舞台俳優・高本学×声優・山下七海がお互いの質問に回答!さらに二人の思い出が詰まった、忘れられない味とは?朗読劇「クローバーに愛をこめて」11/6開幕目前SP対談インタビュー【後編】

俳優・高本 学さんと、声優・山下七海さんが声で紡ぐ優しい愛の物語、朗読劇「クローバーに愛をこめて」が2021年11月6日(土)、7日(日)に東京・浜離宮朝日ホール 小ホールにて上演されます。
スマートボーイズでは公演を前に、今作が初共演となる高本さん&山下さんに対談形式でインタビュー! 2日連続更新の特集、本記事ではその後編をお届けいたします。


■英雄 役・高本 学さん×愛美 役・山下七海さん 対談インタビュー【後編】

――高本さんは舞台俳優として、山下さんは声優として普段はご活躍されていますが、それぞれ朗読劇にも何作かご出演されています。今作も朗読劇として演じるにあたって、何か特別に意識されていることはありますか?

高本 僕はやっぱり、普段の舞台とは違って大きく身体が使えない分、いかに声色で表現するか、というところですね。年齢に応じた声の演じ分けはもちろん、今までやってきた芝居を声だけでどれだけ表現できるんだろうっていうチャレンジでもありますし、いい感じにマッチするような自分の声を作って、感情にも正直に演じていきたいなって思います。
あとは女性と二人きりでお芝居をするっていうこともあまり機会がなかったので、そこでもどういう表現ができるのかを見つけていきながら、今回の朗読劇だからこそできることを探していきたいです。

山下 私も声優として、普段は動いているキャラクターに声を当てることが多いんですけど、朗読劇だと私の声で皆様に状況とか心情を伝えなきゃいけないので、やっぱりそういうところは難しく感じています。
実は私も、普段は高本さんが舞台でやられている動きみたいなものを、同じように頭に思い浮かべながら声で表現していて。今回はそんな私たち二人が掛け合わさることで、より皆様に世界観が伝えられるようにしたいと思います。
あと、愛美はピアノを弾くシーンも多いので、皆さんの頭の中で実際にピアノを弾いている姿を思い描いていただけるように、そこはポイントとして意識したいと思います。


――近年の朗読劇は様々なスタイルがあり、多少は動きがあったり、小道具などを使った演出がつけられている作品もありますが、今作はどんな演出になるんでしょうか?

山下 本当にスタンダードに、声を中心にお届けする作品になると思います。なので、もちろんピアノも実際にはありませんし、そこは表現の腕を試されるのかな、と。

高本 英雄が作ってみせる料理もそうですし、僕たちの声でお客様に想像力を与えられるようにしなきゃいけないので、頑張らないとなって思いますね。
普通の舞台なら、実際にモノが小道具として舞台上にあったり、例えば嵐の中にいるシーンなら、嵐の映像が出てきたりして、映像や効果音とかの演出に頼れる部分もあるんですけど、今回は本当にストレートな朗読劇という形になると思うので、声で表現するという比重がとても大きくて。でも、だからこそ面白そうですし、いいチャレンジになると思います。

――今回は朗読劇での初共演となりましたが、主なフィールドとしては、舞台俳優の高本さんと、声優の山下さんでは、役者として共通することもありつつ、芝居のつくり方には異なる部分もあるのではと思います。
この機会に、なにかお互いに聞いてみたいことはありませんか?

高本 僕はアニメのアフレコ経験とかもないので、声優さんのことは分からないことも多いんですけど、まずキャラクターに合う声が出せる、っていうのがすごいなって!
僕も漫画・アニメ原作の2.5次元作品では、キャラクターに合わせて声を変えることもありますけど、どちらかというとパフォーマンスや、身体表現を意識することが多いですし、メイクや衣装で見た目も近づけられるので、そういう部分からキャラクターを作っていて。
でも声優さんは、本来は一つしかない声だけで色んなキャラクターを演じ分けているので、そこがすごいなって思うんです! どうしたら、そんなに色んな声が出せるんですか?

山下 実は声優さんにも色々なタイプの方がいて、高本さんがおっしゃるように、役に合わせて声色を変化させられる方もいらっしゃいますし、実は声はそのままで、お芝居の力でキャラクターの雰囲気をガラッと変えられる、という方もいらっしゃって。
そこは各々のスタイルだと思うんですけど、やっぱり俳優さんと同じように役のことを考え抜いて、収録の本番までにはああしよう、こうしよう、と試行錯誤した上での声を持っていっているんだと思います。だからそういう意味では、役作りの方法は役者さんと同じなのかもしれないです。


高本 でも声優さんのアフレコって、稽古がなくていきなり当日じゃないですか? 周りと合わせないで、自分だけでイチから作り上げた声を持っていく、っていうのもすごいなって思います。収録現場で、周りから声のアドバイスをいただけることもあるんですか?

山下 それはありますね! 本番前には一度テストがあるので、そこで皆さんと合わせてみて、違う部分があれば指摘してもらって、本番には修正して、という感じです。
それに私たちは、もし噛んじゃったりしてNGがあっても、もう一度録り直すこともできるので(笑)。そこは収録の利点でもあると思うので、その点では逆に、毎回が一発勝負な舞台俳優さんは本当にすごいなって思います!

――山下さんからも、舞台を中心に活躍されている高本さんに聞いてみたいことはありますか?

山下 本当に初歩的な質問なんですが……。舞台上とかで他の役者さんが喋っている間も、ずっと役のままなんですか?

高本 えっ? はい、もちろん(笑)。

山下 そうですよね!(笑) 実は声優さんって、収録中はイスに座っていて、自分が喋る時だけマイクの前に立つ、っていうスタイルなので、自分の出番じゃないパートになると、収録中でも結構真顔だったりするんですよ(笑)。
だけど舞台俳優さんは、ずっと舞台上にいるじゃないですか。目線とか、どこを見たらいいのか分からなくなったりしないんですか?

高本 うーん……やっぱり一つのお芝居の中で、基本的には自分の役が次はこうするとしたら、そこに行き着くための行動をしていると思います。次のセリフを言うためには、その前の行動をしておかないと、そのセリフをうまく言えない気持ち悪さが残ってしまう気がして。だから基本的に、舞台上にいる時の動作で無駄なことはゼロに近くて、その動作があるから次のセリフがある、っていう感じで、常にお芝居は連続して作っていますね。


山下 すごい! もちろん「今日は何食べようかな~」とか、そういう瞬間はないと思うんですけど(笑)、ずっと、ずーっとセリフがなくてもお芝居は続いているんですね。

高本 もちろん役者さんにも色んなタイプの方がいて、例えば役に憑依するような入り込み方する人には、また違ったアプローチがあったりするんだと思います。
でも、僕もどちらかというとこのタイプだと思うんですけど、役を計算して演じるタイプの人は、このセリフに行き着くためにはここでこう動こうとか、稽古の中でしっかりと組み立てていく人が多いのかなって。

――そういった面でも、お互いにフィールドの違う役者同士として、今回の朗読劇を通して刺激を与え合ったり、新たに学べる部分がありそうですね。

山下 きっと、すごくたくさんあると思います!

高本 僕も、山下さんから色々なことを勉強させてもらいます。


――ではここからは、今作にちなんだテーマのお話を。今作ではコックを目指している英雄が、愛美や周囲の人たちに料理をふるまうシーンも何度か印象的に描かれていますが、お二人にとってもこれまでの人生で印象に残っている食事や、忘れられない味はありますか?

高本 やっぱり両親が作ってくれたご飯とか、おじいちゃん、おばあちゃんの家で食べた味って、すごく鮮明に覚えていますね。あとは大学生の時に、友だちと安いスーパーに行って、安いお肉を買って作ったテキトーな鍋とか(笑)。
そういう周りの光景も含めて、一つ一つが自分にとっての大切な思い出っていう感じで、これという特別なものではないけど、全てが生きる上での経験になっている気がします。

――その中でも「高本家の味といえば、コレ!」みたいなものはありますか?

高本 よくおばあちゃんがあんこを練って作ってくれたんですけど、そのあんこがすごく好きで! 何もつけずに、あんこだけで食べるっていうのをずっとやっていました(笑)。それで甘党になったんだと思うくらい、僕にとっては思い出の味ですね。

――お菓子好きな高本さんの、甘党の根源がそこにあるとは(笑)。では、山下さんの思い出の味はありますか?

山下 特に印象に残っているのは、この世界に入るきっかけとなったオーディションで、「最終審査に合格しましたよ」っていう電話を受け取った日の晩ごはんですね。
家族でお祝いをしようっていうことになって、ファミレスに行って……実は「いつものファミレスじゃなくて、もっといいお祝いにしてよ!」なんて思っていたんですけど(笑)。

高本 アハハ! ファミレスで(笑)。

山下 でも、そのファミレスで食べたカルボナーラの味が忘れられないんです。合格できて嬉しいような、でもこれで東京に出ていくんだっていう、まだ何かちょっと覚悟しきれていない自分もいて……。そういうフワフワした気持ちのまま、すごくすごく複雑な、でもとっても嬉しい気持ちで食べたカルボナーラだったので、その味は今でも思い出しますね。


――ファミレスのカルボナーラだと、その後にも同じ味を食べる機会があったのでは?

山下 はい、ありました! だから東京に来てからも、場所は違えど同じチェーン店でカルボナーラを食べた時には、毎回その日のことを思い出して。その度に、「もっと頑張らないといけないな」とか、自分に気合いを入れられる味になっていますね。

――素敵なエピソードを聞かせていただいて、ありがとうございました! それでは最後に、これから公演を楽しみにされている方に向けてメッセージをお願いいたします。

高本 本当にすごく面白くて、とっても素晴らしい脚本をいただいたので、あとは僕と山下さんとで息を合わせて、いい化学反応を見せながら、この物語を、この人生を、丁寧に紡いでいけたらと思います。
一分一秒たりともお客様を飽きさせることなく、心地よく、ホロッと涙を流してもらえる作品なればいいなと思いますので、ぜひ劇場に足を運んでいただけると嬉しいです!

山下 幼なじみ二人のラブストーリーにして、それぞれの成長物語にもなっているので、必ず皆さんにも、どこかで共感していただけるシーンがあると思います。
ご自身の人生を改めて振り返ってみたり、恋人や家族、大切な人に感謝を伝えたくなったりだとか、聴き終わった後には気持ちがちょっと変化するような朗読劇になるように、高本さんと力を合わせて頑張ろうと思います。ぜひ、お楽しみにしていてください!


朗読劇「クローバーに愛をこめて」は、2021年11月6日(土)、7日(日)に全5公演が東京・浜離宮朝日ホール 小ホールにて上演されます。公演チケットは好評発売中、詳細は下記のInformationからチケット販売ページをご確認ください。

☆Information

■公演概要
朗読劇「クローバーに愛をこめて」
出演者:高本学、山下七海

作・演出:大浜 直樹
プロデュース:たちばな やすひと

【日程】
2021年11月6日(土)、7日(日)
▼11月6日(土)
[一部]開場14:00/開演14:30
[二部]開場17:30/開演18:00
▼11月7日(日)
[一部]開場11:00/開演11:30
[二部]開場14:30/開演15:00
[三部]開場17:30/開演18:00

【場所】
浜離宮朝日ホール・小ホール
https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/access/
東京都中央区築地5丁目3-2 朝日新聞東京本社 新館2階

【価格】
4,500円(税込)

【チケット発売中】
▼一般販売(先着):10月23日(土)12:00~
https://eplus.jp/clover2021/

企画・協力:Nemeton
主催:ソニー・ミュージックエンタテインメント
お問い合わせ:03-3515-5683(平日11時~17時)