前川優希「幸福やステキな縁が広がっていきますように」新曲ほかオリジナルもカバーもたっぷり!ファンと作り上げた全国5都市ライブツアー「ElatioN」のファイナル東京公演を独占レポート

MANKAI STAGE『A3!』シリーズの皆木 綴役など様々な舞台で活躍する俳優であり、2023年には初の脚本・演出を手掛けた舞台「青いはる」を総合プロデュースするなど、クリエティブな活動も盛んな前川優希さん。アーティストとしてもオリジナル曲を持つ前川さんが、全国5都市を巡るライブツアー『前川優希 LIVE TOUR 2024「ElatioN」』を2024年7月20日より開催。
福岡、大阪、名古屋、札幌と巡り、8月11日にツアーファイナルとなる東京・渋谷Veatsで行われたライブの第2部の、熱気に満ちた一夜をレポートします!
前川優希さん
【ライブレポート】
ツアーファイナル公演の開幕直前。前川さんの登場を今か今かと待ちわびるファンたちの大きな手拍子が会場に響きわたります。そこにバンドメンバーの華やかな前奏が重なると、前川さんがステージへ! 新曲『Dare to dream』、『Glorious way』、さらに今回のツアータイトルの一部にもなっている新曲『My elation』と、のっけから疾走感溢れる3曲で一気に会場全体を興奮の渦に巻き込んでいきます。
特に『My elatioN』は、間奏に入ると客席から「Hi! Hi!」とコールが起こったり、前川さんの「カモンッ!」という合図でファンも「ラ~ラ、ラ~ララ~」と歌いだしたり。ファンのテンションに完全に火が付き、開始10分あまりでとてつもない一体感が……!
盛り上がったところで、MCタイムへ。
「最高ですね! 去年初めてライブツアーをやらせていただいて。東京、大阪と2都市で。今年は5都市! 今までも何度も言ってきたんだけど、自分がライブツアーをするような日が来るなんてね。ライブやりますって告知して。そのときはまだTwitterだったか? もうXが馴染むようになっちまったな。変わっちまったな……つって(笑)」と、急に話を脱線させてTwitter時代を懐かしむ前川さんにファンは爆笑。

続けて「(Twitterでライブの)告知したり、俳優の先輩や仲間に見てもらって、"ライブやるの? すごいね"と。愛を込めて、"アーティストやん!(笑)"って言われるわけですよ(笑)。ちょっとそれが去年は恥ずかしかったの。俺なんてって。でも、認めてくれるあなたがいて、いけるよって言ってくれる人がいて、やろうよって言ってくれる人がいて。今年もライブができてます。もちろん照れ臭さはあるけど、自分がこういうライブがやりたいってものがある、ライブを通してあなたと一緒の時間を過ごしたいんだっていう自負があるからこそ、"アーティストやん"と言われたときに素直に"そうなんすよ?"みたいなことが言えるようになって(笑)。どんどんライブ活動が広がっていったらいいなって思いながら、5都市目。9公演を終えて、10公演目ですよ。すごいね~!」と語り、そんなアーティスト活動への自信を強く持ち始めた前川さんに、ファンから大きな拍手が贈られました。
また、ファイナル公演の会場となった渋谷Veatsは、前川さんにとって思い出の場所。
2.5次元舞台などを中心に活躍する若手俳優たちで構成された新感覚アーティストグループ「TFG」に所属していた際にも立ったステージで、当時のことを振り返り「俳優として今までやってきたことと違うことが生まれて困惑しながら、努力の方向性がわからない中で仲間と手を取り合って駆け抜けた日々でした……」と、しっとりモードかと思いきや、「今日このライブに誘ったのに、あいつら来ないのよ!」と。
そこから、元メンバーで12月に舞台『刃牙 THE GRAPPLER STAGE ―地下闘技場編―』に花山薫(巨漢のヤクザ組長)役で出演する桜庭大翔さんの話題へ。
「LINE NEWSに出てきたのよ、桜庭大翔。思わず記事を読んだら"これ(花山薫の役作り)のためにジムに行き、体重100kgまで到達しました"と。すぐLINEして、"ウソをつくな。おまえはこれがなくてもジムに行っている!"って(笑)。そしたら"そうだね(笑)"ってレスが来ました」と、人気格闘マンガ『刃牙』の中でも人気キャラクター「花山薫」の筋肉質で大きな肉体に寄せて体を仕上げたという桜庭さんとの他愛もないやり取りを明かすと、ファンも前川さんへの共感を込めて大笑いしていました。

「これは俺のエゴかもしれないけど、TFGで過ごした日々と、頑張ってる仲間と俺のこれからを思いながら歌わせてください」
そう語って歌うのは、TFGの2ndアルバムの収録曲『瞬間』。爽やかなメロディーに前川さんの優しい歌声が合わさり、会場中に温かい空気が広がっていきます。続けて『Hello, Worker』、前川さんプロデュースの舞台「青いはる」(2023年上演)の劇中歌『春が降る』の2曲で、前向きなメッセージを力強く伝えました。
再びMCタイムへ。
「僕、俳優をやってるんですけど(笑)、俳優をやっている以上、いろんなものに気持ちを込めるタイミングが多いんです。お芝居ももちろんだけど、セリフを言うとき、歌を歌うとき、踊りを踊るとき。前川優希として話すときも、思いなしには話せないことが多い。そんな中で、スタンダードにありがとうや嬉しいよって言葉に込めることが多いし、そういう言葉のやり取りをずっとあなたとしていきたいなと思う。言葉を受け取るあなたはどういう思いになるんだろう。きっと歩んできた人生1つ1つで感じることが違うと思う。だからこそ、表現者である以上、こういう気持ちになってくれたら嬉しいな、こう思って明日から生きてくれたら嬉しいな、ってことを思いながら、日々表現をしています」と熱く想いを語ったところで、ふと顔を上げて「もうしゃべりすぎかも(笑)。あとは歌で聴かせろよって話だよね」と照れくさそうに笑う前川さん。
「人生の中で楽しい、嬉しい、好きだなって思う瞬間がいっぱいあって、俺は本当に幸せものだなと思います。一緒にこの空間を作ってくれているあなたには同じ気持ちになってほしいなって思いながら、未来への曲を歌いたいと思います。聞いてください『虹が消えた日』」

バラードソングの『虹が消えた日』をしっとり歌い上げ、『CON[NE]CT』でも前川さんの伸びやかな歌声で会場を魅了します。続く新曲は、美しいピアノイントロから始まる1曲。別れの歌ながら、前を見据えた力強さのある曲を熱量たっぷりにファンへ伝えました。
「このライブツアーで新曲が増えまして、今歌った曲も新曲なんですよ、私の!」

そう前川さんがおどけつつ誇らしげに話し出すと、客席からは「フゥ~!」とノリのいい声が。そして前川さんから驚きのひと言。「歌詞とかいろいろ考えたり話し合ったりしてたんだけど、いただいていた仮のタイトルからちょっと変えたいなと思ってて。でも、全然浮かばなくて。今日まで浮かんでなかった!」

実はこのツアー中、曲名が決まらないまま歌っていたんだそう……!
「でも、決めました」と発表する流れになると、「教えて!」というファンたちからの言葉に「教えるよ(笑)。ここで教えないわけない(笑)」と笑いながら応える微笑ましい場面も。
タイトルを決めかねていたのは別れの歌だったからと明かし、「あなたがくれたものを胸に歩んでいくよっていう歌だと思う。そうして素晴らしい未来へ向かっていって、いろんなものが繋がっていく歌にしたいと思ってた。タイトルはですね、『夢扇』にしました。最近、英語の曲が多かったんで(笑)。明るい未来を思い描いて進んでいくことは夢に向かってくことで、そのために今は別々の道へっていう歌だと思うから、"夢"をタイトルに入れたくて。あと、"扇"って縁起物なんですよ。末広がりって言って、幸福やステキな縁が広がっていきますようにっていう思いがあるんだって。だから、夢に向かうために別れの選択をしたふたりがステキな未来に進んでいけますようにっていう意味を込めました」と、新曲のタイトルとそこに込めた思いを話してくれました。
続けて「今しゃべってて思ったんだけど……」と、何かひらめいた様子の前川さん。「扇って、閉じたら交わるよね? だからきっと永遠に交わらないことなんてない! お互いそういう日を信じて、という意味も込めて、このタイトルにしました」ともうひとつの意味を発見し、ファンと一緒に喜んだのでした。
ライブも後半戦。「あとちょっとで終わっちゃうよ!」という前川さんの呼びかけに、名残惜しむファンの「え~~~~」という声が響き渡り、「長い、長い!」と前川さんからツッコミが(笑)。「やだよな。どうする?」前川さんが客席へ問いかけると、「最初から!」などの声がちらほら。「誰か、福岡からって言った?」ツアー初日から再スタートを求めるファンに前川さんもビックリで、「そろそろ舞台の稽古が始まるんだって!」と、思わず笑みがこぼれます。
そんなファンたちとの気さくなやり取りが印象的な前川さんのライブ。最後まで盛り上がるべく、「パワフルな(バンドメンバーを含む)俺たちについてこれますか!」と前川さんが煽ると、「イェーー!!」という大きなレスポンス。楽しい空気のまま『手をたたけ』へ。ファンたちの軽快な手拍子の中、前川さんもハイテンションで歌い上げます。さらに『ライブハウスで会おうぜ』で、ライブに来てくれたファンへの感謝も伝え、会場の熱量は最高潮に!!!
「煽っといてなんだけど、負けそうになった(笑)」

ファンの熱量に気圧されそうになった前川さんも「終わりたくない!」と話しつつ、「この時間がずっと続けばいいのにって心から思う。でも、終わりがあるから、楽しみって気持ちがある。始まりの裏には終わりがあるし、終わりの裏には始まりがあると思う。このライブは終わるけど、また次のライブハウスで会えるように、俺も頑張るから、みんなも強く生きろよ!」と、ファンへメッセージを贈ります。
「俺たちの明日に希望を込めて最後の曲に行きたいと思います! 最後だよ。いけるー?」と、再びファンを煽りながら始まったのは新曲『Party』。
前川さんとファンたちの息がピッタリで、歌詞に合わせて「ヘイ!」と声を上げる気持ちのいいコール&レスポンスが続き、爽やかで明るい気分のまま、約3週間に及ぶ初のライブツアーの幕は閉じました。
しかしすぐさま会場からアンコールが。「アンコール」という声に混じり、前川さんのライブではファンの間で恒例となっている「ア、ソーレ」「ア、ヨイショー」といった音頭調の合いの手も挟み込まれ、お祭のような賑わい!
「アンコールありがとう!」と再び登場した前川さんは『Chance!!』と『スペシャル』をエネルギッシュに歌い上げました。

前川さんは曲明けに独特のアンコールについて触れて、「アンコールが名物になり始めてるんだよね(笑)。もうLINEスタンプでも作るか? 作るならみんなの声でだからね。みんなに収録に来てもらって。FCに集合場所は記載しておくので、時間に遅れずに来てくれたら収録します!」と笑って冗談を飛ばしました。
そして「これが本当に最後の曲です」と伝えたあと、ファンと「え~~~」の長さで肺活量を競う流れに! 会場中に「え~~~」が約15秒間も鳴り響いたあと、前川さんがギブアップという結果に終わりました(笑)。

「じいちゃん、ばあちゃんになってもこのときの興奮を、このときの輝きを、このときの幸せを思い出して、まだ俺も捨てたもんじゃねぇなって、これからも毎日思えるように力を貸してください! 最後まで弾けろっ!」と前川さんが力強く曲振りをし、『earnest』がスタート。前川さんが「声聞かせてよ」と歌いながら客席へマイクを向けると、ファンたちが大きな声で歌い出し、会場が1つに。大きな拍手に包まれます。

「ありがとうございました!」と前川さんが退場したあと、再び沸き起こるアンコール。再々登場した前川さんは「やってくれんじゃん(笑)」と嬉しそうに会場にツッコみ、「よっしゃ、やるかー!」と気合注入!
「いつになるかわからないけど、またライブツアーやります。楽しみにしててな。そのときまでにこの曲を完璧に覚えて盛り上がれるようにしてください! 」と、本当に本当の最後の曲『My elation』を披露。
ステージの上手と下手を行き来しながら、ファンへ歌声を届けた前川さんと、それに応えるように「Hi! Hi!」とレスポンスし続けるファン。双方のエネルギーがぶつかり合い、最後の最後まで熱帯夜の気温に負けない、熱気に満ち溢れたツアーは幕を閉じました。
【8月11日18:30公演 SET LIST】
1.Dare to dream(新曲)
2.Glorious way(オリジナル楽曲)
3.My elation(新曲)
4.瞬間(セルフカバー/TFG)
5.Hello, Worker(カバー曲/新社会人)
6.春が降る(オリジナル楽曲)
7.虹が消えた日(カバー曲/秦基博)
8.CON[NE]CT(オリジナル楽曲)
9.夢扇(新曲)
10.手をたたけ(カバー曲/NICO Touches the Walls)
11.ライブハウスで会おうぜ(カバー曲/ハンブレッダーズ)
12.Party(新曲)
EN1.Chance!!(セルフカバー/TFG)
EN2.スペシャル(カバー曲/SUPER BEAVER)
EN3.earnest(オリジナル楽曲)
WEN.My elation(オリジナル楽曲)
前川さんは、9月11日より一騎討ちProject 第六回公演 舞台『あれから』、10月31日よりMANKAI STAGE『A3!』~Four Seasons LIVE 2024~への出演を控えています。
今後の予定はInformationより各リンク先をチェックしてください。

☆Information
前川優希
<Official FAN CLUB>
https://maekawa-yuki.com/
<Official X(旧Twitter) >
@yuyukiki535
<Official Instagram>
yuyuyukikimaru1217

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