多和田任益「僕の知らない僕と出会えそうです」三島由紀夫作品に挑む、3/4開幕unrato #8『薔薇と海賊』SPインタビュー【後編】

演出家・大河内直子氏とプロデューサー・田窪桜子氏による演劇ユニット「unrato(アン・ラト)」がお届けする、unrato#8『薔薇と海賊』(作:三島由紀夫、演出:大河内直子)が、2022年3月4日~13日に東京芸術劇場シアターウエストにて、3月25日~26日に大阪・茨木クリエイトセンターにて上演されます。

『薔薇と海賊』は1958年に発表され、同年に文学座が初演しました。思想的で高尚な三島由紀夫作品のイメージとはまた違った、虚実の夢と純愛が詰め込まれた異色のファンタジー。

スマートボーイズでは、自分を童話の主人公だと思い込む青年・帝一を演じる多和田任益さんに直撃インタビュー! 戯曲の感想や役との共通点、作品への意気込みを熱く語っていただきました。その模様を前後編の2回に渡ってお届けします!
unrato#8『薔薇と海賊』が3/4~13に東京芸術劇場シアターウエスト、3/25~26に茨木クリエイトセンターにて上演!
■多和田任益さん unrato #8『薔薇と海賊』インタビュー【後編】
――ここからちょっと作品の本筋からは離れるんですが、作中の登場人物の阿里子は童話作家、帝一はその作品の主人公だと信じ込んでいる青年、舞台となる阿里子の邸宅も童話の世界を模した作りと、“童話”が物語の支柱に。多和田さんご自身は、小さい頃に読んでいた童話の記憶はありますか?

多和田 『三びきのこぶた』が好きでした!

――昔から親しまれているおとぎ話ですね。

多和田 子供の頃に母に読んでもらったとき、最初は「豚がかわいいな」とか、そのくらいの感覚だったんです。でも、自分で読むようになると、オオカミより弱い立場の豚が、知恵を絞って食べられないように工夫する姿がすごいと思い始めて。それに、最終的にオオカミを撃退するじゃないですか。子供ながらに逆転劇に感心して、ざまぁみろ~! って思っていました(笑)。オオカミは自分のほうが強いと思って油断したなと。あ、急に今思い出したんですけど、僕が小学生の頃、4つ下のまだ幼稚園生だった弟も最初「豚さん、かわいい~」みたいな感じの反応で。そんな弟に「これね、そんな話じゃないんだよ。油断したらダメなんだよ」って得意げに教えていました(笑)。

――かわいらしいエピソードですね! ありがとうございます。『薔薇と海賊』は作品全体が夢のような世界観で、自分をヒーローだと思い込む帝一も夢の中に生きているような印象を受けます。そんな“夢”にちなんで、多和田さんは普段、よく見る夢などはありますか?

多和田 朝起きたらすぐ忘れちゃうタイプなんですけど、舞台の稽古期間中は、その作品の夢を見ます。稽古している夢ですね。なので、よくセリフを言いながら起きることがあります。ミュージカルだったら、自分の歌声で起きたり。この寝言が気になって、1回録音したんですけど、めっちゃセリフを言っていて。

――えっ。それ、すごくないですか。

多和田 しかも、つっかえちゃうなって不安なセリフばっかり。寝ていても、心配事って頭から離れないんだなって思いました(笑)。そういう現実的な夢を見ることが多いですね。
帝一役/多和田任益さん
――寝言でセリフを言ってしまうのは、役者さんらしい話ですね。

多和田 それで言うと、起きたら開演時間の5分前っていう夢を見たことあります。

――遅刻の夢は怖いですね。心臓に悪いです……。

多和田 その夢から覚めると、だいたい寝汗がすごいんですよね。しかも、そんなときに限って、まだ余裕があって朝6時前とか。なんや、まだ寝られるやん! って思いながら二度寝するんですけど(笑)。いい夢だと、大好きなポケモンが本当に存在している設定の夢をたまに見ることもあります。家に帰るとペットみたいに駆け寄って来てくれたり。「ピカチュウ~!」って叫んでる映画の名シーンを自分がやっていたり。演者として演じてみたいのか、現実におこってほしいことなのか、どっちなのかわからないですけど(笑)。

――どちらにせよ、自分の願望が夢に出るのは嬉しいですよね。

多和田 それがただで見られるんですよ。毎日でも見たいです!

――それは確かに(笑)。では最後に、2022年の抱負は?

多和田 2020年からコロナ禍になり、演劇界だけでなく色んな業種の方が辛い思いをしたと思います。特に2021年は、僕が主演を務める『改竄 熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン~復讐のアヴァンチュール~』や梅棒の本公演『おどんろ』が立て続けに中止になってしまったことが、自分で思ってたよりも辛いことだったと、振り返ってみて思います。しばらくストレートプレイができてなかった中で、『薔薇と海賊』はストレートプレイとしては2022年初めての作品。2021年に感じたことをすべて詰め込んで、お客様に届けたいです。なので今は、昨年末から1月21日まで上演している梅棒13th“RE”WORK『風桶』で皆さんに楽しんでいただいてから、『薔薇と海賊』を大成功させることが1番の目標です。これが達成できたらガッツポーズです!
――ここ2年の経緯を鑑みると、やはり力が入りますね。ファンの皆さんも、多和田さんの久しぶりのストレートプレイ、楽しみにされていると思います。

多和田 有り難いことに、実際にファンの方々が楽しみにしてくださってる声が僕のもとにも届いています。三島さんの作品は初めてでわからないことだらけですけど、きっとまた、僕の知らない僕と出会えそうです。ファンの皆さんの気持ちに応えられるよう、役者として新しい部分を2022年の冒頭からお届けできるように頑張ります!

【インタビュー・完】

【あらすじ】
童話作家の楓阿里子邸。そこに、阿里子の童話のファンで30歳の松山帝一が訪ねてくる。帝一は、自分を童話の中の主人公・ユーカリ少年だと信じている知的障害の青年で、後見人の額間に付き添われてやってきた。楓邸は童話の世界のように仕立てられ、阿里子は19歳の娘・千恵子にも登場人物のニッケル姫の扮装をさせていた。帝一はこの家にずっと住みたいと言い出し、阿里子と帝一の夢の世界のような純愛が始まる。
千恵子は額間と出会い、押し込めていた本音があふれ出て来る。帝一の登場で、阿里子の夫の重政、その弟の重巳との館での生活にもひずみが生まれていくのだが…。

unrato#8『薔薇と海賊』は、東京公演が2022年3月4日~13日に東京芸術劇場シアターウエストにて、大阪公演が茨木クリエイトセンターにて2022年3月25日・26日に上演。チケットの一般販売は1月15日10時からスタートします。公演情報の詳細は、Informationをご確認ください。

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【お知らせ】
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☆Information
【公演タイトル】unrato#8『薔薇と海賊』

【日程・会場】
■東京公演:東京芸術劇場シアターウエスト
(〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1)
2022年3月4日(金)~13日(日)

■大阪公演:茨木クリエイトセンター
2022年3月25日(金)・26日(土)
大阪公演に関するお問い合わせ先 072-625-3055

【出演】
霧矢大夢 多和田任益 田村芽実 須賀貴匡 鈴木裕樹
大石継太 飯田邦博 羽子田洋子 篠原初実 松平春香

【入場料(東京公演)】
一般 6,800円
学生 3,800円
高校生以下 2,800円
※学生、高校生以下は一般発売日から当日引換券での発売。
公演当日、要学生証提示。

【スタッフ】
作:三島由紀夫 演出:大河内直子 音楽:阿部海太郎
美術:石原敬 照明:大島祐夫 音響:早川毅
衣裳:前田文子 ヘアメイク:国府田圭
舞台監督:鈴木政憲 制作:村田紫音
プロデュース:田窪桜子(アイオーン)/西田知佳(ぴあ)
企画・製作:unrato 主催:アイオーン/ぴあ

【チケット発売(東京公演)】
■一般発売 2022年1月15日(土)10:00~
※未就学児の入場は不可とさせて頂きます。
※今後の感染症対策は感染状況や政府等の要請により変更となる場合もございます。ウエブサイトやSNS等でお知らせしますので、ご確認くださいますようお願いします。

【チケット発売プレイガイド(東京公演)】
■チケットぴあ https://w.pia.jp/t/baratokaizoku/
■東京芸術劇場ボックスオフィス https://www.geigeki.jp/t/
■イープラス https://eplus.jp/baratokaizoku/
■カンフェティ http://confetti-web.com/baratokaizoku

【チケットに関するお問い合わせ先】
チケットぴあ 0570-02-9111(10:00~18:00)

【公演に関するお問い合わせ先】
baratokaizoku@ae-on.co.jp

《公式HP》
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002055.000011710.html

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