【モノステ】新木宏典「ようやく『座敷童子』がやれるんだという楽しみな気持ち」舞台『モノノ怪~座敷童子~』取材会オフィシャルインタビュー&新ビジュアルが公開

2024年3月21日より東京・IMM THEATERにて上演される舞台『モノノ怪~座敷童子~』で主人公・薬売り役を演じる新木宏典さんの取材会が実施され、オフィシャルインタビュー及び新ビジュアルが到着しました。
薬売り役の新木宏典さん
本作は、2007年7月よりフジテレビ「ノイタミナ」枠ほかにて放送された『モノノ怪』の舞台版。第一弾は、作品の原点となった同枠放送の『怪 ~ayakashi~』シリーズの1エピソード「化猫」、第二弾となる本作では、アニメ『モノノ怪』の第1・2話を飾った「座敷童子」が舞台化。主人公・薬売り役は、新木宏典さんが続投します。


【新木宏典 取材会オフィシャルインタビュー】
『モノノ怪』の色彩感覚をどう舞台で表現するか

――まずは第二弾を迎えた今の気持ちをお聞かせください。

第二弾ができるのは、第一弾があってのことですので、第二弾を打てるような結果で第一弾を終えられたことがありがたいなというのが率直な感想です。

ただ、第二弾となると、第一弾と同じようなことをやっても、どうしても品質が落ちたと思われてしまう。期待値が上がっている分、第二弾をつくるのは第一弾と比べても圧倒的にハードルが高いと思うんですね。そのハードルをどう超えるか。プレッシャーを感じるところではあります。
――今回は、「座敷童子」のエピソードが舞台化されます。

そもそも舞台『モノノ怪』をやりますと最初にお話を伺ったときに、僕がイメージしたのがアニメ『モノノ怪』の第1・2話で放送された「座敷童子」のエピソードでした。それくらい衝撃を受けたし、素敵なお話で。僕の中では『モノノ怪』を代表するエピソードだという印象があります。第一弾は『怪 〜ayakashi〜』というタイトルのときの「化猫」が原作だったので、ようやく第二弾で『モノノ怪』の「座敷童子」がやれるんだという楽しみな気持ちが大きいですね。

――「座敷童子」のどんなところに衝撃を受けたのでしょうか。

色彩感覚ですよね。華やかで幻想的でありながら、僕が日本人として育ってきたからかわからないですけど、とても馴染みのある色が使われていた。色の使い方がすごく綺麗で、一気に好きになりました。僕が一番魅力を感じたこの色彩感覚をどう舞台で表現するのか。難しいだろうなと思うし、個人的には楽しみにしている部分でもあります。
舞台『モノノ怪』の看板を背負う覚悟を持って

――ストーリーとしては、非常に悲劇性のある内容でもあります。

『モノノ怪』は人間の汚い部分や隠したいと思っている本音の部分、あるいは私利私欲といったものがあらわになった結果、生じる問題というのをテーマにした作品です。そういう意味ではどうしても重くなってしまうんですけど、僕自身がそこをあまり重く捉えすぎてしまうことは、『モノノ怪』という作品をやる上ではちょっとリスクなんじゃないかと考えているんですね。

――どういうことでしょうか。

僕の演じる薬売りという役は、あくまでフラットな立場。実際に物語を生んで動かしているのは、周りの人たちです。そこに薬売りは決して深く立ち入りすぎない。だから、ご覧になったお客様がこの物語を観てどう受け止めるかはみなさんの自由ですが、僕自身は冷静に受け止めなければいけないんだろうなと感じています。

――そういったフラットなポジションの役を演じるにあたって、どんな心構えで臨んでいたのでしょうか。

物語を担っているのは周りの人たちだけど、舞台『モノノ怪』の看板を背負っているのは薬売りである僕。だから、作品のクオリティが悪ければ、名前に傷がつくのは僕自身です。そこに関しては、主演である以上、言い訳はできない。カンパニーの雰囲気や作品に対する取り組みをコントロールできなかった座長の責任なんだと受け入れる覚悟を持っておかなければいけないというのは、第一弾をやっているときから思っていたし、今回も当然変わりません。

――第二弾発表の際も「前作を超えることは自覚を作る上で必須であり、これにプレッシャーを感じないと発言するのは、偽りの言葉を使おうとしても難しい」とおっしゃっていました。

まさに『モノノ怪』という作品の特性でもありますが、薬売りというキャラクターがすべての看板。薬売りが旅をして、訪れた先で物語が起きる。話ごとに薬売り以外のキャラクターはすべて変わるわけです。薬売りを演じる僕がいることによって、観ている人にこれは舞台『モノノ怪』なんだとわかってもらえるようにしなければいけなかった。薬売りを演じるには、その責任を負うことが必要です。第一弾のときもカンパニーのみなさんには「僕が薬売りとして立ち続けることによって、作品を成立させる覚悟で挑みます。だから、みなさんは自由にやってください」とお伝えしていました。

――その責任は、第二弾でも変わらないと。

むしろ第二弾は薬売りの出番が第一弾よりかは多少限られる分、より負荷が大きくなると考えています。象徴がいない状態で物語が進む尺が増えれば増えるほど、舞台『モノノ怪』と思わせるハードルは高くなるわけですから。1回の登場シーンで見せる圧というか、残像をどれだけ残せるかが今回の課題。僕が板の上にいなくても舞台『モノノ怪』だと思わせ続けられる圧倒的なインパクトをしていかないとなと考えています。
声をなぞるのではなく、本質を探る

――第一弾では、新木さんが声を発した瞬間、「薬売りだ!」と思わず肌が粟立つような感覚がありました。

僕がアニメを原作とした舞台をやるときに大事にしているのが、声優の方の台詞回しや声色に対し、なぜそうしたアプローチをしようと思ったのか、その取り組みにある根本的な部分を汲み取った上で、それを舞台版にシフトチェンジすることなんですね。つまり、やるべきは声をなぞることではなく、本質を探ること。そこは第一弾でもすごく考えました。

――脚本を務めるのは、アニメの脚本も担当された高橋郁子さんです。舞台化にあたり、「アニメにはなかったシーンを多数盛り込みました」と高橋さんはコメントされていましたが、脚本に対する新木さんの感想をお聞かせください。

すごく親切になったと思います。アニメは前編後編の2話。本編の尺でいうと大体50分ぐらいだと思うんですけど、舞台はもう少し長くできるので、より丁寧に物語の説明がなされているような印象を受けました。

もちろん多くを語らない分、視聴者が自由に推測することで、より作品に深みが生まれるのがアニメ『モノノ怪』の特性でもあります。親切になればなるほど、わかりやすくなるのと引き換えに、考察の範囲が狭まる可能性もある。けど、高橋先生が舞台版の脚本も書かれるからこそ、アニメ『モノノ怪』をお好きな方々にとっては、自分が観たときに感じたことの答え合わせとしてはすごくいい内容なんじゃないかと思いますし、初見の方にとってはわかりやすく舞台『モノノ怪』の世界を楽しめるものになっていると思います。

――アニメで描かれた怪奇現象の数々が舞台でどう表現されるのか、未見の方にとっては未知の部分も大きいと思います。舞台ならではの表現の魅力を語るとしたら、どんなところがありますか。

近年は映像技術も飛躍的に進歩して、プロジェクションマッピングなど幻想的な表現も多く取り入れられるようになりましたが、基本的には舞台ってとてもアナログな表現だと思います。でも、アナログだからこそ、観ている人たちは想像を膨らませることができる。頭の中で自由にイメージを広げられるので、こうしたフィクション性の高い作品と舞台って実はとても相性がいいんですよね。アニメで見たような視覚的情報をすべて再現しようとすると、最新のデジタル技術が必要になるけど、それがなくても実はちゃんと表現できるのが舞台の強み。たとえ目の前に何もなくても、お客さんにはちゃんと伝わるように、僕たち役者も板の上で存在したいと思っています。
『モノノ怪』の公演期間中は爪が薄くなるんです

――衣装やヘアメイクのクオリティも素晴らしいですよね。

第一弾でも薬売りの衣装の生地や柄、色をスタッフのみなさんが忠実に再現してくださいました。今回も同じチームのみなさんでやるので、さらにブラッシュアップしたものをお届けできると思います。メイクも、やはり生身の人間の顔というのは絵と違って左右も非対称ですし、アニメのメイクをそのまま再現しようとしてもズレが生じるんですよ。その違和感をどう着地させるかは、第一弾で回数を重ねた分、さらに細かく改善できると思いますので、楽しみにしていてください。

――では最後に、劇中では摩訶不思議なことが起こりますが、新木さんが最近経験した摩訶不思議なことは。

なんだろう。公演中に爪が薄くなるとかですかね?

――どういうことですか。

薬売りは爪が長いんですけど、つけ爪だと本番中に取れる可能性があるので、ジェルネイルで長さを足しているんですね。毎公演本番が終わると、爪を削って取って、またつくり直すという作業を繰り返していたので、爪がすっかり薄くなりました(笑)。

――それは理由がわかっているから、摩訶不思議ではないですね(笑)。

そうなんですよ(笑)。僕は霊感がなくて、そういう怪奇現象はまったく経験したことがないんです。でも、年明け早々に手相占いをしてもらったら、占い師さんからは霊感があると言われました。ただ、僕が自分の年齢をお伝えせずに手相を見てもらったので、結構いろいろ違っていたんですよね。「この年の頃に結婚できるよ」と言われた年齢ももう全部通過していました。だから、霊感があるというのももしかしたら違っているかもしれませんね(笑)。
【舞台『モノノ怪〜座敷童⼦〜』新ビジュアル】
また、舞台『モノノ怪~座敷童子~』チケット特典が「ランダムアクリルスタンド(全3種)」に決定しました。
絵柄は主演・新木宏典さん演じる薬売り3種。第1弾で発売したジオラマと同じサイズとなっており、前回ご来場の方にも嬉しい仕様となっているのだそうです。
<舞台『モノノ怪~座敷童子~』あらすじ>
「私は、どうしても産みたいんです!」
老舗宿に駆け込んだ訳ありの女・志乃は、お腹の赤子のためにどうしても泊めて欲しいと懇願する。
根負けした女将・久代に開かずの間に通された志乃は、居合わせた薬売りと共に奇怪な現象に巻き込まれていく。
薬売りが斬りに来たと言うモノノ怪の正体と、開かずの間に隠された秘密とは?――。


舞台『モノノ怪〜座敷童⼦〜』は、3月24日まで東京公演が行われ、3月29日よりCOOL JAPAN PARK OSAKA WW ホールにて大阪公演、4月4日よりIMM THEATERにて東京凱旋公演がそれぞれ上演。詳細はInformationから公式サイトをチェックしてください。


☆Information
舞台『モノノ怪〜座敷童⼦〜』(読み ブタイ「モノノケ〜ザシキワラシ〜」)

【原作】モノノ怪「座敷童⼦」
【脚本】⾼橋 郁⼦
【演出・映像】ヨリコ ジュン

【公演⽇程】
東京︓2024年3⽉21⽇(⽊)〜24⽇(⽇)
⼤阪︓2024年3⽉29⽇(⾦)〜31⽇(⽇)
東京凱旋︓2024年4⽉4⽇(⽊)〜7⽇(⽇)

【会場】
東京・東京凱旋︓IMM THEATER
〒112-0004 東京都⽂京区後楽 1-3-53
⼤阪︓COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
〒545-0002 ⼤阪府⼤阪市中央区⼤阪城 3-6

【出演者】
薬売り:新木宏典
徳次:西銘 俊/白又 敦 ※Wキャスト
少年徳次:大平峻也
志乃:岡田夢以
久代:新原ミナミ
フク:加藤里保菜
ボボ:中村哲人
ステ:⽥上真⾥奈
トメ吉:西 洋亮
イチ/直助:高山孟久
若き久代:井筒しま
ヤス:波多野⽐奈
フジ:藤原ひとみ
モト:⻑島静莉奈


【チケット料⾦】全席指定(特典付き)13,000円(税込)、全席指定(特典なし)11,000円(税込)
【チケットに関するお問合わせ】
公演事務局 0570-200-114(11:00〜18:00※⽇・祝休業)

【主催】舞台『モノノ怪〜座敷童⼦〜』製作委員会
【制作】Office ENDLESS

【公演に関するお問合せ】 info@officeendless.com(平⽇ 10:00〜17:00)

【公式サイト】
https://officeendless.com/sp/mononoke_stage

【公式X(旧Twitter)】
@mononoke_stage

ハッシュタグ「#モノノ怪」「#モノステ」

©舞台『モノノ怪〜座敷童⼦〜』製作委員会

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