木村達成・須賀健太・早見あかり・安蘭けいら出演、9/15開幕の舞台『血の婚礼』稽古場オフィシャルレポートをUP!9/9夜6時より稽古場からインスタライブを実施

2022年9月15日より東京・Bunkamura シアターコクーンにて上演される舞台『血の婚礼』より稽古場オフィシャルレポートが到着、ご紹介します。

今作は、スペインの伝説的劇作家、フェデリコ・ガルシーア・ロルカの三大悲劇のうちの一作。官能的で、情熱的で、悲劇的で、詩的。独特の魅力を持つこの骨太な戯曲に、木村達成さん、須賀健太さん、早見あかりさんら若き才能たちが体当たりで挑んでいます。

【稽古場オフィシャルレポート】
稽古場に入ると、スペイン・アンダルシアの乾いた風の匂いが漂ってくるかのような、象徴的なセットが目に飛び込んでくる。そう、舞台はアンダルシア。“花婿”と“花嫁”は結婚を控えていて、それは喜ばしいことなのだが、“花婿”の母親は、自分の夫がある一族に殺されたことを忘れていない。そして“花嫁”のかつての恋人レオナルドは、その親族である……。逃れられない血の宿命と土地への執着、愛の衝動が絡まり、悲劇を引き起こしていく物語だ。
(左から)母親役:安蘭けいさん、花婿役:須賀健太さん、花嫁の父役:吉見一豊さん
(左から)レオナルド役:木村達成さん、花嫁役:早見あかりさん、女中役:内田淳子さん
レオナルドの妻役:南沢奈央さん
(左から)母親役:安蘭けいさん、演出:杉原邦生さん
演出の杉原邦生の「よし、やってみよう!」という明るい声を合図に始まったこの日の稽古。シーンは第二幕の半ばあたり。レオナルドと“花嫁”“花婿”の三角関係、そしてレオナルドの親族と“花婿”の父親の因縁などが浮かび上がる中、その不穏さを覆い隠すかのように賑やかに結婚式が始まる。チェロ、アコースティックギター、パーカッションの生バンドもすでに入り、フォークロア調の婚礼の歌が奏でられている。楽しげなのに、どこか郷愁を誘うその旋律が絶妙だ。
祝祭感に満ちた空気の中、まわりの光量すら一段暗く感じるような一人異質な雰囲気を出しているのがレオナルド役の木村達成だ。台詞もなくスっと部屋に入ってきただけで目を惹く存在感。稽古着ながら、乱雑にまとめた髪に黒のロングブーツの似合う、ワイルドさ。木村がこれまでに演じてきた役とはひと味違う、新たな魅力だ。
甘い愛の言葉を交わす“花婿”と“花嫁”は須賀健太と早見あかり。しかしながら本心から優しく花嫁を慈しんでいるのが伝わってくる“花婿”に対し、何かを恐れるように「あんたの傍から離れない」と言う“花嫁”の温度差にもまた、不吉さが漂う。

同じくどこか尋常ではない気配を感じている南沢奈央扮するレオナルドの妻……。祝杯があげられ、祝福のダンスが踊られる華やかな雰囲気の中、それぞれのキャラクターの一筋縄ではいかない心情が少しずつ露わになっていく。
さらに安蘭けい扮する“花婿の母親”。けして忘れぬ憎しみを抱きながらも息子の幸せを願い、一方で何か良くないことが起きるのを予感しているような、しかしそうならないことを祈ってもいるような複雑な内面を、巧みな台詞まわしで表現。
とりつくろった表の顔と、押し殺した内面を的確にみせていくキャスト陣の演技で、祝祭の空間はどんどん不穏さを増していく。そして、花嫁は姿を消す――。
花嫁の不在が判明する場面では、「突然コトが起こりすぎる感じがするので、段階を追って整理していきます」と杉原。その言葉どおり、どの情報が誰にどう伝わっていくのかが明確に整理され、「何が?」「もしかして」「まさか」と、キャラクターたちの心情の変化がなめらかになっていく。ひとつひとつ布石を打っていくかのような杉原の理知的な演出で、緊張感がマックスになったところで第二幕が終わる。物語はこのあと、彼らの愛や激情がむき出しになる第三幕へ。第三幕では、ロルカの詩情溢れる戯曲の魅力もさらに色濃くなる。このカンパニーがどんな狂おしい愛を描き出していくのか、楽しみにしたい。

(撮影:宮川舞子・サギサカユウマ、取材・文:平野祥恵)

舞台『血の婚礼』は10月2日まで上演。また9月9日18時より稽古場からInstagramライブを実施。演出の杉原邦生さんが、最終稽古直後の出演者を迎え、開幕を控えたまさに今だからこその気持ちを演出家としての視点を交えてインタビューしていくとのこと。
詳細はInformationから公式サイトをチェックしてください。

☆Information
舞台『血の婚礼』

<東京公演>
期間:2022年9月15日(木)~10月2日(日)
会場:Bunkamuraシアターコクーン
主催・企画制作:ホリプロ

<大阪公演>
期間:2022年10月15日(土)~16日(日)
会場:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
主催:梅田芸術劇場
https://www.umegei.com/schedule/1064/

<スタッフ>
原作:フェデリコ・ガルシーア・ロルカ
翻訳:田尻陽一
演出:杉原邦生
音楽:角銅真実、古川麦
美術:トラフ建築設計事務所
照明:齋藤茂男
音響:稲住祐平(エス・シー・アライアンス)
衣裳:早川すみれ(KiKi inc)
ヘアメイク:国府田圭
振付:長谷川風立子(プロジェクト大山)
殺陣:六本木康弘
演出助手:河合範子
舞台監督:足立充章

<キャスト>
木村達成
須賀健太
早見あかり

南沢奈央
吉見一豊
内田淳子
大西多摩恵
出口稚子
皆藤空良

安蘭けい

<演奏>
古川麦
HAMA
巌裕美子

【チケット】
S席:9,800円
A席:7,800円
コクーンシート:6,000円
(全席指定・税込)

パエリアランチ券付S席ペアチケット:22,000円
スペインワイン付S席チケット:10,000円
ドゥ マゴ パリ デザートセット付S席チケット:10,300円

■稽古場からお届け!Instagramライブ実施決定

<日程>
9月9日(金)18:00~(約20分予定)
※アーカイブあり

<配信アカウント>
ホリプロステージ公式Instagramアカウント
https://www.instagram.com/horipro_stage


【公式サイト】
https://horipro-stage.jp/stage/chinokonrei2022/

【公式Twitter】
https://twitter.com/chinokonrei #舞台血の婚礼

関連News