百名ヒロキ&古谷大和の特別対談UP!舞台『ゼロの無限音階』が7/11まで上演、「百名ヒロキの突撃キャストインタビュー」特典映像付きの千秋楽公演配信が決定!
銀座博品館劇場にて上映中の舞台『ゼロの無限音階』が、7月11日まで絶賛上演中。千秋楽公演の配信も決定しています。
本作の舞台は、イギリス・ロンドンにある完全会員制コミュニティ。精神疾患やアルコール依存性など様々な「見えない病気」を持つ人たちが集まり、語り合いながら治療を行う。そこで仕組まれた愛憎と裏切りの残酷な物語が繰り広げられます。
カンパニー一丸となって稽古を重ねていた6月下旬、今回主役である失感情症を患う早乙女零音役の百名ヒロキさんと、覚せい剤中毒者・ルイを演じる古谷大和さんが公演について熱く語り合いました。コロナ禍という理由だけではなく役者同士のコミュニケーションをとることを控えている本当の理由ほか、役者として意識の高さを感じる言葉をたくさん聞くことができました。
★失感情症:自分の感情への気づきや感情の言語化の障害。あまり生気が感じられず、葛藤状態やフラストレーションがたまる状況では内省したり困難に上手く対処するのではなく避けるための行動に走る。そして、自分の感情を表現する言葉を見つけるのが難しい。
★覚せい剤中毒(薬物依存性):薬物を使っていないと不快になるためくりかえし使い続け、やめることが出来ない。薬物がほしいという願望を止めることができず、使用量がどんどん増えていく。自己制御が出来ず、使用を止めると禁断症状が出るためまた繰り返して使用してしまい、理性では止められない状態。
本作の舞台は、イギリス・ロンドンにある完全会員制コミュニティ。精神疾患やアルコール依存性など様々な「見えない病気」を持つ人たちが集まり、語り合いながら治療を行う。そこで仕組まれた愛憎と裏切りの残酷な物語が繰り広げられます。
カンパニー一丸となって稽古を重ねていた6月下旬、今回主役である失感情症を患う早乙女零音役の百名ヒロキさんと、覚せい剤中毒者・ルイを演じる古谷大和さんが公演について熱く語り合いました。コロナ禍という理由だけではなく役者同士のコミュニケーションをとることを控えている本当の理由ほか、役者として意識の高さを感じる言葉をたくさん聞くことができました。
★失感情症:自分の感情への気づきや感情の言語化の障害。あまり生気が感じられず、葛藤状態やフラストレーションがたまる状況では内省したり困難に上手く対処するのではなく避けるための行動に走る。そして、自分の感情を表現する言葉を見つけるのが難しい。
★覚せい剤中毒(薬物依存性):薬物を使っていないと不快になるためくりかえし使い続け、やめることが出来ない。薬物がほしいという願望を止めることができず、使用量がどんどん増えていく。自己制御が出来ず、使用を止めると禁断症状が出るためまた繰り返して使用してしまい、理性では止められない状態。
舞台『ゼロの無限音階』に出演する百名ヒロキさん(左)と古谷大和さん(右)
早乙女零音役の百名ヒロキさん
ルイ役の古谷大和さん
【特別対談】
◆まずお名前と役名をお願いします。ご自身の役についても簡単に説明してください。
百名ヒロキ:ロンドン在住の日本人・早乙女零音(さおとめ れおん)役の百名ヒロキです。零音は幼少期からの色々なトラウマの積み重ねにより失感情症(アレキシサイミア)を発症しています。感情の表現が出来なくて、自分の感情がわからないんですが、エマと出会ったことで色々変わっていきます。
古谷大和:ルイ役の古谷大和です。ルイは覚せい剤中毒者で薬物のスペシャリストです。
◆今回、個性の強い内容の舞台ですがオファーを受けた時どのように感じましたか?
古谷:びっくりしませんでした? 最初。
百名:ちょっとびっくりしましたよね! 舞台でこれをやるのかって。舞台でどうなるのか楽しみだなって純粋に思いましたね。
古谷:原作も知らなかったですし、脚本を初めて見た時、聞いたことのない病名がたくさん出て来て…こういう世界観があるんだって驚きましたね。今はこういう情勢(※コロナ禍)なのでお客さんを笑わせる・元気にするような作品に出ることが多くて、それはそれで楽しいんですが、久しぶりにこういうシリアスで人間の重たい世界を描く作品に参加出来ることに本当にワクワクしました。
百名:たしかに。このご時世ではちょっとやりにくい内容ではありますよね。
古谷:逆に「こういう作品もやっていいんだ。」と思いましたね。だから余計楽しみです。
◆脚本をもらい、最初に読んでみた時の感想は?
百名:僕は自分の役をまず見て「殺すなぁ~!」って思いましたね(笑)めちゃくちゃいっぱい殺すんですよ。
古谷:(笑)たしかに!
百名:全員死んじゃった?っていうくらい、たくさん殺すんです。
古谷:しかも最初は読んでいてもわからないんですよね。
百名:そうそう。普通に読み進んでいったら……。
古谷:いつの間にか(笑)。
百名:「あれ??めちゃくちゃアクションシーンがある」って(笑)。そうしたら「あれ??殺してる」って(笑)普通のストレートプレイだと思ってたのに。
古谷:可哀想な世界というと語弊があるかもですが、どこか1つ違ったらもしかしたらこうはならなかったのかなって。ボタンを1個かけ違えてずれたことから何個もかけ違えになってしまって、さらに大きくずれていっているように感じていくストーリーだと思って。なので僕たちはそれを繊細に描かなくてはいけないなって読みながら思いました。
◆役どころはご自身にはない個性・性格・性質の人物だと思いますが、演じるにあたって参考にしたものや情報収集したものなどありますか?
百名:僕は解説本とか小説で失感情症(アレキシサイミア)の話がいくつかあったのでそれを読んだんですが、でもそれを見ると普通の人なんですよ。普通だけれど自分の感情がわからない…みたいな。何冊か読んでみたんですが、読みながら今回の作品はそれプラス、サイコサスペンスが入ってるんで、また新たな作品なんだなぁって思いましたね。古谷さんは何から情報収集しましたか?
古谷:ルイが薬物依存性ということでプロデューサーさんから『CLIMAX(クライマックス)』(※2018年 仏白合作のミュージカルホラー)っていう映画とかいくつかオススメ作品を教えてもらいました。実際には薬物依存性のかたの挙動を見たことがないので、今 僕が表現するには限界があるんです。なのでルイの表現として出来ることが増えるように、映画をこれから観て参考にしようと思っています。イメージをもっと膨らませるために映画とか参考になるものは出来るだけ目を通しておきたいなって思います。今は自分の想像の中で出来ることを稽古場でやっています。それでも本番に乗れるような手応えを演出のヨリコジュンさんからは得てはいますが、さらに良くなるように もっと可能性を広げられるように他の資料からも情報を得て表現したいと思います。もしかしたらそれらの資料を見て「こういう理屈かな?」、「こういう過程を経てのこういう挙動かな?」ということが理解出来たら、そこに僕の考えも加えてまた新しい挙動が出来上がるかもしれないし、役者として新しいものを創りだす楽しい作業の1つだと思います。楽しみですね。
◆今回さまざまな病気や個性を持つ人たちが登場します。 その中に解離性障害(多重人格)も登場します。 役者さんは 自分という人間以外、色々な人になることが出来る他にはないお仕事ですが、いつも台本をもらってその役になりきるまではどのぐらいの時間がかかりますか? また、その役になりきるため何かすることはありますか?
百名:僕は稽古を積み重ねていくうちに毎日違っていると言うか、「昨日より今日はもっと役に近づきたい、近づかないと」という焦りもありますし、稽古をやる度に自分の中でイメージが変わったりもするので、最初の頃と本番当日にやるのではだいぶ変わっていると思います。なのでとにかく稽古をしたい、稽古をしなくちゃって思っています。
古谷:百名さんは特に今回ずっと出ずっぱりですし分量が多いから、相手のお芝居が変わってくるとまた変わっていくだろうなっていうのは見ていて感じますね。今の話を聞いていて相手を大切にするかたなんだなって、改めて感じましたね。
百名:そんな風に感じてもらえてありがたいですね。
古谷:僕は…役になりきるってなると、今まで本当になりきれていたのかどうかもわからないですね。自分の中でその役に寄り添って稽古をしても、やろうと思ったらあと5年でも6年でも寄り添わなくちゃだめなんじゃないかと思うくらい先が見えないことが結構あるんです。でも本番には乗せなくてはいけないから、本番を迎える迄に演出家さんや共演者のかたたちとディスカッションを重ねて、ここでこう見せようって決めていくんです。目処を立てるというか。でも目処すら立たなければ、ずっと求めることが出来る作業ですね。今までなりきれたのかどうかわからないですが、役になりきれるようにするため、とにかく何度でも台本を読みます。
僕、昔出会った演出家さんの言葉ですごく印象に残っているものがあるんです。「悩んだりわからなくなった時は、常に台本に答えがある。それは書かれているわけではなく、読んでいてその時に考えたことや感じたことが答えだ。」って言われたんですが、それをいつも心がけるようにしています。稽古場でなるべく台本を開かないようにする役者さんは素敵だし、僕自身そうする時もあるんですが、稽古期間が短かったり、今回のように演者さん全員と初めましての時はなるべく台本を何度も何度も見て、自分が思ったこと考えたことを大切にして本番に挑みたいと思っています。作品への向かいかたって本当に人それぞれですよね。百人いたら百通りだなって思うんですよね。
百名:最初からずっと変わらない人もそれはそれで凄いし。
◆まずお名前と役名をお願いします。ご自身の役についても簡単に説明してください。
百名ヒロキ:ロンドン在住の日本人・早乙女零音(さおとめ れおん)役の百名ヒロキです。零音は幼少期からの色々なトラウマの積み重ねにより失感情症(アレキシサイミア)を発症しています。感情の表現が出来なくて、自分の感情がわからないんですが、エマと出会ったことで色々変わっていきます。
古谷大和:ルイ役の古谷大和です。ルイは覚せい剤中毒者で薬物のスペシャリストです。
◆今回、個性の強い内容の舞台ですがオファーを受けた時どのように感じましたか?
古谷:びっくりしませんでした? 最初。
百名:ちょっとびっくりしましたよね! 舞台でこれをやるのかって。舞台でどうなるのか楽しみだなって純粋に思いましたね。
古谷:原作も知らなかったですし、脚本を初めて見た時、聞いたことのない病名がたくさん出て来て…こういう世界観があるんだって驚きましたね。今はこういう情勢(※コロナ禍)なのでお客さんを笑わせる・元気にするような作品に出ることが多くて、それはそれで楽しいんですが、久しぶりにこういうシリアスで人間の重たい世界を描く作品に参加出来ることに本当にワクワクしました。
百名:たしかに。このご時世ではちょっとやりにくい内容ではありますよね。
古谷:逆に「こういう作品もやっていいんだ。」と思いましたね。だから余計楽しみです。
◆脚本をもらい、最初に読んでみた時の感想は?
百名:僕は自分の役をまず見て「殺すなぁ~!」って思いましたね(笑)めちゃくちゃいっぱい殺すんですよ。
古谷:(笑)たしかに!
百名:全員死んじゃった?っていうくらい、たくさん殺すんです。
古谷:しかも最初は読んでいてもわからないんですよね。
百名:そうそう。普通に読み進んでいったら……。
古谷:いつの間にか(笑)。
百名:「あれ??めちゃくちゃアクションシーンがある」って(笑)。そうしたら「あれ??殺してる」って(笑)普通のストレートプレイだと思ってたのに。
古谷:可哀想な世界というと語弊があるかもですが、どこか1つ違ったらもしかしたらこうはならなかったのかなって。ボタンを1個かけ違えてずれたことから何個もかけ違えになってしまって、さらに大きくずれていっているように感じていくストーリーだと思って。なので僕たちはそれを繊細に描かなくてはいけないなって読みながら思いました。
◆役どころはご自身にはない個性・性格・性質の人物だと思いますが、演じるにあたって参考にしたものや情報収集したものなどありますか?
百名:僕は解説本とか小説で失感情症(アレキシサイミア)の話がいくつかあったのでそれを読んだんですが、でもそれを見ると普通の人なんですよ。普通だけれど自分の感情がわからない…みたいな。何冊か読んでみたんですが、読みながら今回の作品はそれプラス、サイコサスペンスが入ってるんで、また新たな作品なんだなぁって思いましたね。古谷さんは何から情報収集しましたか?
古谷:ルイが薬物依存性ということでプロデューサーさんから『CLIMAX(クライマックス)』(※2018年 仏白合作のミュージカルホラー)っていう映画とかいくつかオススメ作品を教えてもらいました。実際には薬物依存性のかたの挙動を見たことがないので、今 僕が表現するには限界があるんです。なのでルイの表現として出来ることが増えるように、映画をこれから観て参考にしようと思っています。イメージをもっと膨らませるために映画とか参考になるものは出来るだけ目を通しておきたいなって思います。今は自分の想像の中で出来ることを稽古場でやっています。それでも本番に乗れるような手応えを演出のヨリコジュンさんからは得てはいますが、さらに良くなるように もっと可能性を広げられるように他の資料からも情報を得て表現したいと思います。もしかしたらそれらの資料を見て「こういう理屈かな?」、「こういう過程を経てのこういう挙動かな?」ということが理解出来たら、そこに僕の考えも加えてまた新しい挙動が出来上がるかもしれないし、役者として新しいものを創りだす楽しい作業の1つだと思います。楽しみですね。
◆今回さまざまな病気や個性を持つ人たちが登場します。 その中に解離性障害(多重人格)も登場します。 役者さんは 自分という人間以外、色々な人になることが出来る他にはないお仕事ですが、いつも台本をもらってその役になりきるまではどのぐらいの時間がかかりますか? また、その役になりきるため何かすることはありますか?
百名:僕は稽古を積み重ねていくうちに毎日違っていると言うか、「昨日より今日はもっと役に近づきたい、近づかないと」という焦りもありますし、稽古をやる度に自分の中でイメージが変わったりもするので、最初の頃と本番当日にやるのではだいぶ変わっていると思います。なのでとにかく稽古をしたい、稽古をしなくちゃって思っています。
古谷:百名さんは特に今回ずっと出ずっぱりですし分量が多いから、相手のお芝居が変わってくるとまた変わっていくだろうなっていうのは見ていて感じますね。今の話を聞いていて相手を大切にするかたなんだなって、改めて感じましたね。
百名:そんな風に感じてもらえてありがたいですね。
古谷:僕は…役になりきるってなると、今まで本当になりきれていたのかどうかもわからないですね。自分の中でその役に寄り添って稽古をしても、やろうと思ったらあと5年でも6年でも寄り添わなくちゃだめなんじゃないかと思うくらい先が見えないことが結構あるんです。でも本番には乗せなくてはいけないから、本番を迎える迄に演出家さんや共演者のかたたちとディスカッションを重ねて、ここでこう見せようって決めていくんです。目処を立てるというか。でも目処すら立たなければ、ずっと求めることが出来る作業ですね。今までなりきれたのかどうかわからないですが、役になりきれるようにするため、とにかく何度でも台本を読みます。
僕、昔出会った演出家さんの言葉ですごく印象に残っているものがあるんです。「悩んだりわからなくなった時は、常に台本に答えがある。それは書かれているわけではなく、読んでいてその時に考えたことや感じたことが答えだ。」って言われたんですが、それをいつも心がけるようにしています。稽古場でなるべく台本を開かないようにする役者さんは素敵だし、僕自身そうする時もあるんですが、稽古期間が短かったり、今回のように演者さん全員と初めましての時はなるべく台本を何度も何度も見て、自分が思ったこと考えたことを大切にして本番に挑みたいと思っています。作品への向かいかたって本当に人それぞれですよね。百人いたら百通りだなって思うんですよね。
百名:最初からずっと変わらない人もそれはそれで凄いし。
◆今回 古谷さん演じるルイは 薬物を使ってまで愛するエマを自分に振り向かせようとするくらい自分の愛を貫こうとします。 お二人は好きになった相手がなかなか自分に振り向いてくれなかったら、積極的に色々な方法でチャレンジしますか? それとも消極的になり、諦めようとするタイプですか?
百名:わぁ、どうなんだろう?(笑)
古谷:僕は、すぐ引きます!(笑) すぐ諦めます…って言うか好きじゃなくなっちゃうかも。
百名:見込みがないって思ったら?(笑)
古谷:はいっ。僕は基本的に好きになる人は多少なりとも自分に好意を寄せてくれる人じゃないと好きにならないですし、逆に好きだって伝えられちゃうとちょっと弱いですね(笑)
百名:あ~、気になっちゃう?(笑)
古谷:好きになりかけちゃう(笑)。自分のことを好きって言ってくれる人を気にしちゃうタイプ。
百名:ああ、なんとなくそういう感じ、僕もわかる気がします(笑)
古谷:いくら好きでも、相手が僕に興味無いんだろうなって感じちゃうと僕も引いちゃうし。
百名:僕もそっちタイプですね。無理強いはしたくないですし、好きだったら尚更。
古谷:これってどうなんですかね?こういうのって本当に僕、恋に落ちてるんでしょうかねぇ?(笑)
百名:(笑) 。たしかにそうかも(笑)。
古谷:そこで引いちゃうくらいだったら…ねぇ?(笑) 薄いのかなぁ? 僕らって(笑)。
百名:薄いのかなぁ?(笑)でも相手のことを思ってるっていう捉え方も出来ますよね?
古谷:あ~!たしかにたしかに!!素晴らしい!その通りです。相手のことを思っているってことだよね。あははは
百名:いい意味で(笑)
◆振り向かせてやろうとは思わないですか? 脈あるなって思わないと行かないですか?
古谷:やっぱり多少惹かれあっている時が素敵かなって思うんですよね。どっちかだけが追っている状態だと…。
百名:なんとなくわかりますもんね。
古谷:自分が全く興味を持てない人にずっと追いかけられていても嫌と言うか…申し訳ないと言うか。
百名:わかります。相手の立場になるとね。
古谷:そうそう。相手のことを考えると「僕は本当に脈がないから違う人を好きになって下さい」って思っちゃう。だから自分が相手のことを好きでも相手にその気が無いならこの恋は諦めようって思うのかもしれないなぁ。百名さんは好きじゃない相手に追いかけられたらどうします?
百名:でも自分が本当に無理だったら、その人のためにも無理って言ってあげないとって思いますね。
古谷:好きでもないのに相手をそのまま泳がしたままにしておくのも、ひどいですよね。
百名:出来ないですね、そういうことは。
古谷:もしかしたらそのうちその人を好きになっちゃうってこともあるかもしれないし、もちろんすぐに「やめて」とは言わないけれど、ちょっと様子を見て自分の心に聞いてみて、「やっぱりこの人を好きにはならないな」ってなったら「僕なんかを追う時間よりも、その時間でもっと素敵な人を見つけて」って思いますね。
百名:わぁ、どうなんだろう?(笑)
古谷:僕は、すぐ引きます!(笑) すぐ諦めます…って言うか好きじゃなくなっちゃうかも。
百名:見込みがないって思ったら?(笑)
古谷:はいっ。僕は基本的に好きになる人は多少なりとも自分に好意を寄せてくれる人じゃないと好きにならないですし、逆に好きだって伝えられちゃうとちょっと弱いですね(笑)
百名:あ~、気になっちゃう?(笑)
古谷:好きになりかけちゃう(笑)。自分のことを好きって言ってくれる人を気にしちゃうタイプ。
百名:ああ、なんとなくそういう感じ、僕もわかる気がします(笑)
古谷:いくら好きでも、相手が僕に興味無いんだろうなって感じちゃうと僕も引いちゃうし。
百名:僕もそっちタイプですね。無理強いはしたくないですし、好きだったら尚更。
古谷:これってどうなんですかね?こういうのって本当に僕、恋に落ちてるんでしょうかねぇ?(笑)
百名:(笑) 。たしかにそうかも(笑)。
古谷:そこで引いちゃうくらいだったら…ねぇ?(笑) 薄いのかなぁ? 僕らって(笑)。
百名:薄いのかなぁ?(笑)でも相手のことを思ってるっていう捉え方も出来ますよね?
古谷:あ~!たしかにたしかに!!素晴らしい!その通りです。相手のことを思っているってことだよね。あははは
百名:いい意味で(笑)
◆振り向かせてやろうとは思わないですか? 脈あるなって思わないと行かないですか?
古谷:やっぱり多少惹かれあっている時が素敵かなって思うんですよね。どっちかだけが追っている状態だと…。
百名:なんとなくわかりますもんね。
古谷:自分が全く興味を持てない人にずっと追いかけられていても嫌と言うか…申し訳ないと言うか。
百名:わかります。相手の立場になるとね。
古谷:そうそう。相手のことを考えると「僕は本当に脈がないから違う人を好きになって下さい」って思っちゃう。だから自分が相手のことを好きでも相手にその気が無いならこの恋は諦めようって思うのかもしれないなぁ。百名さんは好きじゃない相手に追いかけられたらどうします?
百名:でも自分が本当に無理だったら、その人のためにも無理って言ってあげないとって思いますね。
古谷:好きでもないのに相手をそのまま泳がしたままにしておくのも、ひどいですよね。
百名:出来ないですね、そういうことは。
古谷:もしかしたらそのうちその人を好きになっちゃうってこともあるかもしれないし、もちろんすぐに「やめて」とは言わないけれど、ちょっと様子を見て自分の心に聞いてみて、「やっぱりこの人を好きにはならないな」ってなったら「僕なんかを追う時間よりも、その時間でもっと素敵な人を見つけて」って思いますね。
◆百名さん演じるレオンのセリフに「大切なモノを見つけることができました」というのがありますが、おふたりにとって大切な人、もの、場所を教えてください。
百名:僕は家族とか地元の沖縄とか。
古谷:沖縄出身なんですか?
百名:ええ、でも今コロナの影響でなかなか帰れないんですけれど、だからこそ大切にしたいなって思います。
古谷:結構長いこと沖縄にいらしたんですか?
百名:いや、全然こっちに来てからのほうが長いんですが、親戚が沖縄に全員いるんです。だからこそ好きですね、沖縄。
古谷:沖縄のどの辺なんですか?
百名:沖縄の下のほうの南城市っていうところなんです。
古谷:その辺りは沖縄の訛りとかは強いんですか?
百名:おじいちゃんおばあちゃんとかは訛りが強いんで、みんなで喋ると僕もちょっと出たりしますね。
古谷:沖縄に戻ると出るんだね。
百名:そうですね。みんなが話してるからうつっちゃって、出ちゃいますね(笑)
古谷:言葉に訛りもないし沖縄の人だなんて全然気付かなかったです。でも言われてみたら顔立ちも凛々しいし、納得しますね。 沖縄の人って穏やかでゆっくりなイメージがありますが、僕、まだ何回かしか百名さんにお目にかかったことはないんですが、穏やかな雰囲気はずっと感じていました。 今はコロナの影響でなかなか帰れないですねぇ。帰りたいでしょう?
百名:そうなんです。帰ってくるなとは言われないんですが、おじいちゃんおばあちゃんもいるので万が一伝染ったら大変なんで、もう1年半会えていないですね。
古谷:会いたがっているでしょうねぇ…。
百名:そうですね。電話とかはたまにしてますが…。会いたいですね。
古谷:僕は…。大切なものって生きていると失ったりまた見つかったりするじゃないですか?でも、今現時点で僕がこれは大切だと思っているものが1つあって…「嫌いなこととか嫌いなものを大切にしよう」って思っているんです。この情勢になってウィルスが蔓延する世界になって、みんな色々考えることがあったじゃないですか。その中で僕が考えた1つに、当たり前だったことと当たり前じゃなかったことがあったってこと、でもそれこそ当たり前すぎて考えたことが無かったんですね。好きなこととか大事なものほどそうだと感じることが出来るためには、嫌いなものごとがあったからだなって思ったんです。今回の劇中でも「白は黒があるから白なんだよ」っていうセリフが出てきますが、対角にあるものが存在しているからこそ、それはより際立ったり存在しうる。もし無かったら存在しえないのかもしれない程大きい存在だと思うので、嫌いな物事を大切に思う気持ちを大事にしたほうが、今後好きなものに出会ったり直面したりした時により好きな気持ちを強く感じることが出来るんじゃないかなぁって今、自分に思い聞かせているところです。今って色々我慢しなくちゃいけないことも多いじゃないですか。
百名:ええ、本当に多いですよね。
古谷:演劇をやっていてもマスクをしていなければならない時があったり、お客さんは声を上げることも出来ないし…。でも、今の状況をすごく嫌だなって感じているこの気持ちを大切にすればきっとこれが解消された時にやっぱり好きって思えるはずなんです。もしそうなら “嫌いだな”“イヤだな”って思う気持ちをその日まで大切にしておきたいなって思うんです。
百名:とてもいい考えですね。それって。本当におっしゃる通りですね。
◆人からどう思われているか気になって仕方がないという疾患のキャラクターもこの舞台には登場しますが、おふたりは人からどう思われているか気になるタイプですか? それともあまり気にならず、自分は自分だと割り切れるタイプですか?
百名:うわぁ。どうだろう?ん~~…割り切りたい(笑)
古谷:願望!
百名:そう(笑)。願望!(笑) なんだかんだ割り切りたいけど、たまには気にしちゃいますね。
でも気にしないように努力している感じですね、僕はまだ。
古谷:そんなふうに思っていてもどうしても気にしちゃいますよね。
百名:なんだかんだちょっと気にしちゃうので…(笑)。気にする必要はないってわかっているんですけれど。なので今、頑張って気にしないようにしている最中です(笑)
古谷:あはは。まぁきっと役柄のことも今回の作風も相まってなのかもしれないですけれどね。僕もそうかなぁ。う~ん、半々ですかね、やっぱり。今回面白いなって僕個人で思っていることは、役者さん全員今回初顔合わせで皆さんどういうかたなのか人間性もわからない段階でお互い芝居と芝居を板の上に乗せているんですよ。それってとても面白くて、この人はこういう人だってわかっている状態で芝居を観るのとでは全く感じかたが違うんですね。その人についての情報・要素がないから、そのキャラクターにしか見えないんです。それがすごく面白いから僕もそうでいたいんです、共演者のかたに対して。古谷大和っていう人間がどういう人間か全くわからない状態で“ルイのお芝居”を相手に渡してあげたいんです。きっとそれで感じるものがそのかたにもあるだろうし、僕もあるから、今この現場においてはあまり周りのことは気にしていない…ようで、そうする為にあまり喋らないようにしておこうって気にしているところもあるから… (笑)半分半分ってことなんです。稽古が進んで本番に乗る形まで出来上がったら、そこからはもういくらでも僕・古谷大和はこういう人間なんですというのを出すのもいいと思うんです。形が出来上がれば僕という人を見せてもいいと思うんですが、それまでは今、こういう状況(※全員が初共演)だからこそ出来ることを活かして僕はやりたいなって思っています。
百名:最初大和さんが稽古場に入って来て、何も知らない状態で見た時、「あ!ルイだ!」って思いましたよ。
古谷:わ、それは嬉しい!めちゃくちゃ嬉しいですよ。
百名:「これがルイだ」って思って。そのシーンを見ただけでなんかすごくワクワクしましたね。今のお話を伺って、まさにそれなんだなって思いましたね。
古谷:僕も百名さんを見て、同じことを感じましたよ。 アクションが多いのに、すごく身体がきくし。役柄、表現するのが難しそうだなって思っていましたけれど、ちゃんとしっかり想像を超える表現の仕方をされていて。
百名:いやぁ、ありがとうございます。
◆おふたりは物語後半で 絡む部分がありますね。格闘するようですが、どのような練習をしていますか?
古谷:まだそんなに多くの稽古は出来ていないのですが、百名さん、すごく上手なんで任せてしまうことが出来ます。僕が間違えずしっかりここでこうしてっていうのをやっていれば、百名さんがうまくやってくれるだろうなって信頼のもと稽古をさせてもらっています。
百名:あんまり僕たち多くは闘わないですよね。ペネロペと闘う感じで。
古谷:最後、一瞬だけ とどめをさされるんですが、この闘いはすごく短いです。その一瞬だけなのに、百名さんっていう役者さんはこういうところに気を使う、優しさがあるかたなんだなって感じて、僕はすごく楽しかったですね。なので稽古はどんな風にやっているのかというよりは、役者と役者の間にもそういうことがありますよということを知っていただけたら嬉しいです。 う~ん、具体的に言うと、くるっと一瞬で廻って位置を入れ替わらなくてはいけない“手”があるんですが、百名さんとても気を使って下さって、僕が結構その場所の割合を大きく占めていても少ないところで動いて下さったり、すごい優しく表現していくんだなって感じたり。
百名:いやいや。お互いケガはしたくないですからね。 そういう僕を、古谷さんがちゃんと気がついて下さったことはすごく嬉しいし、でもちょっと照れくさくもありますね。
◆古谷さんは今までの活動でも多くの殺陣をやっていらっしゃいますが、百名さんは殺陣の経験はどのくらいありますか?
百名:僕は舞台が決まると、その時その時、練習する感じですね。
古谷:今回の殺陣は今までの舞台の中でどのくらいの物量ですか?
百名:3番目くらいの多さですね。もっと多い作品にも出たのですが、今回は独特ですよね。暗殺術っていうわけではないですが、截拳道(ジークンドー)っていう独特な筋肉の使いかたをするので難しくて。なのでヘンな筋肉がちょっと痛かったりしています。
◆今回のセリフで好きなものはありますか? その理由も聞かせてください。
百名:さっき大和さんが言っていた「白は、黒があるから、白になれるんだよ」ってある種の心理じゃないかなぁって思っています。悲しいがあるから嬉しいがわかるし、シンプルでよく言われてきた言葉だとは思うのですが、改めて考えると深いんだなぁって思いますね。光が強ければ影も強くなる…みたいな。零音は抑圧された中で生きて来たんですね。心の闇が深い分、反する面も大きいのではないかなと想像を膨らませられる。とても好きなセリフですね。
古谷:なんかクゥンと来ますよね、その言葉。たとえ演劇だとしても心に刺さるというか。 僕はエマのセリフで「君だけは信じられると思ったのに」っていうのが好きですね。これってすごくワガママで自分勝手な考えの言葉だと思うんですよ。でも誰もが自然な摂理で生きていれば感じる生まれる感情で、人のことを信用する時に書面も無いし物として書くわけではないのに目に見えなかったり触れないものを人は求めて信じて、でも裏切られると勝手に傷つく。この物語のある種 大きな部分をこの一言のセリフで描いているなって思って。出て来るキャラクターみんな、見えないものと闘っていたり払拭したり寄り添ったり…。「君だけは信じられると思ったのに」っていうエマが他のキャラクターの心も表現しているようで、僕はすごく胸に刺さったセリフですね。世界を広げてみれば、生きていれば自分もそういうことってあるなって。勝手に信じて勝手に裏切られて…。そういうことを繰り返して人は薄い部分から厚くなっていくのかなって。色んなことを考えさせられるセリフで気に入っています。物語の流れ的には、そんな感じでエマが言うわけではないし、ご覧になるかたもそんな風にはこのセリフを捉えないとは思うのですが、一役者としてこのセリフに色んな思いを馳せています。
◆今回ご自身の役になりきるため、お稽古が始まってから なにかこだわっていることはありますか?例えば百名さんだったらあまり笑わないようにしている…とか。
古谷:百名さんは普段は結構笑う人です?
百名:結構笑うし、ふざけるのが好きですね。そうやって楽しくしているのが好きです。なのであまり笑わない人が気になるようになりましたね。「なんで笑わないんだろう?」、「なんで無表情でいられるんだろう?」って。
古谷:普段笑おうとしているのではなく、笑っているのが好き?
百名:笑っているほうが楽なんでずっとそうして過ごして来たのですが、今回の役をやってから、映像とか見て、なぜ無表情だけでこの芝居が成り立つんだろうとか気になり始めましたね。自分には無いものが零音にはある…みたいな。無表情とかに敏感になりましたね。
古谷:僕も楽しいほうが好きです。お仕事する時、笑っていられるなら笑っていたほうが楽だし、楽しいですよね。笑っていてはいけないお仕事もある中、僕たちのような世界は笑うことも出来る。笑っていていいのなら笑ってお仕事をしたいなって思いますね。今回の話に関してはさっきもお話ししましたが共演者の皆さんにあまりわからない状態で挑みたかったので、あえてあまり会話をしないようにしています。もちろんこのご時世柄、たとえマスクをしていてもあまり会話をしないほうがお互いにとって心配も無くていいというのもありますし。出てくるキャラクターみんな知らない人がコミュニティに集まっているというのもあるので、会話をしないほうがお互いこの話の世界に没入出来るのならそうしたほうがいいのかなって考えています。そうやって世界を作り上げて、本番に臨む直前で仲良くなるほうがいいかなぁって。もちろん作品にもよるし、最初からたくさん話しかけて仲良くなったほうがいいい時もありますが、今回はちょっとそういうことを意識しています。
百名:僕は家族とか地元の沖縄とか。
古谷:沖縄出身なんですか?
百名:ええ、でも今コロナの影響でなかなか帰れないんですけれど、だからこそ大切にしたいなって思います。
古谷:結構長いこと沖縄にいらしたんですか?
百名:いや、全然こっちに来てからのほうが長いんですが、親戚が沖縄に全員いるんです。だからこそ好きですね、沖縄。
古谷:沖縄のどの辺なんですか?
百名:沖縄の下のほうの南城市っていうところなんです。
古谷:その辺りは沖縄の訛りとかは強いんですか?
百名:おじいちゃんおばあちゃんとかは訛りが強いんで、みんなで喋ると僕もちょっと出たりしますね。
古谷:沖縄に戻ると出るんだね。
百名:そうですね。みんなが話してるからうつっちゃって、出ちゃいますね(笑)
古谷:言葉に訛りもないし沖縄の人だなんて全然気付かなかったです。でも言われてみたら顔立ちも凛々しいし、納得しますね。 沖縄の人って穏やかでゆっくりなイメージがありますが、僕、まだ何回かしか百名さんにお目にかかったことはないんですが、穏やかな雰囲気はずっと感じていました。 今はコロナの影響でなかなか帰れないですねぇ。帰りたいでしょう?
百名:そうなんです。帰ってくるなとは言われないんですが、おじいちゃんおばあちゃんもいるので万が一伝染ったら大変なんで、もう1年半会えていないですね。
古谷:会いたがっているでしょうねぇ…。
百名:そうですね。電話とかはたまにしてますが…。会いたいですね。
古谷:僕は…。大切なものって生きていると失ったりまた見つかったりするじゃないですか?でも、今現時点で僕がこれは大切だと思っているものが1つあって…「嫌いなこととか嫌いなものを大切にしよう」って思っているんです。この情勢になってウィルスが蔓延する世界になって、みんな色々考えることがあったじゃないですか。その中で僕が考えた1つに、当たり前だったことと当たり前じゃなかったことがあったってこと、でもそれこそ当たり前すぎて考えたことが無かったんですね。好きなこととか大事なものほどそうだと感じることが出来るためには、嫌いなものごとがあったからだなって思ったんです。今回の劇中でも「白は黒があるから白なんだよ」っていうセリフが出てきますが、対角にあるものが存在しているからこそ、それはより際立ったり存在しうる。もし無かったら存在しえないのかもしれない程大きい存在だと思うので、嫌いな物事を大切に思う気持ちを大事にしたほうが、今後好きなものに出会ったり直面したりした時により好きな気持ちを強く感じることが出来るんじゃないかなぁって今、自分に思い聞かせているところです。今って色々我慢しなくちゃいけないことも多いじゃないですか。
百名:ええ、本当に多いですよね。
古谷:演劇をやっていてもマスクをしていなければならない時があったり、お客さんは声を上げることも出来ないし…。でも、今の状況をすごく嫌だなって感じているこの気持ちを大切にすればきっとこれが解消された時にやっぱり好きって思えるはずなんです。もしそうなら “嫌いだな”“イヤだな”って思う気持ちをその日まで大切にしておきたいなって思うんです。
百名:とてもいい考えですね。それって。本当におっしゃる通りですね。
◆人からどう思われているか気になって仕方がないという疾患のキャラクターもこの舞台には登場しますが、おふたりは人からどう思われているか気になるタイプですか? それともあまり気にならず、自分は自分だと割り切れるタイプですか?
百名:うわぁ。どうだろう?ん~~…割り切りたい(笑)
古谷:願望!
百名:そう(笑)。願望!(笑) なんだかんだ割り切りたいけど、たまには気にしちゃいますね。
でも気にしないように努力している感じですね、僕はまだ。
古谷:そんなふうに思っていてもどうしても気にしちゃいますよね。
百名:なんだかんだちょっと気にしちゃうので…(笑)。気にする必要はないってわかっているんですけれど。なので今、頑張って気にしないようにしている最中です(笑)
古谷:あはは。まぁきっと役柄のことも今回の作風も相まってなのかもしれないですけれどね。僕もそうかなぁ。う~ん、半々ですかね、やっぱり。今回面白いなって僕個人で思っていることは、役者さん全員今回初顔合わせで皆さんどういうかたなのか人間性もわからない段階でお互い芝居と芝居を板の上に乗せているんですよ。それってとても面白くて、この人はこういう人だってわかっている状態で芝居を観るのとでは全く感じかたが違うんですね。その人についての情報・要素がないから、そのキャラクターにしか見えないんです。それがすごく面白いから僕もそうでいたいんです、共演者のかたに対して。古谷大和っていう人間がどういう人間か全くわからない状態で“ルイのお芝居”を相手に渡してあげたいんです。きっとそれで感じるものがそのかたにもあるだろうし、僕もあるから、今この現場においてはあまり周りのことは気にしていない…ようで、そうする為にあまり喋らないようにしておこうって気にしているところもあるから… (笑)半分半分ってことなんです。稽古が進んで本番に乗る形まで出来上がったら、そこからはもういくらでも僕・古谷大和はこういう人間なんですというのを出すのもいいと思うんです。形が出来上がれば僕という人を見せてもいいと思うんですが、それまでは今、こういう状況(※全員が初共演)だからこそ出来ることを活かして僕はやりたいなって思っています。
百名:最初大和さんが稽古場に入って来て、何も知らない状態で見た時、「あ!ルイだ!」って思いましたよ。
古谷:わ、それは嬉しい!めちゃくちゃ嬉しいですよ。
百名:「これがルイだ」って思って。そのシーンを見ただけでなんかすごくワクワクしましたね。今のお話を伺って、まさにそれなんだなって思いましたね。
古谷:僕も百名さんを見て、同じことを感じましたよ。 アクションが多いのに、すごく身体がきくし。役柄、表現するのが難しそうだなって思っていましたけれど、ちゃんとしっかり想像を超える表現の仕方をされていて。
百名:いやぁ、ありがとうございます。
◆おふたりは物語後半で 絡む部分がありますね。格闘するようですが、どのような練習をしていますか?
古谷:まだそんなに多くの稽古は出来ていないのですが、百名さん、すごく上手なんで任せてしまうことが出来ます。僕が間違えずしっかりここでこうしてっていうのをやっていれば、百名さんがうまくやってくれるだろうなって信頼のもと稽古をさせてもらっています。
百名:あんまり僕たち多くは闘わないですよね。ペネロペと闘う感じで。
古谷:最後、一瞬だけ とどめをさされるんですが、この闘いはすごく短いです。その一瞬だけなのに、百名さんっていう役者さんはこういうところに気を使う、優しさがあるかたなんだなって感じて、僕はすごく楽しかったですね。なので稽古はどんな風にやっているのかというよりは、役者と役者の間にもそういうことがありますよということを知っていただけたら嬉しいです。 う~ん、具体的に言うと、くるっと一瞬で廻って位置を入れ替わらなくてはいけない“手”があるんですが、百名さんとても気を使って下さって、僕が結構その場所の割合を大きく占めていても少ないところで動いて下さったり、すごい優しく表現していくんだなって感じたり。
百名:いやいや。お互いケガはしたくないですからね。 そういう僕を、古谷さんがちゃんと気がついて下さったことはすごく嬉しいし、でもちょっと照れくさくもありますね。
◆古谷さんは今までの活動でも多くの殺陣をやっていらっしゃいますが、百名さんは殺陣の経験はどのくらいありますか?
百名:僕は舞台が決まると、その時その時、練習する感じですね。
古谷:今回の殺陣は今までの舞台の中でどのくらいの物量ですか?
百名:3番目くらいの多さですね。もっと多い作品にも出たのですが、今回は独特ですよね。暗殺術っていうわけではないですが、截拳道(ジークンドー)っていう独特な筋肉の使いかたをするので難しくて。なのでヘンな筋肉がちょっと痛かったりしています。
◆今回のセリフで好きなものはありますか? その理由も聞かせてください。
百名:さっき大和さんが言っていた「白は、黒があるから、白になれるんだよ」ってある種の心理じゃないかなぁって思っています。悲しいがあるから嬉しいがわかるし、シンプルでよく言われてきた言葉だとは思うのですが、改めて考えると深いんだなぁって思いますね。光が強ければ影も強くなる…みたいな。零音は抑圧された中で生きて来たんですね。心の闇が深い分、反する面も大きいのではないかなと想像を膨らませられる。とても好きなセリフですね。
古谷:なんかクゥンと来ますよね、その言葉。たとえ演劇だとしても心に刺さるというか。 僕はエマのセリフで「君だけは信じられると思ったのに」っていうのが好きですね。これってすごくワガママで自分勝手な考えの言葉だと思うんですよ。でも誰もが自然な摂理で生きていれば感じる生まれる感情で、人のことを信用する時に書面も無いし物として書くわけではないのに目に見えなかったり触れないものを人は求めて信じて、でも裏切られると勝手に傷つく。この物語のある種 大きな部分をこの一言のセリフで描いているなって思って。出て来るキャラクターみんな、見えないものと闘っていたり払拭したり寄り添ったり…。「君だけは信じられると思ったのに」っていうエマが他のキャラクターの心も表現しているようで、僕はすごく胸に刺さったセリフですね。世界を広げてみれば、生きていれば自分もそういうことってあるなって。勝手に信じて勝手に裏切られて…。そういうことを繰り返して人は薄い部分から厚くなっていくのかなって。色んなことを考えさせられるセリフで気に入っています。物語の流れ的には、そんな感じでエマが言うわけではないし、ご覧になるかたもそんな風にはこのセリフを捉えないとは思うのですが、一役者としてこのセリフに色んな思いを馳せています。
◆今回ご自身の役になりきるため、お稽古が始まってから なにかこだわっていることはありますか?例えば百名さんだったらあまり笑わないようにしている…とか。
古谷:百名さんは普段は結構笑う人です?
百名:結構笑うし、ふざけるのが好きですね。そうやって楽しくしているのが好きです。なのであまり笑わない人が気になるようになりましたね。「なんで笑わないんだろう?」、「なんで無表情でいられるんだろう?」って。
古谷:普段笑おうとしているのではなく、笑っているのが好き?
百名:笑っているほうが楽なんでずっとそうして過ごして来たのですが、今回の役をやってから、映像とか見て、なぜ無表情だけでこの芝居が成り立つんだろうとか気になり始めましたね。自分には無いものが零音にはある…みたいな。無表情とかに敏感になりましたね。
古谷:僕も楽しいほうが好きです。お仕事する時、笑っていられるなら笑っていたほうが楽だし、楽しいですよね。笑っていてはいけないお仕事もある中、僕たちのような世界は笑うことも出来る。笑っていていいのなら笑ってお仕事をしたいなって思いますね。今回の話に関してはさっきもお話ししましたが共演者の皆さんにあまりわからない状態で挑みたかったので、あえてあまり会話をしないようにしています。もちろんこのご時世柄、たとえマスクをしていてもあまり会話をしないほうがお互いにとって心配も無くていいというのもありますし。出てくるキャラクターみんな知らない人がコミュニティに集まっているというのもあるので、会話をしないほうがお互いこの話の世界に没入出来るのならそうしたほうがいいのかなって考えています。そうやって世界を作り上げて、本番に臨む直前で仲良くなるほうがいいかなぁって。もちろん作品にもよるし、最初からたくさん話しかけて仲良くなったほうがいいい時もありますが、今回はちょっとそういうことを意識しています。
◆公演初日のジンクスなどはありますか?
古谷:僕はどの作品でも初日の本番前、必ず袖でやることがあります。ちょっとお話するのが恥ずかしいんですが…(照)僕のおじいちゃんは父方・母方共に亡くなっているんですが二人のことが大好きで。僕はハーフでスペイン人のおじいちゃんと日本人のおじいちゃんがいたんですが、その二人に祈るというか話しかけて本番に立つようにしています。おじいちゃんたちはきっと僕が役者をやってるって知ったら仰天だと思うんです(笑) 舞台に立ったりプロマイドとか写真集とか出したり女性のかたにキャーキャー言ってもらってるなんて思ってもいなかったと思うので(笑) なので「行ってくるから驚かないでね。今日も行ってきます。」って感じで話をして心を落ち着かせて初日に臨みます。
百名:沖縄ではご先祖さまを拝むことを「うーとーとー」って言うんですが、僕もそれを大切にしていますね。要所要所でそうしています。でもそれが初日のジンクスというわけではないですね。
古谷:初日のジンクスって無い役者さんも多いですよね。
百名:そうですね、その時々のマイブームをやってリラックスしたり集中したりする感じです。“毎日湯船につかる”とか“ステーキを食べる”とか“喉のためにクーラーを一日つけっぱなしにしない”とか(笑)
◆今回、人と接するのが苦手なキャラクターが集まるコミュニティが舞台ですが、おふたりが仕事現場で他のかたとコミュニケーションをとるとき気をつけていることはどんなことですか?
古谷:今はコロナとかがあるのでなかなかコミュニケーションをとりたくてもとりにくい部分はあるのですが…。僕、見た目の雰囲気からなのかなぜか怖いと思われるみたいなんです(笑)ベラベラ明るくしゃべるようなタイプでもないですし…。僕は人のお芝居を観るのが大好きなんですが、好き過ぎてかなり真剣な顔で見ちゃってるんでしょうね。よく「怒ってるんですか」?って思われるんですよ。
百名:今はマスクもしてるから余計ですよね。古谷さんメヂカラも強いし。
古谷:そうなんです! でもお芝居を観るのもやるのも好きだからついつい「ああ、この台本からそういう捉え方をするのか。」とか考えながら見入ってしまって(笑) 見ながらふっと「あ、また僕怒ってるって勘違いされちゃうんじゃない?」って思い出して(笑)気をつけている時があります(笑) あんまり凝視しないで、台本を見ている風に誤魔化しながら(笑)見ていたり。怒ってるって思われないように話せるチャンスがあったらなるべくボケて(笑)本当は怖くないよっていうのをわかってもらうようにしてみたり(笑)。「怒ったことなんてあまりないんですよ」ってことを証明するように結構気を使っているんですよ(笑)
百名:僕は稽古をやっていると反対側に演出家さんや出番を待っている役者さんがいるんですが、僕の演技を見てくれないと“しゅ~ん…”ってなっちゃいます。「興味ないのかな?演技がダメなのかなぁ?」って思って。なので僕は他の役者さんが稽古しているのをなるべく見るようにしています。でも見過ぎもよくないかなとも思うのでそのバランスを考えながら見るようにしています。今の稽古場では教室のように自分の座席が決まっているんですが、僕は一番前の席でシーンによっては役者さんがめちゃくちゃ近くまで来ることがあって、時々ちょっと気まずいです(笑)オリビアがムチで叩かれるシーンとか、すごく近くて(笑) これはあまり見ちゃいけないなって思ってちょっと目をそらしてみたり(笑) でもみんなの芝居を見たいし(笑)
◆役者として 常に心がけていることは?
古谷:達成は出来ていなくてまだ目指している段階なんですが、古谷大和という人間性をお客さんに伝えないっていうことですね。 古谷大和という人間がどういう人間かっていう知識が根底にあるよりも、何もわからない真っ白な状態でお芝居を見てもらったほうがスッと話やキャラクターが観るかたの心に入ると思っています。なので観るかたに僕がどういう人間かわからない状態でやりたいって思っています。でも観客の中にはずっと応援してくださっている僕のことをよくご存知なかたも沢山いるし、SNSを発信したり、こういうインタビューでもどういう人間か知っていただく機会もあります。 これはもちろんいいことだし必要なこと、大事なことなんです。でもその反面、僕への知識が皆無の状態で演劇をしたいなとも思っています。先入観がなくその役が僕自身のような形で見て欲しいんです。
百名:僕も大和さんの考え方に被るかもしれませんが、いい意味で期待を裏切りたいって常に思っています。お客さんが予想して観に来てくれたことと予想通りにはなりたくないなっていうのがありますね。百名くんならこうやるだろうなとかの予想をいい意味で裏切りたい、観るかたたちにサプライズをあげたい。それがエンタメの大事なことの1つじゃないかなって思っています。性格が天邪鬼なのかもしれないですが、そうしたい願望は常にありますね。 皆さんを裏切れるよう頑張ります(笑)
◆最後にこの舞台のおすすめポイントを聞かせてください。
古谷:とにかく百名くんがとてもかっこいいのでそれをまず楽しみにして来てください。 このご時世だからやれる意味・やる意味とかいうことよりも、たとえ世間がどういう状況だとしても、この舞台はきっとどこか胸を打たれる瞬間があると思うんです。色んな人が色んな箇所で胸を打たれる瞬間がある作品だと思っているからこそ、この状況でも観に来ていただけたら嬉しいなって思います。もちろん観たいという気持ちだけでは来場が叶わないかたも多いと思いますが、役者としての勝手な願いでは出来れば沢山のかたたちに直接その目で見ていただければいいなと思っています。頑張っていきますので楽しみにしていて下さい。
百名:大和さん演じるルイがゾクゾクするくらいかっこいいのでそれは絶対に楽しみにしてほしいです。みんなそれぞれ見せ場とかありますし、稽古を重ねていくうちにどんどんもっと進化していくと思うので僕自身もとても楽しみですし、皆さんにも期待していただきたいです。僕も零音がどうなるか、まだ全然自分でもわからないですが、既に撮影した映像演出も加わったら劇場でさらに進化すると思うので、生だからこそ感じられる何かがきっと伝わると思うので、このご時世ではありますが是非劇場に足を運んでいただけたら嬉しく思います。でも、どうしても来場は難しいかたも多いと思います。行かれないけれどどうしても公演が観たいと沢山の声をいただき、千秋楽は配信されることになりました。 是非観ていただけたらと思います。いろんな未公開特別映像もありますのでそれも是非期待してください。
舞台『ゼロの無限音階』は7月11日まで上演。現在チケットは好評発売中でです。詳細はInformationから公式サイトをチェックしてください。
☆Information
舞台『ゼロの無限音階』
日程:2021年7月8日(木)~11日(日)
(1)2021年7月8日(木)開場18時/開演18時30分
(2)2021年7月9日(金)開場13時30分/開演14時
(3)2021年7月9日(金)開場18時/開演18時30分
(4)2021年7月10日(土)開場12時30分/開演13時
(5)2021年7月10日(土)開場16時30分/開演17時
(6)2021年7月11日(日)開場11時30分/開演12時
(7)2021年7月11日(日)開場15時30分/開演16時
劇場:銀座博品館劇場(東京都中央区銀座8-8-11)
≪出演≫
百名ヒロキ 能條愛未 古谷大和 朝田淳弥 小原莉子 根岸愛 さかいかな 扇けい
Raychell 植木建象 宮内告典 末野卓磨
【アンサンブルキャスト】
秋吉優凪 石塚達也 高田有樹 橋本陸
≪チケット申し込み≫
イープラス https://eplus.jp/mugen_stage/
千秋楽の配信が決定!
「百名ヒロキの突撃キャストインタビュー」特典映像付き
※百名ヒロキが稽古中・撮影中のキャスト1人1人に突撃インタビュー
【販売期間】
2021/07/04(日)12:00~2021/07/17(土)21:00まで
【配信チケット受付URL】
https://eplus.jp/mugen_stage_str/
≪公式サイト≫
https://zeronomugenonkai.com/
古谷:僕はどの作品でも初日の本番前、必ず袖でやることがあります。ちょっとお話するのが恥ずかしいんですが…(照)僕のおじいちゃんは父方・母方共に亡くなっているんですが二人のことが大好きで。僕はハーフでスペイン人のおじいちゃんと日本人のおじいちゃんがいたんですが、その二人に祈るというか話しかけて本番に立つようにしています。おじいちゃんたちはきっと僕が役者をやってるって知ったら仰天だと思うんです(笑) 舞台に立ったりプロマイドとか写真集とか出したり女性のかたにキャーキャー言ってもらってるなんて思ってもいなかったと思うので(笑) なので「行ってくるから驚かないでね。今日も行ってきます。」って感じで話をして心を落ち着かせて初日に臨みます。
百名:沖縄ではご先祖さまを拝むことを「うーとーとー」って言うんですが、僕もそれを大切にしていますね。要所要所でそうしています。でもそれが初日のジンクスというわけではないですね。
古谷:初日のジンクスって無い役者さんも多いですよね。
百名:そうですね、その時々のマイブームをやってリラックスしたり集中したりする感じです。“毎日湯船につかる”とか“ステーキを食べる”とか“喉のためにクーラーを一日つけっぱなしにしない”とか(笑)
◆今回、人と接するのが苦手なキャラクターが集まるコミュニティが舞台ですが、おふたりが仕事現場で他のかたとコミュニケーションをとるとき気をつけていることはどんなことですか?
古谷:今はコロナとかがあるのでなかなかコミュニケーションをとりたくてもとりにくい部分はあるのですが…。僕、見た目の雰囲気からなのかなぜか怖いと思われるみたいなんです(笑)ベラベラ明るくしゃべるようなタイプでもないですし…。僕は人のお芝居を観るのが大好きなんですが、好き過ぎてかなり真剣な顔で見ちゃってるんでしょうね。よく「怒ってるんですか」?って思われるんですよ。
百名:今はマスクもしてるから余計ですよね。古谷さんメヂカラも強いし。
古谷:そうなんです! でもお芝居を観るのもやるのも好きだからついつい「ああ、この台本からそういう捉え方をするのか。」とか考えながら見入ってしまって(笑) 見ながらふっと「あ、また僕怒ってるって勘違いされちゃうんじゃない?」って思い出して(笑)気をつけている時があります(笑) あんまり凝視しないで、台本を見ている風に誤魔化しながら(笑)見ていたり。怒ってるって思われないように話せるチャンスがあったらなるべくボケて(笑)本当は怖くないよっていうのをわかってもらうようにしてみたり(笑)。「怒ったことなんてあまりないんですよ」ってことを証明するように結構気を使っているんですよ(笑)
百名:僕は稽古をやっていると反対側に演出家さんや出番を待っている役者さんがいるんですが、僕の演技を見てくれないと“しゅ~ん…”ってなっちゃいます。「興味ないのかな?演技がダメなのかなぁ?」って思って。なので僕は他の役者さんが稽古しているのをなるべく見るようにしています。でも見過ぎもよくないかなとも思うのでそのバランスを考えながら見るようにしています。今の稽古場では教室のように自分の座席が決まっているんですが、僕は一番前の席でシーンによっては役者さんがめちゃくちゃ近くまで来ることがあって、時々ちょっと気まずいです(笑)オリビアがムチで叩かれるシーンとか、すごく近くて(笑) これはあまり見ちゃいけないなって思ってちょっと目をそらしてみたり(笑) でもみんなの芝居を見たいし(笑)
◆役者として 常に心がけていることは?
古谷:達成は出来ていなくてまだ目指している段階なんですが、古谷大和という人間性をお客さんに伝えないっていうことですね。 古谷大和という人間がどういう人間かっていう知識が根底にあるよりも、何もわからない真っ白な状態でお芝居を見てもらったほうがスッと話やキャラクターが観るかたの心に入ると思っています。なので観るかたに僕がどういう人間かわからない状態でやりたいって思っています。でも観客の中にはずっと応援してくださっている僕のことをよくご存知なかたも沢山いるし、SNSを発信したり、こういうインタビューでもどういう人間か知っていただく機会もあります。 これはもちろんいいことだし必要なこと、大事なことなんです。でもその反面、僕への知識が皆無の状態で演劇をしたいなとも思っています。先入観がなくその役が僕自身のような形で見て欲しいんです。
百名:僕も大和さんの考え方に被るかもしれませんが、いい意味で期待を裏切りたいって常に思っています。お客さんが予想して観に来てくれたことと予想通りにはなりたくないなっていうのがありますね。百名くんならこうやるだろうなとかの予想をいい意味で裏切りたい、観るかたたちにサプライズをあげたい。それがエンタメの大事なことの1つじゃないかなって思っています。性格が天邪鬼なのかもしれないですが、そうしたい願望は常にありますね。 皆さんを裏切れるよう頑張ります(笑)
◆最後にこの舞台のおすすめポイントを聞かせてください。
古谷:とにかく百名くんがとてもかっこいいのでそれをまず楽しみにして来てください。 このご時世だからやれる意味・やる意味とかいうことよりも、たとえ世間がどういう状況だとしても、この舞台はきっとどこか胸を打たれる瞬間があると思うんです。色んな人が色んな箇所で胸を打たれる瞬間がある作品だと思っているからこそ、この状況でも観に来ていただけたら嬉しいなって思います。もちろん観たいという気持ちだけでは来場が叶わないかたも多いと思いますが、役者としての勝手な願いでは出来れば沢山のかたたちに直接その目で見ていただければいいなと思っています。頑張っていきますので楽しみにしていて下さい。
百名:大和さん演じるルイがゾクゾクするくらいかっこいいのでそれは絶対に楽しみにしてほしいです。みんなそれぞれ見せ場とかありますし、稽古を重ねていくうちにどんどんもっと進化していくと思うので僕自身もとても楽しみですし、皆さんにも期待していただきたいです。僕も零音がどうなるか、まだ全然自分でもわからないですが、既に撮影した映像演出も加わったら劇場でさらに進化すると思うので、生だからこそ感じられる何かがきっと伝わると思うので、このご時世ではありますが是非劇場に足を運んでいただけたら嬉しく思います。でも、どうしても来場は難しいかたも多いと思います。行かれないけれどどうしても公演が観たいと沢山の声をいただき、千秋楽は配信されることになりました。 是非観ていただけたらと思います。いろんな未公開特別映像もありますのでそれも是非期待してください。
舞台『ゼロの無限音階』は7月11日まで上演。現在チケットは好評発売中でです。詳細はInformationから公式サイトをチェックしてください。
☆Information
舞台『ゼロの無限音階』
日程:2021年7月8日(木)~11日(日)
(1)2021年7月8日(木)開場18時/開演18時30分
(2)2021年7月9日(金)開場13時30分/開演14時
(3)2021年7月9日(金)開場18時/開演18時30分
(4)2021年7月10日(土)開場12時30分/開演13時
(5)2021年7月10日(土)開場16時30分/開演17時
(6)2021年7月11日(日)開場11時30分/開演12時
(7)2021年7月11日(日)開場15時30分/開演16時
劇場:銀座博品館劇場(東京都中央区銀座8-8-11)
≪出演≫
百名ヒロキ 能條愛未 古谷大和 朝田淳弥 小原莉子 根岸愛 さかいかな 扇けい
Raychell 植木建象 宮内告典 末野卓磨
【アンサンブルキャスト】
秋吉優凪 石塚達也 高田有樹 橋本陸
≪チケット申し込み≫
イープラス https://eplus.jp/mugen_stage/
千秋楽の配信が決定!
「百名ヒロキの突撃キャストインタビュー」特典映像付き
※百名ヒロキが稽古中・撮影中のキャスト1人1人に突撃インタビュー
【販売期間】
2021/07/04(日)12:00~2021/07/17(土)21:00まで
【配信チケット受付URL】
https://eplus.jp/mugen_stage_str/
≪公式サイト≫
https://zeronomugenonkai.com/