新装紀伊國屋ホールこけら落とし公演である、第一弾『新・熱海殺人事件』(6月10日開幕)と、第二弾『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン～復讐のアバンチュール～』(6月24日開幕)の舞台挨拶とゲネプロ(一部)が、6月9日に新宿・紀伊國屋ホールにて行われました。

スマートボーイズでは、会見と一部シーンの公開稽古をフォトレポート。後編では『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン～復讐のアバンチュール～』の模様をたっぷりお届けします。

耐震補強工事と内装一新のため1月末に改修に入った新宿・紀伊國屋ホールが、6月に改修後の柿落とし公演をスタート。日本の演劇の聖地として57年の伝統を誇る新しい紀伊國屋ホールの演劇公演第一弾を飾るのは、つかこうへい氏の伝説的作品である「新・熱海殺人事件」。紀伊國屋ホール57年間の歴史の中で最も上演され、演劇に携わる人間であれば、誰しも紀伊國屋ホールと聞けば「熱海殺人事件」を連想する。第18回岸田戯曲賞を受賞し、後に映画化され、演劇界につかブームを巻き起こしました。新しい紀伊國屋ホールの柿落としにあたり、伝説と呼ばれる名作を新しい演出で、現代日本に復刻されます。

昨年、つかこうへい氏没後10年の節目に開催された「つかこうへい演劇祭」の中で、『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン』と銘打ち、中屋敷法仁氏が演出を手掛け上演されました。しかし、感染症の猛威によって、全ての日程を全うすることなく公演中止を余儀なくされ、１年越しに『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン～復讐のアバンチュール～』とパワーアップして再び上演されます。

主演の木村伝兵衛部長刑事は、見事なパフォーマンスと妖艶で狂気的な演技で観客を圧倒した多和田任益さんが、『新・熱海殺人事件』（熊田留吉役）から続けざまに出演を果たします。木村伝兵衛に翻弄されながらも事件を捜査する速水健作刑事は、高いポテンシャルを証明し、圧倒的な熱量で輝きを放った菊池修司さん。ヒロインの水野朋子婦人警官は、女優としての新境地に到達し、その悲哀を見事に演じ切った、元HKT48の兒玉 遥さん。そして容疑者・大山金太郎は、数多くの舞台経験に裏打ちされた風格で、作品や座組の根幹を担った鳥越裕貴さん。演出は、高い演劇教養と演出力で異端な戯曲を見事に昇華した中屋敷法仁氏が再びその腕を振るいます。

【会見レポート】

◎役どころと意気込み
去年初めての、『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン』を演じさせていただいたんですけれども、本編でも異端と呼ばれている作品です。去年の公演はコロナの影響で、千秋楽がなくなってしまって、出演者やスタッフ、お客さんも含めて悔しい思いをして幕を閉じた公演でした。こうしてまた再び同じメンバーで集まれて、第二弾として続けてやらせていただける事はありがたいことですし、楽しくやらせていただいております。前回よりもパワーアップしてます！ 再演と聞いてはいたんですけれど、全然再演じゃないです！(笑)。改竄にさらに改竄を重ねられてほぼ新作といってもいいぐらい、バージョンアップしておりますので、皆さんぜひ楽しんでいただけたらと思います。よろしくお願いします。

◎今回は”～復讐のアバンチュール～”とサブタイトルがついていますが、再び紀伊国屋ホールの舞台に立った感想をお聞かせ下さい。
この4人で帰ってこれると言う事は当たり前では無いですし、再演と聞いて集合したんですけれど、中屋敷さんがこの期間で、こんなに改竄するのはおかしいよってくらい改竄しているんです(笑)。本当にびっくりしたんですけれど、「君たちならできる」って言って下さっているので、中屋敷さんの言葉を胸に楽しんで演じていきたいと思います。

◎役どころと意気込み
1年ぶりに、同じメンバーでやらせていただけるという素敵な環境の中、またこうやって紀伊国屋ホールに戻ってこれるということは、すごくありがたく思っております。アバンチュールというタイトルが付けられているくらい、いろんな意味でアバンチュールになっていると思っております。(鳥越さんから「何言ってるんだお前」とツッコミが)すごく素敵な作品になっていると思うので、ぜひ足を運んでいただければなと思っています。よろしくお願いします。

◎役どころと意気込み
1人2役のような感じになっているんですけど、水野朋子は部長の愛人役ということで、みなさんが思っているような愛人とはちょっと違って複雑なんですが、部長への思いを、愛し方を楽しみながら見ていただけたらなと思います。紀伊國屋ホールが新装されたということと、今回、再演とはなっているんですけど、また変更された部分もあるので、新鮮な気持ちでぜひたくさんの方に見ていただきたいです。よろしくお願いします。

◎役どころと意気込み
僕が役者としていろいろ経験させていただいたこと、そして人間として色々学んだことを全てこの役に注いで、今僕に出来る大山金太郎を見せたいなと思っております。



◎多和田さんは、2作連続上演となりますが、お稽古はどのようにされているんですか？また他のメンバーはその姿はどのようにごらんになっておりますか？

多和田：『新・熱海』が終わって、中3日で『改竄・熱海』の幕が開くんです。もちろんオフは無いですし、つい最近稽古が始まったばかりです。『新・熱海』の休演日とか、1公演しかない日に、僕はみんなを待ってここで『改竄・熱海』の木村をやるという頭がおかしくなりそうなスケジュールなんですけれど(笑)、頑張りたいです。周りのメンバーはびっくりしていました(笑)。スタッフの方ですら「お前大丈夫か？」って心配されたんですけれど。阿部寛さんがやられていた役なので、僕も俳優として大きくなりたいと言う気持ちもありますし、多和田任益として当たり役になりたいという気持ちもあるので、そのきっかけとなる作品にはすごくいいなと思ったので、2作続けてやり遂げて伝説を残したいなと思っています！

鳥越：すごい素敵なことを言っているけど、根本的には気が狂ってる。熱海を2連続でやるなんて考えられないですもん。

菊池：『新・熱海』と『改竄・熱海』の役があまりにも違うから、『新・熱海』の稽古が終わった後に、僕らの稽古で180度違うキャラクターを瞬時に切り替えて演じているので、さすがだなと思っております。

【フォトレポート】

『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン～復讐のアバンチュール～』は、6月24日より東京・紀伊國屋ホールにて上演。公演詳細についてはInformationより公式サイトをご確認ください。

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