木村達成「美しく、よごれた、けがれのない魂を堪能していただきたい」須賀健太「人間の奥底にある気持ちの高まりを感じて頂けたら」舞台『血の婚礼』が開幕、ゲネプロオフィシャルレポート&コメントUP

舞台『血の婚礼』が、2022年9月15日より東京・Bunkamura シアターコクーンにて開幕を迎えました。
『血の婚礼』はスペイン文学を代表する劇作家で詩人のロルカによる“愛の悲劇”。実際に起きた事件を元に1932年に執筆され、翌年にロルカ自身の演出によりスペインで初演、同年にアルゼンチンでも上演された、ロルカの3大悲劇の1作です。

キャストは、一人の女性を奪い合うレオナルドと花婿を演じるのは、ミュージカルはもちろんのこと近年ではストレートプレイや映像でも存在感を放つ木村達成さんと、幅広い作品で活躍する実力派となった須賀健太さん。それぞれ今までにない情熱的な男に挑戦します。かつてはハイパープロジェクション演劇『ハイキュー‼』で共演しバディとして抜群のコンビネーションをみせた2人が、本作では命を懸けて争う、ライバル同士を演じます。

レオナルドと花婿の間で揺れ動く花嫁役には、早見あかりさん、息子を溺愛する“花婿の母親”を演じるのは、安蘭けいさん。さらに、南沢奈央さん、吉見一豊さん、内田淳子さん、大西多摩恵さんら実力派俳優が集結。
また、音楽を古川麦氏とHAMA氏が務めます。

スマートボーイズではオフィシャルレポートと、舞台写真(撮影:宮川舞子、サギサカユウマ)、演出・杉原邦生氏、木村達成さん、須賀健太さん、早見あかりさん、安蘭けいさんのコメントをお届けします。

【ストーリー】
南スペインのアンダルシア地方のとある村。母親(安蘭けい)と二人暮らしの“花婿”(須賀健太)は、父親と二人暮らしの“花嫁”(早見あかり)と結婚したいという想いを母に告げる。母親は、溺愛する息子の成長を喜びつつも、ただ一人の家族の旅立ちに複雑な想いがのこる。花嫁は優しく家庭的な娘と聞くが、気にかかる噂がある。息子と恋仲になる以前、心を通わせた男がいるという。男の名はレオナルド(木村達成)。かつて、レオナルドの一族に母親の夫と息子は殺されたのであった。
レオナルドは花嫁との恋が破局した後に、花嫁の従妹と結婚し、今は妻子と姑との四人で暮らしていた。レオナルドの友人でもある花婿は、心配ないと母に明るく語る。
花嫁は、花婿と幸せな家庭を築くと決意していた。しかし、花嫁の目の前に現れたのは、かつての恋人・レオナルド。思いもよらない人物の出現に激しく心が揺さぶられる花嫁。忍び寄る不穏な闇――。
2人の男の愛がひき起こす、婚礼の日に起きる悲劇とは――。

【オフィシャルレポート】
スペインの伝説的劇作家、フェデリコ・ガルシーア・ロルカによる最高傑作とも謳われる官能的な愛の悲劇『血の婚礼』。本作は、スペインのアンダルシア地方で実際に起きた事件を元に1932年に執筆され、世界中で上演が繰り返されている名作戯曲。
この古典とも呼べる作品を、独自の感性で観客に新鮮な驚きを与える気鋭の演出家・杉原邦生が、全く新しい『血の婚礼』を創り上げた。
舞台美術家でもある杉原が、トラフ建築設計事務所と共に創り上げた舞台美術がこの作品の独創性を表す。舞台上に敷き詰められた、スペインを思わせる赤土と、頭上の照明機材のアンバランスさが印象的。二幕ではそれがガラリと変わる。

スペイン最高の詩人とも言われたロルカの戯曲は韻文…詩的な言葉の連続となるセリフが特徴的だが、それを時に歌で、時にコンテンポラリーダンスに合わせ、はたまたじっくりと言葉だけで聞かせるなど、様々な手法で熱量高く言葉を届ける。そのエネルギーに、客席は圧倒されていく。
望まぬ結婚をし、過去に愛した女性を忘れられず葛藤するレオナルドは、ミュージカルの新たなスターとして大作の主演を務め、映像作品でもその実力を魅せる木村達成。今までにない色気を漂わせ、愛に苦しむ男を演じる。
結婚式当日に、花嫁を奪われレオナルドと対峙することになる“花婿”は、数々の映像作品で活躍しながらその演技力を舞台でも発揮している須賀健太。心優しい息子が狂気へと走る姿が印象的。二人の情熱がほとばしるアクションは目を奪われる。
早見あかりは、抑圧から逃れようと大胆な決断をする“花嫁”を神々しい力強さで演じる。
そして、過去に囚われ息子を縛る“花婿の母親”を演じる安蘭けいは、この世界の加害者でもあり被害者でもある女性を体現し、もう一人の主役とも言える。

“愛”に対する力強いエネルギーと、抑圧された環境から抜け出そうとする葛藤が感じられる本作。“男らしさ・女らしさ”という因習に縛られたがゆえに悲劇を招く様子は、アイデンティティを発信していく時代へと変化の真っ只中にある現代の私たちに、新鮮な発見を与えてくれるだろう。

【ゲネプロ後の演出家・キャストコメント】
■演出:杉原邦生
ゲネプロを観ていて、自分の中で何かがたぎっていく感覚を覚えました。素晴らしい俳優とスタッフによって劇場にいま立ち現れた『血の婚礼』の世界は、遠いようで確かに目の前にあり、わからないようで確実に自分の中にもある。そんな作品になっていると思います。人と人とがどうしようもなく生身でぶつかり合う様を、ぜひ劇場でともに体感していただきたいです。皆さまのご来場をお待ちしております!
■木村達成(レオナルド役)
杉原邦生大将の下、約5週間の稽古を経て、つい先ほど最終舞台稽古を無事に終えることができました。
みなさまに、美しく、よごれた、けがれのない魂を堪能していただきたいと心から願っています。
劇場でお待ちしてますね。
■須賀健太(花婿役)
まず、無事初日を迎えられる事をなにより嬉しく思っています。
この作品の根本にあるのは、人間の持つ様々な感情や、人と人が作用し合うことの面白味だと感じています。
この戯曲が書かれた時代から変わらず人間の奥底にある気持ちの高まりを客観的に感じて頂けたら嬉しいです。
大変な状況が続いていますが、ぜひ劇場にお越しください。
■早見あかり(花嫁役)
まずは無事にゲネプロが終わり、明日の初日を迎えられることに一安心です。こんなに悩んで考えて、台本が見辛くなるほど文字を書き込んだのは初めてでした。その度に助けてくれた杉原さん、カンパニーの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。正直お客さまにどう届くか、楽しみであり少し不安ですでもあとはやるしかない。とにかく観に来てください。全力のエネルギーをお届けします。
■安蘭けい(母親役)
劇場入りして、衣裳を着てセットを組んでいる舞台に立つと、緊張感と集中力が高まり、稽古場では出来なかったことがゲネプロでできました。初日に向けてとても手答えを感じています。
『血の婚礼』という作品の、また新しい形の舞台が出来上がっていると思うので、ぜひ期待を膨らませて劇場に来て頂きたいです。
その期待に応えられるような舞台が出来てると思いますので、楽しみにしてください。
(左から)古川麦氏、 巌裕美子氏、 HAMA氏
舞台『血の婚礼』は、9月15日~10月2日までBunkamura シアターコクーンにて東京公演、10月15日/16日に梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて大阪公演が上演されます。公演詳細についてはInformationより公式サイトをご確認ください。

☆Information
舞台『血の婚礼』
東京公演:2022年9月15日(木)~10月2日(日) Bunkamura シアターコクーン
大阪公演:2022年10月15日(土)/16日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

【キャスト】
木村達成
須賀健太
早見あかり

南沢奈央
吉見一豊
内田淳子
大西多摩恵
出口稚子
皆藤空良
澤田理央/脇山桃寧(Wキャスト)

安蘭けい

<演奏>
古川麦
HAMA
巌裕美子

【原作】フェデリコ・ガルシーア・ロルカ
【翻訳】田尻陽一
【演出】杉原邦生
【音楽】角銅真実、古川麦

【チケット】(全席指定・税込)
S席:9,800円
A席:7,800円
コクーンシート:6,000円
※コクーンシートは、特にご覧になりづらいお席となります。
ホリプロステージ

《公式サイト》
https://horipro-stage.jp/stage/chinokonrei2022/
《公式Twitter》
@chinokonrei

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