江 実際、人って心身に負荷がかかると、眠くなるみたいですよ。まあ、疲れたら眠いですもんね(笑)。

校條 僕も、何かあった時には「あれ、イヤだったな」とか「どうすればよかったんだろう」とか色々考えちゃうから、考えるのをやめるために寝ます(笑)。一旦寝て、次の日になったら忘れている……か、思い出しても気持ちは少し落ち着いている気がするし。

杉江 落ち込んだ時に「うわ~」って考え込んだところで、何も出てこないですからね。でも、それでも考えちゃうときは、お酒を飲んで、コテッと寝る!(笑) それで10時間くらい寝たら、リフレッシュ完了です。

校條 お酒を飲んで寝たら、翌日はそれどころじゃなくなってるかもしれない。「イテテテ、頭イテェ!」みたいな(笑)。

杉江 それもある(笑)。でも、僕は寝たらだいたいスッキリしちゃいますね。皆さんも、睡眠は大切にしてください!
――それでは最後に、公演を楽しみにされている皆さんにメッセージをお願いいたします。

校條 僕もこの作品については、上手く話せているか分からないんですが……。僕たちは法や常識に守られてしまっていて、その外にはなかなか出られない。それが日本という世の中だし、何が真実かなんてことも、「ニュースで言ってたから」とか「みんなが言ってたから」ということで決まってしまう。でも、この作品はそういうものを覆すような、なにかを考えさせる作品になっています。
観る人によって、それぞれが生きてきた人生や、記憶だったりと照らし合わせて、感じることも違ってくると思います。ただ、この作品を観たことが、いつもは意識していなかったこと、自分の人生を彩っているものに対して、目を向けるきっかけになってくれたら嬉しいなと思います。

杉江 この作品から受け取っていただくメッセージは、シンプルでも、複雑でも、何でもいいんです。きっと一番は、“自分の頭で考えることを、やめないで欲しい”ということなので。
世の中には僕らが見ていなかったりするだけで、考えるべきことはたくさんあって……そういうことを今一度考えるきっかけになってほしいなって思うし、みんなが蓋をしてきたことをちょっとずつ開けたら、それだけでも自分たちが生きている世の中は、少し良くなっていくはず。
例えば自分が正しいと思っていることでも、もう少し深堀りして、「この正しいと思っていることは、何で正しいんだろう」なんて、考えてもらえたら。その考えが結果的には変わらなかったとしても、“生きていく”っていうことが今よりちょっと濃くなるんじゃないかな。この作品を見て、皆さんも人生をより濃くしてください!
(インタビュー 完)

【作品紹介】
シリーズ上演されている舞台「WORLD」とは、2013年に初演、2016年に再演、そして昨年2021年に再々演されたジェットコースターサスペンス。
その最新作として上演される舞台「WORLD ~Run for the Sun~」は、昨年上演された「WORLD ~Change The Sky~」の続編となっており、前作に引き続き校條拳太朗さんと杉江大志さん、佐々木優佳里さん(AKB48)がメインキャストを務めるほか、今作ではフクシノブキさん、田中尚輝さんなど新キャストも参加。
「WORLDシリーズ」初演から続投となる田中稔彦さん、金山一彦さんも出演し、山木 透さん、柏木佑介さんも前作より引き続き登場します。

舞台「WORLD ~Run for the Sun~」メインビジュアル
2021年の東京を舞台にした前作では、2003年に奥多摩の孤児院で女性保育士が殺された事件から、その復讐として事件が起きた孤児院で育った男・三上龍司(演・校條拳太朗さん)が、事件関係者を狙い連続殺人の実行に動きだす……という物語が展開。
強い復讐心から凶行に及んでいく龍司、龍司と同じ孤児院で育ち、新婚の妻と暮らす男・相沢顕示(演・杉江大志さん)、奥多摩の孤児院で殺害された保育士の妹で、事件の真相を追う飯島久留美(演・佐々木優佳里さん)という3名を中心に、過去の事件関係者や、龍司の行方と事件の背景にある真相を追う刑事や雑誌記者たち、登場人物それぞれの思惑や生き様が交錯する群像劇ともなっており、観客にも多くの思考を迫る衝撃作となりました。

そして今作「WORLD ~Run for the Sun~」では、前作のラストから1年後が経過。
復讐を遂げきることができずに、警察から逃亡した三上龍司。龍司に対する「殺人教唆」の罪で逮捕され、現在服役中の相沢顕示。1年前に龍司と出会い、行動を共にしたことで共犯として逮捕された飯島久留美。ほか前作にも登場した面々や新たな登場人物も加わり、それぞれの今の姿が描かれていきます。

「WORLD ~Run for the Sun~」は、2022年9月3日~9月11日まで東京・こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロにて全11公演が上演されます。チケット情報などの公演詳細・最新情報は、下記のInformationより公式サイトをご確認ください。

☆Information
【公演概要】
「WORLD ~Run for the Sun~」


公演日時:2022年9月3日(土)~9月11日(日)全11公演
会場:こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ

■キャスト
校條拳太朗 杉江大志 佐々木優佳里(AKB48)
田中稔彦 小笠原 健 フクシノブキ
山木 透 柏木佑介 田中尚輝 武田知大 川口直人 川名浩介

柴 小聖 赤石ノブ 水野花梨 加藤大騎 谷口千明

斉藤レイ

水谷あつし 鬼束道歩 藤原習作

金山一彦  他

■スタッフ
脚本:菅野臣太朗
演出:橋本昭博
音楽:野田浩平
企画:古河 聰
主催:舞台「WORLD」製作委員会( Ask /サンライズプロモーション東京)
こくみん共済coop ホール/スペース・ゼロ 提携公演

■チケット 一般販売中
前売り:9,800円(全席指定/税込)
当日券:10,300円(全席指定/税込)
特典付きチケット:11,800円(税込)(パンフレット付き)
※全席指定席チケットと特典付きチケットは、座席の優劣はございません。

■お問い合わせ
サンライズプロモーション東京:0570-00-3337 (平日 12:00~15:00)

【あらすじ】
「私が憎んだその人は、世界で一番生きてほしい人でした…」

一年前。私は二人の男を殺しました。
その罪で一度は警察に捕まったのですが、私は未だに逃亡生活を続けています。
私が本当に殺したかったのは、彼らではありません。
私が本当に殺したかったのは、貴方の命を奪ったあの男です。
その思いは変わりません。

そして、遂にその時がやって来ました。

楓先生、私は今…横須賀に居ます。

≪公式サイト≫
http://world-the-stage.com/
≪公式ツイッター≫
https://twitter.com/WORLDSTAGE_info
ハッシュタグ #WORLD2022

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