織部典成「死ぬ気で手話を勉強しました!」初主演映画『僕が君の耳になる』6/25公開目前SPインタビュー【前編】6/26には記念舞台挨拶

演劇集団「劇団番町ボーイズ☆」とダンスボーカルグループ「銀河団 from 劇団番町ボーイズ☆」のメンバーで、演劇『ハイキュー!!』の山口忠役など俳優としても活躍する織部典成さんが、映画初主演を務める『僕が君の耳になる』が、6月25日より渋谷ヒューマントラストシネマをはじめ全国公開されます。

本作の原案は、YouTubeで1000万回以上再生を突破してヒットしている、ボーカル&手話パフォーマンスグループ「HANDSIGN」の楽曲。耳の不自由な女性と聞こえる男性の実話をもとにしたラブソングで、劇中では、織部さん演じる平凡な大学生・純平と、映像作品初出演で自身もろう者の女優である梶本瑞希さん演じる美咲が、いくつものハードルを乗り越えながら愛を深めていく、ピュアなラブストーリーが展開されます。

5月の公開延期を経て、待望の全国公開が実現!
【あらすじ】
ごく普通の大学生・純平は、街角で弾き語りをしているが、聞いてくれる人はほとんどいない。そんな中、初めて足を止めてくれる美咲と出会う。美咲はろう者の女性だった。手話で拍手をしてくれる美咲だが、その時、純平は意味がわからず、ただ戸惑ってしまう。後日、美咲は純平と同じ大学に通う生徒だとわかる。美咲を通じて、障がい者の世界を初めて知ることになった純平。最初は誤解から好印象を持たなかった2人だが、自ら手話を勉強し真っ直ぐにぶつかっていく純平に美咲も心惹かれ、共に時間を過ごすうちに恋に落ちる。だが、純平と美咲の間には様々なハードルが待ち受けていた……。

スマートボーイズでは、ろう者の美咲に惹かれて共に困難に立ち向かう大学生の純平を演じる織部典成さんに直撃取材! 初挑戦の手話やギターの練習秘話や、撮影期間中の裏話をたっぷり前後編のインタビューでお届けします。

映画「僕が君の耳になる」が、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷にて6月25日よりロードショー!
【前編】
――本作で織部さんが演じる純平は、前向きでまっすぐな青年のイメージですが、実際の織部さんと通じる部分や、逆に違うなと感じる所はありますでしょうか?

織部 純平は自分の中に芯があって、まっすぐな人なんですよね。周りに反対されても、正しいと思ったことを選択できるタイプ。僕自身は周りに自分と逆の意見を言われると、「確かに……」って耳を傾けちゃうタイプなので、そこはちょっと違うかなって思いました(笑)。でも、純平と純粋に向き合った時に、演じようとするのではわけじゃなくて、しっかり美咲を見てどう感じるのかっていうことをすごく大事にして。監督にも「純平に向き合って演じてくれたら大丈夫」っていうことを言われていたので、そこを意識していました。特に飾ることはなかったです。

――観客がいなくてもお構いなしで路上ライブをする純平は、メンタルも強いなと思いますが……。

織部 そういうところは、僕とちょっと似ているかもしれないですね。僕、何か発言してスベるのは全然怖くないんですよ(笑)。そういうメンタルは強いです。でも小学生の時とかに、「あの子がこういうこと言ってたよ」みたいな噂が回ってきたときのメンタルは弱かったですね。

――後々、聞かされることには弱いんですね(笑)。

織部 そうなんですよ。そのくせ、スベったときの「シーン……」っていう、「おまえ、何してんだよ!?」って感じの空気は平気なんです(笑)。そこは少し路上ライブに似ている気がします。路上ライブも誰かに届けようとしているので。誰かが聞いてくれていたらいいなっていうスタンス。
なので、そういう部分のメンタルの強さは純平と似ているなと思いました。テイストは違いますけど。

純平役の織部典成さん
――そういえば、織部さんは大阪出身ですよね。その辺りのメンタルの強さは、お笑いの街で培われた可能性もありますね。

織部 本当にそうだと思います。地元の友達も滑り知らずで、言葉の量で攻めてくる感じなんです。久しぶりに大阪に帰った時や電話した時に、話すスピードが速すぎて追いつけないんですよ。
「全然しゃべらへんやん」って言われた時に、「いやいや、速すぎるから!」って言うんですけど。そうすると「あ~ぁ。東京に魂、売った!」って言われるんです(笑)。
昔はこんなスピードで話してたのかと思うと、すごいなって。それくらい、質より量で勝負する人が僕の周りには多かったですね。

――そういう環境でメンタルが鍛えられたんですね(笑)。今回の作品、織部さんにとって初めて挑戦することが多かったと思います。路上ライブのギターもですし、手話に関しては、小説を読まれたり、手話教室に通ってお話を聞いたりしていたそうですね。

織部 いろんな人の助けがあって、完成までたどり着けたと思います。ギターはもともとやりたかったけど、一歩踏み出せなかったっていう感じで。たまたまこの作品でギターの演奏ができるとなって、嬉しかったです。簡単な曲から練習していたんですけど、なかなか上達せず……。基礎を覚えてからようやく少しずつ出来るようになったんです。
手話については、耳が聞こえない梶本さんと、1日でも早くコミュニケーションを取りたくて、向き合いたくて、すぐに勉強を開始しました。で、何ができるかなと考えた時に、ちょっとでも寄り添いたいという気持ちがあって。ろう者に関する小説を読んだ中で、『ろう者の祈り 心の声に気づいてほしい』(中島 隆・著)という本があったんです。そこに、(手話通訳士の)鈴木隆子先生のお話が書いてあって。鈴木先生に連絡を取ってみたら「協力させてください」というお言葉をいただいたので、実際にお会いして手話の基礎を教えていただいたり、ろう者の方の話を先生から聞かせてもらいました。

――織部さん自ら行動して、手話やろう者について学んだんですね。

織部 本当に真剣に向き合わないと、作品に出てしまうなと思ったんです。なので、死ぬ気で勉強しました。クランクインしてからも、梶本さんとの会話はほぼ手話だけで挑戦していました。
たまに(スマホで)文字を打って話すこともあったんですけど。撮影期間は毎日一緒にいたので、ちょっとずつ会話できるようになって、最終日には2人だけで会話できるようになったんです! その時に「すごいね。こんな短時間で。ありがとう」って褒めてもらえて。嬉しくないですか? 自分がここまでやってきたことが無駄じゃなかったなと思えたことがすごく嬉しくて。
「ありがとう」の5文字が、こんなに胸に突き刺さる言葉になるんだって思いました!

――それはすごいです! 織部さんが手話を覚えないことには、撮影もスムーズに進まないということですよね。お芝居のことですり合わせが必要になる度に、通訳さんに間に入ってもらうとなると、その分時間もかかりますし……。

織部 梶本さんも寄り添ってくれて、簡単な手話で話してくれたりしてたので。梶本さんの優しさにも助けられました。何よりも2人でコミュニケーションが取れたっていうことが、すごく大事だなって思いました。それこそ本当に、純平と美咲ってこういうことなんだろうなって実感しました。純平は美咲と仲良くなりたいという気持ちで踏み出していく。そういう部分で、純平と織部典成がシンクロしていったのかなって思いました。

――最初に覚えたのはどんな手話ですか?

織部 基礎的な50音の指文字ですね。指文字と挨拶。「こんにちは」「初めまして」とか。そこから毎日毎日、寝る前に本を見ながら、「あ」「い」「う」……っていうのをずっと暗記してました。手話って面白いのが、指文字で1コ1コ表現することもできるんですけど、短縮した表現もあって。例えばハイボールだと、「ハイ(挙手のポーズ)」と「ボール(ボールを投げる動作)」の2つの動きで表現できるんですよ。そういうのがたくさんあって、勉強しててすごく楽しんです! ベースが定着してきてから、こういう応用編を教えてもらうと、より面白くなるんですよね。微妙な手の位置の違いで、意味が変わってきたり。難しいけど、楽しい!


【後編に続く】

映画『僕が君の耳になる』は、6月25日より全国順次ロードショー。さらに公開記念舞台挨拶が6月26日に開催されることも決定いたしました!
詳細は関連の【スマボNews】ならびに、Informationよりオフィシャルサイトをご確認ください。
(※当初は5月7日より東京での公開が予定されていましたが、緊急事態宣言により6月25日公開に順延されています。)

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☆Information

映画『僕が君の耳になる』
6月25日 全国順次ロードショー
※全館アプリによる音声ガイド付き上映

<スタッフ・キャスト>
監督:榎本次郎
脚本:川崎龍太
製作総指揮:世古口精良
出演:織部典成/梶本瑞希/三浦剛/忍足亜希子/松井健太/岡元あつこ/小松みゆき/新藤栄作/中西悠綺/伊東彦三郎/阿部祐二/川崎麻世/岡田結実/木村祐一/森口瑤子 ほか

<主題歌>
「僕が君の耳になる」
作詞:HANDSIGN
作曲:中村泰輔
唄:HANDSIGN

宣伝・配給:テンダープロ
宣伝協力:とこしえ

《映画「僕が君の耳になる」オフィシャルサイト》
https://bokukimi.net/

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