鈴木拡樹×矢崎広×本田礼生「本当に芝居を好きな人が集まった」、25年後の演劇界トークも!毛利亘宏演出・少年社中の25周年ファイナルを飾る舞台『テンペスト』2024年1月開幕SPインタビュー

毛利亘宏氏が率いる、劇団“少年社中” 25周年の集大成! 少年社中 25周年記念ファイナル 第42回公演『テンペスト』が、2024年1月に東京・大阪にて上演されます。
スマートボーイズでは今作のキャストより鈴木拡樹さん、矢崎 広さん、本田礼生さんにSPインタビュー! 公演への意気込みや、25年後の演劇界についても語っていただきました。
(左から)矢崎 広さん、鈴木拡樹さん、本田礼生さん
毛利亘宏氏の脚色・演出により、ウィリアム・シェイクスピアの「テンペスト」をモチーフとして、少年社中では4度目のシェイクスピア作品に挑む今作。
キャストには井俣太良さんをはじめとする少年社中の劇団員に加え、鈴木拡樹さん、本田礼生さん、萩谷慧悟さん(7ORDER)、なだぎ武さん、山﨑雅志さん(劇団ホチキス)、鈴木勝吾さん、矢崎 広さんと、少年社中に縁深いキャストから初めましての新たな魅力溢れるキャストまで、豪華メンバーが集結しました。
舞台『テンペスト』キービジュアル
舞台『テンペスト』キービジュアル(集合Ver.)
また今作では<日替わり出演者>として、各公演に少年社中に縁のある俳優があるシーンに登場し、25周年ファイナルを彩るというスペシャルな試みも実施されます。

■少年社中 25周年記念ファイナル 第42回公演『テンペスト』
鈴木拡樹さん×矢崎 広さん×本田礼生さん インタビュー

――少年社中 25周年記念ファイナルを飾る『テンペスト』は、劇団メンバーに客演キャスト、そして劇団にゆかりのある日替わり出演者を迎え、まさに少年社中の皆さんがご一緒したい方々を集めた作品かと思います。
これまでにも少年社中に出演したことのある鈴木さん、矢崎さん、そして今回が初参加となる本田さんは、お話をいただいてどのように感じられましたか?

鈴木拡樹(以下、鈴木) まず、劇団として25周年を迎えられることが素晴らしいですけど、少年社中はこれからもさらに飛躍していく劇団だと思っているので、その大切な節目に参加させてもらえることが何よりも嬉しかったです。劇団を大好きな一人としても、今回の公演を成功させて景気よく次の30周年に向かってほしいな、という気持ちで頑張りたいと思っています。
鈴木拡樹さん
――同じく矢崎さんも、たびたび「少年社中の大ファン」と公言されていますよね。

矢崎 広(以下、矢崎) そうですね、僕のファンとしての思いも通じたと言いますか(笑)。こうして25周年のお祭りに参加できることは、これまで少年社中と関わってきた中でもすごく嬉しい出来事だなと思いますし、だからこそ頑張んないといけないなと思っています。
矢崎 広さん
――そんなお馴染みのお二人に続き、初参加の本田さんはいかがでしょうか?

本田礼生(以下、本田) 僕は、25周年という大切なタイミングでお話をいただけてすごく光栄だと思っていたんですが、キャストのラインナップを見た時に、さらにワクワクが溢れ出しまして! 今日取材でご一緒しているお二方もそうですし、「この方々とご一緒できるんだ!」という嬉しさ、楽しみな気持ちが一番強かったです。
本田礼生さん
――今作は、“シェイクスピアの『テンペスト』を上演する人気劇団”の物語となり、皆さんは俳優役を演じるとのこと。“劇団を舞台に、演劇人を演じる”という題材はいかがですか?

鈴木 僕は率直に面白いなと感じましたし、お客さんの中にも「演劇ってどういう過程で作られていくんだろう」ということに興味を持っている方もたくさんいらっしゃると思うんですよね。「こういうトラブルはこういう風に解決しているんだ」とか、実は裏側を見てもらうことで笑いに繋がる部分もあると思うので、この作品を通して、また違う角度から演劇の楽しさが伝えられるんじゃないかなと思っています。

矢崎 確かにそうですね。今回の我々は少年社中にゲスト出演することになりますが、“少年社中という劇団が作る、劇団員の芝居”というのは何かまた新しい、そして面白い試みだと思います。僕たち自身もどうなるんだろう、と楽しみにしながら作っていきたいなと思います。

本田 僕は、プロットを見た段階で全てが斬新に感じられる作品でした。自分のためにも、今はできるだけこの作品に関わる情報を知ろう、って色々と模索しているタイミングですね。
――今作については皆さんもまだまだ予想段階かとは思いますが、公演の見どころになりそうな点や、期待していることはありますか?

鈴木 まず、日替わり出演者の中に森 大さんがいるんですよ!

矢崎 そう~、それですよ! 森さんがいるって、めちゃくちゃ嬉しかったな。だって俺、二度見しましたもん。「も、森さん!?」って(笑)。

――少年社中の元メンバーでもある森さんを、節目を飾る日替わり出演者としてまた迎える、というのは劇団の歴史を見てきたファンの皆さんにとってもすごく嬉しい出来事ですよね。

矢崎 これはね、少年社中的にはもう激アツですよ! 僕は少年社中の舞台『モマの火星探検記』で、森さんが劇団員として最後に演じた宇宙飛行士のモマ役を再演から演じさせていただいたんですが、「ついに、あの宇宙に旅立った人が帰ってくる!」という気持ちで(笑)。僕はそれぐらい少年社中が好きなので、森さんがこの25周年というタイミングで帰ってくるというのは熱い展開だし、すっごく楽しみです。

鈴木 あと僕は、なだぎ武さんとご一緒できることが楽しみですね。僕はタレントさんとしてもなだぎさんのファンなんですが、役者として演じていらっしゃる姿も好きでして。今回、初めて共演させていただくので、稽古場ではどんな感じでいらっしゃるのかなとすごく興味があります。

本田 このキャストのラインナップを見ると、もうそれだけで見どころになっちゃうんじゃないかっていうくらいの豪華さなんですけど、そこでちょっと強気なことを言いますと、「この中に僕もいるんだぞ!」と。ここに選ばれたことを自覚して、僕の存在も見どころの一つにできればいいなと思っています。
――座組としては劇団員と客演キャストが半々程度となりますが、稽古場はどのような雰囲気になりそうでしょうか?

矢崎 今回、一つ新しいなと思っていることがあって、女性の客演キャストがいないんですよ。

鈴木 あっ、確かに。

矢崎 劇団員の女性陣はいますけども、客演キャストは男性だけなんです。少年社中の公演では、いつも一人か二人は女性の客演もいるイメージだったので、最初は単純に「今回は女性がいないんだ、新しいな」と思ったんですけど、そこに何か意図はあるのかなって考えて……あえて男臭くというか、そういう劇団の感じももしかしたら求めているのかな、って勝手に感じていました。

鈴木 僕は、「本当に芝居を好きな人が集まったな」という印象でした。特に、山﨑雅志さんとは少し前にも共演していたので(2023年9月~10月上演・舞台『最遊記歌劇伝-外伝-』)、「本当に芝居が好きなんだな」と知っていて。というのも、僕と山﨑さんがお話ししていた時に、僕が「山﨑さん、お芝居は好きですか」って質問したら、僕が言い切る前には「好きだよ!!」って食い気味の笑顔で答えてくれて(笑)。

矢崎・本田 アハハ!

鈴木 「うん、これはもう芝居が好きだな!」と(笑)。山﨑さんに限らず、それぐらい前のめりにお芝居を好きな人たちが集まっていると思うので、今回は完成した作品自体も楽しみですけど、作っていく過程も楽しめるカンパニーだと思いますね。
――本田さんにとっては先輩となる方々が多い座組かと思いますが、緊張するお気持ちもありますか?

本田 緊張よりもまずは、僕が「この人とご一緒したい!」と思っていた先輩方ばかりだったので、それが叶ったことが嬉しくて。しかも、「思っていた先輩方が一気に!」という感じなので、「お正月とクリスマスと誕生日がまとめてきた!」みたいな感じです(笑)。

――鈴木さんがお正月で、矢崎さんがクリスマスで(笑)。

鈴木・矢崎 アハハ!

本田 だから、不安とか緊張は意外と感じていなくて。何よりワクワクしているのと、拡樹さんも言ってくださったように、作っていく過程から見られるのは出演する役者の特権だと思っているので、皆さんの稽古の様子を見られることが純粋に楽しみです。
――そんな座組を率いる演出家の毛利さんとは、皆さんは様々な作品でご一緒していらっしゃいますね。トークショー等の場でお話されている姿では柔和な印象のある毛利さんですが、皆さんから見た稽古場での印象はいかがでしょうか?

鈴木 毛利さんはもう本当にそのまま、皆さんが知っている通りの穏やかな方ですよ。ただ、演出家としてお芝居を見ている時は、確実に目が違います。やっぱり見方が違うというか、何か独特の姿勢があるような……。

矢崎 うん。目に炎が宿っているというか、メラメラと見つめているような感じがあります。

本田 僕は毛利さんとは、最初に「演劇の毛利さん」という企画の朗読劇でご一緒して、僕から「またご一緒したいです」とお話しして。で、次に東映ムビ×ステの映画・舞台『仁義なき幕末』という作品があって、その時にも「またご一緒したいです」とお話ししたら、今回は少年社中さんに呼んでいただけたので、「嫌われてはいないのかな」と安心しております(笑)。

鈴木・矢崎 アハハ!

――毛利さんとの関わりを振り返ると、鈴木さんが初めて舞台でご一緒したのは2009年に上演された少年社中の舞台『ロミオとジュリエット』になりますね。

鈴木 そうですね、毛利さんと知り合ったのはもう少し前になるんですけど、演出作に初めて出演してからでも15年と、すっかり長いお付き合いになりましたね。あの頃の僕に色んな演劇の楽しさを教えてくれたのが少年社中であり、毛利さんかなって思います。
矢崎 僕も毛利さんとの出会いはもう少し前なんですけど、初めて少年社中の公演に出たのは劇団15周年の舞台『贋作・好色一代男』(2014年上演)なので、もう10年が経っていて。こうして、また25周年で参加できるのはすごく感慨深いですね。

――ではここで、25周年にもちなんだ質問を。少年社中が歩んできた25年間は皆さんの半生よりも長い時間となりますが、今から25年後の皆さんはどうなっていると思いますか?

鈴木 25年って、リアルに考えるとめちゃくちゃ長いじゃないですか。でも、自分が役者になってからの年月を振り返ってみると、意外とあっという間なんじゃないかなって気もするんですよね。

矢崎 確かにそう! 僕は役者になってから20年が経ちましたけど、本当にあっという間でした。あっという間だからこそ、一年一年を大事にしないとなって思っていますし……「えっ、もう今年終わるの!?」って毎年思いますもん(笑)。

本田 それは僕も思います(笑)。

鈴木 25年後の演劇って、どんな風になっているんだろうね? 現代の舞台でも、映像が使われるようになったり、照明でもムービングっていうものが出てきたり……マイクの受信機だってあんなに小っちゃくなって、僕が芝居を始めた頃はもっと大きかったですから。そういう発展も著しいから、25年後は予想がつかないよね。

矢崎 あと20年も経ったらさ、もうAIが人間を超えちゃうらしいよ。なんか、すごいことになるらしい。だからもう役者は必要とされず、全部AIになっているかもしれない。

本田 ええ~! それはちょっと困りますね。

鈴木 いやいやでも、舞台には古き良き魅力というのもあって。レトロな演出がまた刺さったりする場合もあるから、舞台役者は生き残れないかな。ダメかな?(笑)

矢崎 だからこそ、僕たちは“人間らしさ”とか“生っぽさ”っていうところをすごく大事にしてきたし、今もその魅力はずっと生き残っていて。どんなに色々なことが進んでも、25年後にもそういうものが残っているといいな、と思うんですけど……。

本田 その頃の演劇界って、どんな作品をやっているんでしょうね?

矢崎 ね、なんだろう。『アンパンマン歌舞伎』とかかな(笑)。

鈴木 アハハ、やってそう! 25年経っても、アンパンマンは人気ありそうだよね(笑)。

矢崎 役者は皆そう思っていると思いますけど、数あるエンタメの中でも、舞台というもの自体はなくならないんじゃないかと思っています。さっき拡樹くんが言ったように、レトロな演出が刺さったりとかして。ただ、カルチャーとしては想像できないぐらいもっと色んな枝分かれをしているだろうなと思いますし、その中で自分は何をやっているのかなぁ。

本田 まだ今は存在していない、新しいジャンルの演劇があるかもしれないですしね。

鈴木 役者の生っぽさと、AIとかの最新技術って、うまく組み合わせたら今以上のもの、今はまだ想像もできていない作品が生まれる可能性もあると思うよ。その時にまた、昔あった作品をリメイクしたりすると一段と面白くなるんじゃないかな。
――「25年後のご自身はどうなっているか」と聞いて、皆さんが自然と25年後の演劇界について考えているのは、当然に25年後も演劇をやっているはず、ということですよね。

鈴木 確かに、直結していましたね(笑)。でも、そうありたいなと思います。

――25年後の前に、まずは『テンペスト』での2024年の幕開けを楽しみにしています。それでは最後に、公演を楽しみにされている皆さんへのメッセージをお願いします。

本田 25周年という、大切な歴史の節目に参加できることをとても嬉しく思いますし、このタイミングでの初参加、そして僕を呼んでくださった意味をしっかりと考えたいと思います。今回は僕の役柄も、劇団の中でなんとか周りの人たちを繋ごうとして、逆にわちゃわちゃとさせるような立ち回りになりますので、そういう意味でも新しい風を起こすことができればいいな、と思っております!
矢崎 僕もそうでしたが、この『テンペスト』の公演情報、そしてキャストが発表されて、少年社中ファンの皆さんもすごくワクワクしたと思うんです。そんな皆さんと、そして僕自身の期待も同時に超えていける公演になるように。25周年のファイナルとして、これからの少年社中を盛大に送り出していけるような公演にしたいと思いますので、ぜひたくさんの方に見ていただきたいです!
鈴木 さっき「25年間も経てば色々な進歩がある」というお話をしましたけれど、少年社中には強い魅力の一つとして、魂を揺さぶるような、役者たちがぶつかり合う芝居を生で感じられる、というずっと変わらない部分もあります。今回も、カンパニー一同の圧倒的な人間力で勝負していけたらいいなと思いますので、皆さんもそれを肌で体感して、観劇していただけると嬉しいです。ぜひ、ご期待ください!
(インタビュー 了)

少年社中 25周年記念ファイナル 第42回公演 『テンペスト』は、東京公演が2024年1月6日~21日までサンシャイン劇場にて、続いて大阪公演が2024年1月25日~28日まで梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演されます。ほか公演概要・最新情報は、下記のInformationより公式サイトをご確認ください。

ヘアメイク=AKI(鈴木拡樹) 城本麻紀
スタイリスト=小田優士

衣装=【鈴木】カーディガン(TUITACI/03-6453-4410) シューズ(71MICHAEL/03-3865-0477)

☆Information
■少年社中 25周年記念ファイナル
第42回公演 『テンペスト』

原作:ウィリアム・シェイクスピア
脚色・演出:毛利亘宏

日程・会場:
<東京公演> サンシャイン劇場 2024年1月6日(土)~21日(日)
(東京都豊島区東池袋3-1-4 サンシャインシティ文化会館4階)

<大阪公演> 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ 2024年1月25日(木)~28日(日)
(大阪府大阪市北区茶屋町19-1)

出演:
井俣太良 大竹えり 田辺幸太郎 長谷川太郎 杉山未央 山川ありそ 内山智絵 川本裕之
鈴木拡樹 本田礼生 萩谷慧悟(7ORDER) なだぎ武 山﨑雅志(劇団ホチキス) 鈴木勝吾 矢崎広
& 日替わり出演者
(日替わり出演者の詳細は、公式サイトをご確認ください)

チケット情報:一般発売中 <全席指定> ※未就学児入場不可
一般:9,500円(税込)
U-19:2,000円(税込 19歳以下枚数限定)
社中ありがと割:8,500円(税込)

企画・製作:シャチュウワークス・東映

お問合せ:少年社中
(〒164-0001 東京都中野区中野5-24-18 クロス・スクエアNAKANO 804)
MAIL:info@shachu.com TEL:03-3228-4998

≪公演特設HP≫
http://www.shachu.com/tempest/
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