三浦宏規「3人で力を合わせて、マリウス役をしっかり務めたい」山田健登「この作品に出会えたことに感謝」中桐聖弥「自分らしいマリウスを」12月開幕、帝劇クロージング公演となるミュージカル『レ・ミゼラブル』制作発表レポートUP!全国6都市をツアー

2024年12月に帝劇クロージング公演として開幕するミュージカル『レ・ミゼラブル』の製作発表が、10月16日に東京・帝国劇場にて開催されました。
原作は、フランス文学の巨匠ヴィクトル・ユゴーが自身の体験を基に、19世紀初頭のフランスの動乱期を舞台に当時の社会情勢や民衆の生活を克明に描いた大河小説です。本作はその原作の持つ、「無知と貧困」「愛と信念」「革命と正義」「誇りと尊厳」といったエッセンスが、余すことなくミュージカルに注ぎ込まれている傑作として知られています。
1985年のロンドン初演を皮切りに、1987年の日本初演以来、愛され続けてきたミュージカル『レ・ミゼラブル』。今回は2024年12月の帝劇クロージング公演を皮切りに、2025年3月には大阪・梅田芸術劇場メインホール、4月には福岡・博多座、5月には長野・まつもと市民芸術館、5-6月には北海道・札幌文化芸術劇場hitaru、6月には群馬・高崎芸術劇場にて、日本全国6大都市ツアー公演が日本を駆け巡ります。
製作発表には――
ジャン・バルジャン役:吉原光夫さん、佐藤隆紀さん、飯田洋輔さん
ジャベール役:伊礼彼方いれいかなたさん、小野田龍之介さん、石井一彰さん
ファンテーヌ役:昆 夏美さん、生田絵梨花さん、木下晴香さん
エポニーヌ役:屋比久知奈やびくともなさん、清水美依紗しみずみいしゃさん、ルミーナさん
マリウス役:三浦宏規ひろきさん、山田健登けんとさん、中桐聖弥せいやさん
コゼット役:加藤梨里香さん、敷村珠夕しきむらみゆうさん、水江萌々子さん
テナルディエ役:駒田 一さん、斎藤 司さん、六角精児さん、染谷洸太さん
マダム・テナルディエ役:森 公美子さん、樹里咲穂じゅりさきほさん、谷口ゆうなさん
アンジョルラス役:木内きのうち健人さん、小林 ゆいさん、岩橋 大さん
――に加え、アンサンブルキャスト47名、総勢75名が登壇しました。

スマートボーイズでは製作発表の模様をお届けいたします。

【制作発表レポート】
■歌唱披露
 ジャン・バルジャン役:飯田洋輔さんによる「独白」からスタート。力強い歌声で魅了しました。
ジャン・バルジャン役:飯田洋輔
ファンテーヌ役の昆 夏美さん、生田絵梨花さん、木下晴香さんによる「夢やぶれて」。通常は同キャストで一緒に歌われることはないため、製作発表限定の貴重なコラボとなりました。
ファンテーヌ役:昆 夏美、生田絵梨花、木下晴香
昆 夏美
生田絵梨花
木下晴香
アンジョルラス役の小林 唯さんと、アンサンブルのみなさんで「民衆の歌」を披露。
アンジョルラス役:小林 唯&男女アンサンブル
小林 唯
エポニーヌ役の清水美依紗さん、ルミーナさんによる「オン・マイ・オウン」。こちらも製作発表限定のコラボ。お二人の高い歌唱力と表現力で一気に作品の世界へ。会場を魅了し、中には涙するお客さんも。
エポニーヌ役:清水美依紗、ルミーナ
清水美依紗
ルミーナ
歌唱披露最後はオールキャストによる「ワン・デイ・モア」。素晴らしいハーモニーで作品への期待が高まります!
ジャン・バルジャン役:佐藤隆紀(ソロパート歌唱)
ジャベール役:小野田龍之介(ソロパート歌唱)
エポニーヌ役:ルミーナ(ソロパート歌唱)
マリウス役:山田健登(ソロパート歌唱)
ジャン・バルジャン役:飯田洋輔(左)・佐藤隆紀(中央)・吉原光夫(右)
マリウス役:中桐聖弥(左)・山田健登(中央)・三浦宏規(右)
■各キャストによる挨拶

◻︎ジャン・バルジャン役
吉原光夫さん
僕も(先ほどの)飯田くんと同じで、2011年この帝国劇場で、『Endless SHOCK』の舞台セットがある前で「独白」を歌わされまして(笑)。その時にトラウマのように、この劇場が嫌いで嫌いでしょうがなくなりました。こっちに来るとわかるんですけど、宇宙に飲み込まれてるみたいに広大で、奥行きがないように見えるんですね。『レ・ミゼラブル』も好きな作品なんですけど、やる度に怖くて、辛くて、苦しくて、またもう1回やるんだなって。でも、それぐらい自分の人生と『レ・ミゼラブル』がすごく密接なんだなと。14年目で、この大嫌いな劇場と一緒に幕を閉じれるっていうことも、なにか意味のあることなんだなと思って、今ずっとこの劇場を眺めていました。(こんなことを言いながらも)多分、大好きなんですが、この劇場にはいろんな思いや、いろんな人たちの声や影がいっぱいあると思うので、今回はそれと一緒に手を携えて、仲直りをして、楽しく終えられたらいいなと思っています。よろしくお願いします。
佐藤隆紀さん
今回で3回目の出演になるんですけれども、携わる度に、出演する度に、自分を成長させてくれる作品だなと本当にありがたく感じております。前回は(コロナ禍で)中止になってしまった公演もあったので、今回大阪、福岡、長野、北海道、群馬と回っていきますので、前回見逃してしまった方、そして初めて見る方にも、熱い公演をお届けしていきたいと思います。そして今回は帝国劇場のクロージング公演ということで、このスペシャルでメモリアルなこのステージに立てることを本当に誇りに思います。そしてそれ以上に、来てくださったお客様の人生にとって、メモリアルな公演だったなと思っていただけるような公演を1公演1公演、魂を込めてお届けしていきたいと思いますので、ぜひ劇場の方に足を運んでいただきたいと思います。今年も『レ・ミゼラブル』よろしくお願いいたします。
飯田洋輔さん
今回歌稽古を進めるにあたって、誰一人手を抜かずに稽古して、まっすぐ作品に向き合う姿を目の当たりにして、身の引き締まる思いで、ゼロからジャン・バルジャンとこれから半年以上向き合っていきたいなって思いました。この役とご縁をいただいて、作品と台本、言葉を信じて、自分らしいジャン・バルジャンを演じていけたらと思っております。最後まで応援よろしくお願いします。

◻︎ジャベール役
伊礼彼方さん
3年ぶり3度目のジャベールを演じさせていただきます。この2年間ちょっと派手なポップスの世界にいまして、久しぶりにこの『レ・ミゼラブル』の歌稽古に参加したら、自分の声帯とか筋肉が通用しないというか、全く違う使い方をしてきたんだなっていうのを目の当たりにしました。格闘技で言うと、軽量級からヘビー級に挑戦してるような、この『レ・ミゼラブル』や『ミス・サイゴン』は異次元なミュージカルだなと思います。いろんなミュージカルがある中で、特別な作品だなと思っております。また3年前の稽古を思い出して、新しいジャベールを皆様にお見せできるように頑張ります。よろしくお願いいたします。
小野田龍之介さん
前回の公演まではアンジョルラス役を務めさせていただいて、やればやるほどこの作品の大きすぎる存在に毎回圧倒されるんです。俳優にとってこの偉大な作品に、ジャベールというこれまで取り組んだものとは全く違う角度から、この物語に身を委ねることができて、非常に興奮していると同時に、身が引き締まる思いであります。1個ずつ丁寧に作ってまいりたいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。
石井一彰さん
個人的には、16年ぶりにこの作品にもう一度立つことができて、本当に光栄に思っております。素晴らしいキャストの皆様のために、支えてくれるスタッフの皆様のために、そしてお客様のために、誠実にジャベールを演じていきたいと思いますので、ぜひ応援よろしくお願いします。

◻︎ファンテーヌ役
昆夏美さん
私はエポニーヌ役でこの作品に出演させていただいていたので、ファンテーヌ役として自己紹介するのがまだ不思議で、感慨深い気持ちです。1つの作品に、違う役で出演することも初めてなので、どんなふうなんだろうなっていうワクワク感と、それが大好きな『レ・ミゼラブル』で本当に嬉しいなと思っています。3人で一緒にファンテーヌを作っていけたらなと思います。
生田絵梨花さん
私はコゼット、エポニーヌに続いて3役目の新しい挑戦をさせていただきます。初めて帝劇に立ったのがコゼットの時でしたので、今回クロージング公演ということで、ファンテーヌとしてしっかり踏みしめていきたいなと思っております。
木下晴香さん
私は『レ・ミゼラブル』初参加で、いつか携われるように頑張ろうと思っていたので、今回ご縁があってとても嬉しく思います。合格の連絡をいただいた時に、自分ってこんなに『レ・ミゼラブル』の世界で生きてみたかったんだっていうことを改めて強く感じました。ファンテーヌの壮絶な人生に覚悟を持って飛び込んでいきたいと思います。そして、この作品の時代を、現帝劇とそして地方公演でしっかり生きていけるように精進してまいります。

◻︎エポニーヌ役
屋比久知奈さん
今回3回目の参加なんですけど、1回目は本当に必死な状態で、2回目は1回目を経て"自分に何ができるかな?"って色々考えながら臨んだ日々でした。今回は初心に戻って、まっさらな状態で、改めてエポニーヌという役に向き合いながら、臨ませていただきたいなと思っています。新しいエポニーヌの2人にたくさん刺激をもらいながら、精一杯作品の一部として生きたいと思います。
清水美依紗さん
今回初参加なので本当にドキドキしているんですけども、歴史の長いこの作品に関わることができてすごく嬉しいです。精一杯演じさせていただきます。
ルミーナさん
帝国劇場のラストに、この大好きな作品でエポニーヌとして素敵な先輩方とご一緒できてとても光栄でございます。精一杯頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。

◻︎マリウス役
三浦宏規さん
僕は今回3回目の出演になるんですが、初出演の時は10代で、お兄さんたちに必死についていっていたのですが、気づけば(マリウス役の3人の中では)1番上になってしまいました。その時に先輩方に色々教えていただいた時のように、僕も何か教えられたらいいなと思います。僕も(山田健登・中桐聖弥の)お2人からすごくたくさんのことを学ばさせていただきたいですし、3人で力を合わせてマリウスという役を作って、現帝劇最後の『レ・ミゼラブル』公演をしっかり務めたいなと思っています。
山田健登さん
この作品に出会えたことに感謝して、謙虚に誠実に向き合っていきたいなと思いますので、最後まで応援のほどよろしくお願いします。
中桐聖弥さん
こうして『レ・ミゼラブル』という素晴らしい舞台に立てることをすごく幸せに思っております。稽古も進んでいまして、先輩方や仲間たちと一緒に稽古に励んで、刺激を受けて、このカンパニーに入れたことをすごいありがたいなと思っております。まだまだ不安なこともありますが、どんどん挑戦して、中桐聖弥らしいマリウスを演じれたらと思っております。

◻︎コゼット役
加藤梨里香さん
今回2度目のコゼットへの挑戦となります。改めて1番緊張する作品だなと実感しています。また1からコゼットと向き合って、そしてコゼット役のお2人と一緒に手を取り合い、支え合い、コゼットを精一杯努めていきたいと思います。
敷村珠夕さん
前回に引き続き、コゼットとしてまた『レ・ミゼラブル』の世界で生きられることが本当に嬉しいです。この歴史ある素晴らしい作品の一部となれますよう、しっかりとお稽古と向き合ってまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
水江萌々子さん
今回ミュージカル初出演となるので、すごく緊張してるんですけれども、稽古を重ねる中で、コゼットは本当に愛に溢れた女性だなと思っていて。私自身もここに至るまでたくさんの方からの愛をいただいたので、その愛を糧に作品の中でコゼットとして生きていければなと思っております。どうぞよろしくお願いします。

◻︎テナルディエ役
駒田一さん
2003年から21年出演させていただいております。帝国劇場に出させていただいてもう30年、いろんな歴史があります。いろんな思いとか経験をしながら成長させていただいた劇場です。今日楽曲を聴いて、みんなの歌声を聴いてたらちょっと涙が出てきて、やっぱり素敵な作品なんだなと思います。キャストだけで80何人いて、スタッフを入れたら何百人いるカンパニーです。最後まで怪我や事故のないように、そして何よりもたくさんのお客様の応援があっての作品だと思いますので、最後まで一緒に盛り上げていきたいと思います。
斎藤司さん
私も気づけば3回目ということ、自分のその環境・状況によって、この作品の受け止め方・感じ方が変わってくるなと感じてます。そして六角くんと染谷くん、2人の後輩を指導していかなければいけないと思いまして、今回はパワーアップしまして、横隔膜を4枚ほど増やしました(笑)。ですので非常にパワフルな声量で立ち向かいたいと思います。
六角精児さん
僕は2回目の出演になるんですけども、前回は色々な事情でなかなかステージを踏むことができなくて、よく考えてみたら何をやっていたのかほとんど覚えていないんです。なので、個人的にもお客さんの記憶にも残るような舞台にしたいという気持ちで、斎藤さんについていきたいなと思っております(笑)。
染谷洸太さん
僕は2017年、19年にアンサンブルとして出演させていただいて以来、またこの作品に帰ってくることができて、とても嬉しく感謝の気持ちでいっぱいです。このテナルディエという役は、20代の頃からいつか演じてみたいと思い続けてきた役です。今回初挑戦になりますが、尊敬する先輩方からたくさん学ばせていただきながら、自分らしく楽しみながら全うして、そして……斎藤さんについていきたいと思います(笑)。

◻︎マダム・テナルディエ役
森 公美子さん
またいるのかと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?(笑) 1997年より同じ役を27年間やらせていただいておりまして、前回が引退だと思って、これで終わるんだとうるうるしたものもあったんですけど、また(オーディションで)受かってしまいました。精神的には全然大丈夫なんですけど、肉体的にはこれが最後かなと思っております。精一杯マダム・テナルディエを生きていきたいと思っております。
樹里咲穂さん
今回は2回目なので、前回よりも欲深さを増大させて、見ているお客様に楽しんでいただけるように精一杯頑張りたいと思います。
谷口ゆうなさん
私は2011年からこの作品に出演させていただいて、もう10年以上この作品に関わらせていただいています。自分も年齢を重ねていって、作品と一緒に年を重ねてるっていう感じがすごく幸せだなと思います。今年も大事に役を努めようと思いますし、新しいことを私たちの宿屋のシーンでやるって噂を聞いたんので、今回初めて見られる方も、これまでたくさん見ていただいた方も、新しいシーンを見ていただけるように、これからお稽古を務めてまいりますので、楽しみにしていてください。

◻︎アンジョルラス役
木内健人さん
2回目の『レ・ミゼラブル』の参加なんですけれども、前回はコロナ禍で、稽古も本来のスタイルではない進行でしたし、中止になってしまった公演もあって。楽しみにしていたし、楽しみにしていただいてたお客様に悲しい思いをさせてしまったなっていう悔しい気持ちでいっぱいでした。今年はとにかくみんな健康で、全公演全うして、劇場に足を運んでくださるお客様に楽しんでいただけるよう頑張ってまいりますので、応援していただければ嬉しいです。
小林唯さん
今回、現帝国劇場最後の『レ・ミゼラブル』ということなんですが、僕にとっては初めての『レ・ミゼラブル』で、初めての帝国劇場になります。このような記念すべき公演にアンジョルラスとして参加できることを本当に心から誇りに思います。精一杯やります。よろしくお願いします。
岩橋 大さん
前回に引き続いてまた『レ・ミゼラブル』という作品、そして帝国劇場最後のこの素晴らしいタイミングで参加させていただけること、とても嬉しく光栄に思っております。今回はアンジョルラスとアンサンブルの2枠やらせていただきます。自分の中でも未知数な部分がかなりあるんですけれども、自分にできることを最大限にやって、楽しんでいきたいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

■質疑応答

ーーソロ歌唱のあった皆さんに、歌い終わった感想をお伺いできればと思います。

飯田 緊張しました。色々考えないようにと思いながら、袖でスタンバイしてたら(吉原)光夫さんから、「宇宙みたいだから気にすんな」と言っていただいて。「気にしないでいきます」って言って出ていったんですが、歌ってる途中ぐらいからなんか手がしびれ出して、本当に緊張してたんだなと思いました。

昆 私たちの曲の前が飯田さんの「独白」で、本当に素晴らしいお歌だったので、この流れを3人で引き継いで「よっしゃ」って行ったんですけれども、緊張しました。 今回のために作ってくださった3人の特別バージョンは、ハモリも入ってたりしていてとても貴重です。

生田 私も緊張したんですけれども、今回限りの三重唱ということで、本番に入ってしまうと3人で同じステージに立つことはできないので、今日はすごく大事な思い出になりました。一緒に緊張を味わって、終わって袖でハグし合って一体感も今日すごく感じらて、終わった今はとても安心感に包まれています。また3人でお稽古、引き続き励みたいと思います。

木下 この日のために、3人で時間があれば合わせる日々を過ごして、すごく一致団結できて、今日も緊張も分け合って無事に届けることができて嬉しく思います。終わった後にすぐに3人でハグして。届けられて、嬉しいです。

小林 本当に初めての帝国劇場での歌唱が、帝国劇場0番で、ドセンターで強烈なスポットライトが当たっていて、すごい圧倒されました。色々反省点もたくさんあるんですが、初日までにもっともっとブラッシュアップして、思い切って歌っていけたらなと思います。

清水 はけた後にルミーナちゃんと交わした言葉が「何も覚えていない」ってくらい、緊張しました。交互に歌うことが今までにもないし、これからもないと思うのですごく新しいなって。ルミーナちゃんが表現するエポニーヌを感じ取って、自分が歌って、お互い感じ取り合いながら歌えたんじゃないかなっていう風に思うんですけど、やっぱり覚えておりません(笑)。

ルミーナ 全く一緒なんですけれども、帝国劇場で歌うことも初めてで、制作発表自体が私は初めてだったので、緊張しました。「オン・マイ・オウン」を2人で歌うってことも初めてだったので、新しい経験でした。

佐藤 今日は久しぶりにこの場所で歌わせてもらって、その時に歌っていた絵というか、ここから見てる景色がフラッシュバックして思い出しました。この曲をいろんなイベントとかで歌うことはあったんですけど、ここで歌うこの曲は一味違います。その時の思いだったり、この芝居の流れをすごく思い出しながら歌えるので、今日は気が引き締まる思いで歌わせてもらいました。

小野田 前回までアンジョルラスをやっていて、歌稽古をここまで何度か重ねて、マインドとかいろんなものがジャベール仕様にはなってきてはいるんですが、染みついたものってなかなか取れず。自分が歌う番だからと思って集中してると、未だにアンジョルラスの時に前に出そうになるんですよね(苦笑)。歌稽古中も何度かアンジョルラスの方々に迷惑をかけてしまったので、注意をしながら今日歌わせていただきました。

ルミーナ 「ワン・デイ・モア」は、"みんなでレッツゴー"みたいな、戦いに行こうっていう気持ちだけを持って、なるべく緊張しないように、他のことを頑張って考えていました。

山田 8月からエコールという、皆さんがいる中で立って歌う経験を積み重ねてきたので、それがなかったら多分倒れてたのかなっていう風に思います(笑)。まだまだ2ヶ月あるので、やるべきことをやって、成長した姿で皆さんの前に立てたらいいなと思います。
ーー帝劇の印象や思い出は?

三浦 最初は10代の時だったんですね。最初に帝劇に立ったのが2019年の『レ・ミゼラブル』で。僕はその1つ前の『レ・ミゼラブル』を客席から見て、その時に"絶対に俺もこのステージに立ちたい"って、すごく強く思ったんですよ。何回もチケット取れたことが本当にすごいなと思うんですけど、何回も見に行かせていただいて。その後オーディションを受けて、ありがたいことに合格したんですけど、僕的には不完全燃焼というか、"自分の思った通りにはできないな"って終わったんです。悔しいまま終わったんですけど、舞台『千と千尋の神隠し』と、舞台『キングダム』ではW主演という形でやらせていただいて。 僕自身まだまだ未熟ですけど、この劇場に育ててもらったという感覚があって。またこうして最後の『レ・ミゼラブル』に出れるということがすごく嬉しいですし、最後は自分が納得する形で『レ・ミゼラブル』出演を終えれたらいいなと思って、最後の帝劇に恥じないぐらいの努力をして挑みたいと思っています。

伊礼 帝劇に立たせてもらった最初の作品はミュージカル『エリザベート』で、ルドルフ役をやっていたんですよ。僕もね宏規みたいな可愛い時期があったんですよ(笑)。 その時にさっき光夫さんがおっしゃったように、「闇が広がる」っていう曲を歌いながら、本当に何も見えなくなるんですね。この劇場に立つってめちゃめちゃ怖いんですよ。なおかつ作品や役を背負って演じるっていうのは本当にプレッシャーもあるし。毎回やるたびに緊張して、もうやりたくないって気持ちが芽生るんです。大体他の作品ってカーテンコールで"あー楽しかった。また明日頑張ろう"ってなるんですけど、この作は"明日もあるのか"とすごいへこむんですよね。朝起きてから緊張してるし、これが6月まで続くって思うとね地獄なんですよ(苦笑)。 でも、不思議なもので、大千秋楽を迎えると"またやってみたいな"って思える魔力がこの作品にはありまして。だからまたこうやってオーディションを受けて、結果的にここに残れたんですけれども。だから、今回選ばれた方はこのプレッシャー、恐怖心に打ち勝って、その先に何が見えるのかを感じて欲しいです(笑)。クロージングということで、すごく残念ではありますけれども。この切り替わりの時代に一緒に共にこう生きていける、喜びがあります。
ーー出演者からみた『レ・ミゼラブル』の魅力は?

吉原 一人の人生=大河を演じるっていうことは、それなりに精神的にも体力的にもエネルギーを持ってかれるものですが、『レ・ミゼラブル』は、必ず最後に浄化が待っています。必ず神がいらっしゃって、1番最後に幸福を得られる役を演じてるんですね。それを通じて、自分の人生を正しい人であろうとするっていうことが非常にしんどいんだと思うんです。生きていくことって多分しんどいんだと思うんですね。人って楽がしたくて生まれてきてるわけではなく、何か自分の存在意義を探して、1人1人の大河を生きようとしてるんじゃないかなと思います。当然この作品は、自分の人生をかければしんどくなるし、適当にやれば楽になるし、どっちをチョイスするかなんですけど、この環境、カンパニー、チームは楽にはさせてくれない。自分の人生と照らし合わせて、この舞台で勝負させる気にさせる意気込みがあるので、毎回好きなんですよ。

この劇場も『レ・ミゼラブル』も好きなんですけど、それと同じように辛さとか、苦しみとか、怖いって思うことがあって。でも新しい出演者の方は、楽しんだ方がいいのかなって思います。みんな辛くて、その辛さをカバーするために袖でケタケタしたりチャラチャラしてるけど、本当はみんな手を震える思いで舞台に立ってるので、いいチームになれるんじゃないかなと思っております。
ミュージカル『レ・ミゼラブル』は、12月の帝国劇場を皮切りに、全国ツアー公演が行われます。詳細はInformationをチェックしてください。

☆Information
ミュージカル『レ・ミゼラブル』
東京公演:2024年12月20日(金)~2025年2月7日(金) 帝劇公演
※プレビュー公演:2024年12月16日(月)~19日(木)

2025年全国ツアー公演
大阪公演:3月2日(日)~28日(金) 梅田芸術劇場メインホール
福岡公演:4月6日(日)~30日(水) 博多座
長野公演:5月9日(金)~15日(木) まつもと市民芸術館
北海道公演:5月25日(日)~6月2日(月) 札幌文化芸術劇場hitaru
群馬公演:6月12日(木)~16日(月) 高崎芸術劇場

【作】アラン・ブーブリル&クロード=ミッシェル・シェーンベルク
【原作】ヴィクトル・ユゴー 
【作詞】ハーバート・クレッツマー
【オリジナル・プロダクション製作】キャメロン・マッキントッシュ
【演出】ローレンス・コナー/ジェームズ・パウエル
【翻訳】酒井洋子
【訳詞】岩谷時子
【プロデューサー】坂本義和/村田晴子/佐々木将之
【製作】東宝

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