【ヴァニステSP】菊池修司「ノエとして、舞台に立てる喜びを噛みしめて」一年越しの再演に挑む、舞台「ヴァニタスの手記」-Encore- 3/10開幕直前インタビュー特集

2022年1月、望月 淳の人気漫画を原作として上演された舞台「ヴァニタスの手記」が、舞台「ヴァニタスの手記」-Encore-として再演決定! 2023年3月10日より、東京・サンシャイン劇場にて上演を迎えます。
スマートボーイズでは本作のキャストより、初演では舞台に立つことが叶わず、再演にていよいよ念願を果たすノエ役の菊池修司さんにインタビュー。降板当時の悔しさから、ヴァニタス役を務める植田圭輔さんとの関係、そして改めて挑むノエ役への思いをたっぷりと語っていただきました。
舞台「ヴァニタスの手記」-Encore-に挑む、ノエ役の菊池修司さんが登場!
【作品紹介】
『ヴァニタスの手記』とは、「19世紀パリ×吸血鬼×スチームパンク」をテーマに、滅びゆく吸血鬼たちの物語が描かれる、月刊「ガンガンJOKER」(スクウェア・エニックス刊)にて連載中の望月 淳による漫画作品。
TVアニメも2021年7月から9月まで第1クール、2022年1月から3月まで第2クールが放送され、美しい世界観と魅力的なキャラクターたちによって紡がれる、謎多くも目の離せないストーリー展開は多くのファンを惹きつけ、人気を博しました。

そして、これを原作とする舞台「ヴァニタスの手記」は、2022年1月にシアター1010にて上演。惜しくも1ステージのみの上演で幕を下しましたが、2023年3月に舞台「ヴァニタスの手記」-Encore-として待望の再演が決定!
舞台「ヴァニタスの手記」-Encore- メインビジュアル
初演に引き続き、脚本・演出は山崎 彬氏が担当し、主人公・ヴァニタス役には植田圭輔さん、ノエ役には菊池修司さんが続投して出演。また、ジャンヌ役は新たに七木奏音さんが務めるほか、ドミニク役に澤田美紀さん、ルカ役に前田武蔵さん、ルイ役に矢代卓也さん、オルロック役に中村哲人さん、Dr.モロー役に鈴木理学さん、ルスヴン役に鷲尾 昇さん、ローラン役には丘山晴己さんが出演します。

【Introduction】
19 世紀フランス。
人間と吸血鬼(ヴァンピール)による過去の戦争の後、吸血鬼たちは人間を襲うことを禁じられ、そのほとんどが「境界」の向こう側の世界へと姿を消した。しかし、今なお人間の世界に混ざり暮らしている吸血鬼も多く、正体を隠しながら生活を続けている。

ある日、吸血鬼の青年・ノエは、先生に頼まれ吸血鬼に呪いを振りまくという機械仕掛けの魔導書“ヴァニタスの書”を探しにパリへと向かっていた。
パリ行きの飛行船の中で、とある事件に巻き込まれたノエの前に現れたのは、吸血鬼専門の医者を自称する人間・ヴァニタス。その手には、ノエが探していた“ヴァニタスの書”があり...。

蒼い月の下、二人の出逢いに導かれ、呪いと救いの吸血鬼譚がいま始まる。

■舞台「ヴァニタスの手記」-Encore- 開幕直前
ノエ役・菊池修司さん インタビュー

――今回は約一年越しの舞台「ヴァニタスの手記」再演となりますが、菊池さんにとっては初めて本番のステージに立てる公演となります。
初演時には、菊池さんは稽古をした上で本番に立てなかった悔しさや、カンパニーの仲間に対しても様々な感情を抱いたかと思いますが、まずはこの一年間の思いを聞かせていただけますか?

菊池修司(以下、菊池) やっぱり、このカンパニーへの想いは人一倍大きかったと思います。初演は僕が降板することになり、ノエ役は学(高本 学さん)が代わってくれて、結果としては一公演のみを上演することになったんですけど、自分がいないまま舞台の幕が開くことを当時はなかなか受け入れることができませんでした。
でも他の皆さんが、自分が作ってきたものを舞台でお見せできたことと、ノエは登場人物の全員と関わっていくキャラクターでもあったので、みんなのキャラクターを通して、僕が演じるノエも少し報われた気がして、今では1公演を繋いでくれたことに感謝しています。

――公私ともに仲が良く、盟友と呼べる間柄の高本さんが代役を務めてくださったというのも、菊池さんにとっては一番思いを託せる相手だったのではないでしょうか。

菊池 そうですね。学だからこそ、色んなことが可能になったと思いますし……あの短期間で務め上げてくれて、本当に学には感謝しかなかったです。
ただ、当時は自分の気持ちがついていけなかったので、今になって「もっと学に声をかけてあげられたらよかったな」とも思いますね。
――高本さんが演じられた公演の模様は、映像などでご覧になりましたか?

菊池 それが、当時はどうしても見られなくて……。

――「見られなかった」というのは、気持ちの上で、ということでしょうか。

菊池 はい。やっぱり「自分がやる予定だったのに」という思いが抑えられなくて。その時は自分の気持ちがさらに落ち込んでしまうのも嫌だなと思ったので、本番の配信は見ませんでした。
その後、アンコール公演が決まって、時が経ってから初演は見させていただきました。

――ご自身のやりきれない思いを、整理をするための時間が必要だったんですね。そうした経験を経た上で、一年越しに舞台「ヴァニタスの手記」の再演が決定となりましたが、最初に聞いた時はどう思われましたか?

菊池 まず何よりも、すごく嬉しかったです! コロナ禍の影響で中止になった舞台はたくさんありますけど、また上演できる、ほぼ同じキャストで再集結できるということは、圧倒的に叶わないことの方が多いので……きっと裏ではたくさんの方々が動いて下さったんだろうな、という感謝の思いもありますし、その恩返しとして僕にできることは、今回の舞台を成功させることにしかない。待っていて下さった皆様はもちろん、支えてくださった周りの方々に向けても、全力で頑張りたいなと強く思っています。
――では改めて、作品についてのお話を。菊池さんは初演の稽古を通じて、舞台「ヴァニタスの手記」について特に印象的に感じていたことはありますか?

菊池 全体的にファンタジックな世界観のお話ですし、原作には風景描写が素敵なシーンもたくさんあるので、最初は「TVアニメの映像ならこういう表現もできるけど、舞台ではこれをどうやって表現するんだろう?」と思っていたんです。
けど、アニメのように風景を転換できる訳ではなくても、生の空間でしか感じられない高揚感みたいなものは、色んなところに仕掛けられていて。「さすが山崎さん(脚本・演出の山崎 彬氏)だ」って思うような、舞台ならではの表現方法を魅力的に感じていましたね。

――その中で菊池さんが演じる役柄は、吸血鬼(ヴァンピール)の青年・ノエ役です。ノエには超人的な戦闘力があり、ビジュアル面でも普段の菊池さんとは異なる雰囲気の役柄かと思いますが、最初はどんな印象を持ちましたか?

菊池 確かに、ビジュアル面では今までにやったことがない感じで新鮮な役だなと思いましたけど、衣裳やヘアメイクの方々のお力に頼らせていただけるので、特に不安もなく。それに内面的な部分でも、ノエにはすごく親近感が湧くというか、彼の純粋で真っすぐな人柄は素敵だなと思ったので、演じる上での摩擦を感じることはあまりなかったですね。

――ノエは吸血鬼ながら、基本的には素直でどこかほのぼのとした印象があり、菊池さんの性格にも近いところがあるのでは、と思います。

菊池 そうですね。それに、「ヴァニタスの手記」自体にも、結構ポップに、コメディータッチで描かれている場面もありますし。そういう楽しい要素については、僕と(植田)圭輔さんが演じるヴァニタスとのバランスで、うまく表現していきたいなと思います。

――ちなみに原作のキャラクター紹介では、ノエは「自分の感情に対して素直に行動するタイプ」と紹介されていますが、菊池さんにもそういう部分はあると思いますか?

菊池 はい。僕も結構、何事もズバッと言っちゃうところがあるので(笑)。でも、ノエは吸血鬼の中でも育ちがいいので、特別に意識しなくても丁寧な言葉が選べると言いますか。“相手を傷つけないよう、素直に物事が言える”というのは一つの武器で、ノエの魅力だなとも思うんですけど、僕は上手く言葉を選べずに言っちゃう時があるので、そういう意味では、ノエの方がひとつ大人なのかな、と感じたりもします。

――ノエの見どころとしては、やはりアクションシーンもあるのでは?

菊池 そうですね。吸血鬼ということもあって、原作での超人的なアクションを表現することは難しいだろうな、とは思うんですが……でも、人と人、生と生で戦うアクションの迫力は舞台ならではのものだと思っているので、そうした熱量は、今回の作品でもいいスパイスになるんじゃないかな、と自信を持っています。

――そして「ヴァニタスの手記」では、ヴァニタスとノエの出会いから、行動を共にしていく二人のコンビ感や掛け合いなども魅力の一つかと。初演の稽古では、ヴァニタス役の植田圭輔さんとのコンビネーションはいかがでしたか?

菊池 僕自身は、圭輔さんとはすごく相性がいいなと思っています。前回の稽古では、お互いに「ここはこうしよう」と話し合ったりすることは多くなかったんですが、それでも自然とお互いの帳尻が合っていくような感覚があって、すごくやりやすかったんです。
それはお互いのやりたいこと、やっていることを正しく判断して、お互いを尊重し合いながら、ヴァニタスとノエを作れていたからなのかな、と。

――菊池さんにとっての植田さんは、6歳年上のお兄さんであり、俳優としても先輩にあたる方ですが、素顔でのお二人はどんな関係でしょうか?

菊池 正直、初演の稽古では僕がまだ緊張していたというか、もう“大先輩!”という感じで気軽にお話したりはできなかったんですけど、初演を経てからは、すごく距離が近くなって。そのあとにも共演させていただいたので(2022年3月~4月上演・舞台『東京リベンジャーズ -血のハロウィン編-』)、一年前と今ではガラリと変わった関係になりましたね。
色んなお話をするようになりましたし、僕もすごく信頼を置いていて……圭輔さんも、僕に信頼をおいてくれているような気がします。この違いは、すごく大きいと思います。

――ちなみに菊池さんから見て、植田さんとヴァニタスに重なる点はありますか?

菊池 ヴァニタスって結構生意気というか、先陣をきって自分の言いたいことはズバスバと言うタイプだと思うんです。一方で圭輔さんは、あんまり表には出さないんですけど、気持ちというか、内面では貪欲というか、必要な時にしっかりと切り込んでいくタイプの方なので、そういう面で似ている部分があるなと思います。

――植田さんとの関係も深くなってから知ったことや、意外な一面もありましたか?

菊池 意外と言いますか、知っていた部分でもあるんですけど。お話をしていると、改めて「やっぱり熱い人だな」と思いますね。例えば取材の場でも、圭輔さんの言葉や、考え方を知れば知るほど熱くて、深い人だなと感じます。
共演をしてからより強く感じるので、僕が言うのは生意気ですけど、噛めば噛むほどおいしい、味わい深い方だな、と思います。

――再演の稽古はこれから始まる(※取材時)とのことですが、今回のカンパニーはどのような雰囲気になると思いますか?

菊池 ちょっと、緊張しますよね。僕はあれ以来、皆さんと会えていなかったので……ちゃんとした「バイバイ」も言えなかったし、やっぱり当時はそれぞれが思うこともあったはず。ある意味でみんなも、そこから時が止まっていて……でも、前回もすごく仲のいいカンパニーだったので、再会したら今思っていることや、「あの時はああだったね、こうだったね」という話もしながら、改めて今回のカンパニーを作っていきたいなと思います。

――ではここからは、物語にかけた質問も。ヴァニタスは自身が持つ「ヴァニタスの書」の力によって、吸血鬼が持つ「呪い」を治療していきます。劇中の「呪い」とは異なりますが、菊池さんもご自身にとっての「呪い」と聞かれて思い浮かべることはありますか?

菊池 “自分を見失う”という意味で言うなら、僕はどちらかというと、何かに夢中になって我を忘れたりはしないタイプですね。けど、今の時期で言うと……この目鼻のズルズル! “花粉”という名の呪い持ちです(笑)。

――この季節に発動する呪いですね(笑)。

菊池 まさに年一回の呪いみたいな感じなので、治療してもらえるなら真っ先にこれを治してほしいですね(笑)。

――続いては、今作でのノエとヴァニタスのように、もしも誰かと二人旅をすることになったら。誰とどこへ、何をしに行きたいですか?

菊池 う~ん、誰かと!? 僕は一人旅が好きなので、誰かと行く、っていうのはあんまり考えたことがなかったです(笑)。
でも一人だと、旅先でもなかなかテンションが上がることってないので……今回の作品で言うと、Dr.モローというキャラクターが出てくるんですけど、一緒に行くならああいう明るい性格の人がいいですね。明るいというよりは、かなり狂気的な人物なんですけど(笑)。

――まさか、Dr.モローを旅の仲間に選ぶとは!(笑) でもそれぐらい強烈で、自分のテンションも釣られて上がってしまうような相手がいいと。

菊池 そうですね、それで行き先は今回の物語の舞台でもあるパリとか! でも自分が住んでいるところとかけ離れた空間に行くこと自体が好きなので、アジア圏の賑やかなところや、アメリカとかにも行ってみたいですし。挙げたらキリがないぐらい、行きたいところはいっぱいありますね。

――序盤のノエは田舎から出てきたばかりで、都会のパリが物珍しい、という描写もありますが、実際の菊池さんは東京都出身の都会育ちですよね。

菊池 だから僕は、逆に田舎っぽいところに行くと感動しますね! 例えば新幹線に乗っている時も、いきなり畑とか、全部一軒家の町並みとか、そういうのにテンションが上がります(笑)。窓からの景色は、永遠に見ていられます。

――近代的なビル群よりも、のどかな光景が見られると嬉しいんですね(笑)。

菊池 そういう景色に飢えているんですかね?(笑) あと最近は、新宿御苑の庭園に感動しました! すごくきれいだったので、また散歩に行きたいですね。
――これから桜の季節ですから、いい息抜きスポットになりそうですね。それでは最後に改めて、今回の公演と、菊池さんが演じるノエの姿を楽しみにされている方々にメッセージをお願いいたします。

菊池 僕自身、舞台「ヴァニタスの手記」という作品を心から愛していますし、昨年は降板になったことも含めて、色々な思いを経験した作品です。
すごく美しく、現実とは違った世界の物語ではあるんですけど、登場人物たちの心情では意外と身近な感覚が描かれているので、皆さんにも感じ取っていただけるものがたくさんあると思います。
僕はノエとして今回初めて舞台に立てるので、その喜びを噛み締めながら、本来届けたかった、あるべき作品をお届けいたします。ぜひ、劇場へと足を運んでいただけますと嬉しいです。

(インタビュー 了)

舞台「ヴァニタスの手記」は、2023年3月10日(金)~12日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演されます。ほか公演詳細や最新情報は、下記のInformationより公式サイトをご確認ください。

☆Information
【公演概要】
■舞台「ヴァニタスの手記」-Encore-

日程:2023年3月10日(金)~12日(日)
会場:サンシャイン劇場
(〒170-8630 東京都豊島区東池袋 3-1-4 サンシャインシティ 文化会館 4F)

【原作】望月淳「ヴァニタスの手記」/「ヴァニタスの手記」製作委員会

【脚本・演出】山崎 彬

【キャスト】
ヴァニタス:植田圭輔
ノエ:菊池修司

ジャンヌ:七木奏音
ドミニク:澤田美紀
ルカ:前田武蔵
ルイ:矢代卓也
オルロック:中村哲人
Dr.モロー:鈴木理学

ルスヴン:鷲尾 昇

ローラン:丘山晴己

【サブキャスト】
先生、ほか:浅野康之
ノックス、ほか:香月ハル
マーネ、ほか:酒井翔悟
アメリア、ほか:渡辺菜花
ベロニカ、ほか:下村 彩
カトリーヌ、ほか:野島怜衣珠
マリア、ほか:黒須杏樹
ジョルジュ、ほか:海本博章
蜘蛛の仮面の男、ほか:佐松 翔

【制作】ナッポスユナイテッド
【主催】アニプレックス/ソニー・ミュージックエンタテインメント/ナッポスユナイテッド

【チケット価格】
プレミア席:19,800円(税込) ※前方5列分までのお席確定/特製グッズ(非売品)付
SS席:14,800円(税込) ※前方12列分までのお席確定/特製グッズ(非売品)付
注釈付きSS席:14,800円(税込) ※特製グッズ(非売品)付 ※ステージや演出の一部が見えにくい可能性がございます。ご了承の上、お買い求めください。
S席:9,800円(税込)
注釈付きS席:9,800円(税込) ※※ステージや演出の一部が見えにくい可能性がございます。ご了承の上、お買い求めください。
A席:6,800円(税込)
●席種により、座席エリアが異なります。詳細は公式サイトをご確認ください。
●プレミア席および SS 席、注釈付きSS席は特製グッズ(非売品)付となります。
プレミア席:望月淳先生描き下ろし複製色紙/カレンダー/クリアファイル/トートバッグ/レターセット
SS席・注釈付きSS席:望月淳先生描き下ろし複製色紙/カレンダー/クリアファイル
※望月淳先生描き下ろし複製色紙、カレンダー、クリアファイルはプレミア席・SS席共通仕様となります。
※特製グッズは劇場にて引き換えとなります。
※特製グッズの内容は予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。

<公演に関するお問い合わせ>
アニプレックスカスタマーセンター TEL:03-5211-7555 (平日10:00~18:00/土・日・祝日除く)

≪公式サイト≫
vanitas-stage.com
≪公式Twitter≫
@vanitas_stage

©望月淳/SQUARE ENIX・「ヴァニタスの手記」製作委員会
©舞台「ヴァニタスの手記」製作委員会

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